会社の友人と嫁が両想いになった

今嫁が抱かれてる。

もう何度目かだけど、興奮しすぎてやばい。

といっても浮気してるのを黙って静観してるだけだからスレ違いなのかな?

男とはグルだけど

嫁が他の男としてるとこ見たい。

でもハプニングバーとか絶対断られるのはわかりきってる。

じゃあ浮気してもらおう。

後輩のイケメンに口説くよう依頼。

しかし嫁イケメンを歯牙にもかけず。

俺ホッとするのと同時にガッカリ。一旦諦める。

しかし俺が出張中に何故か急にイケメンとH。

その後も・・・   ←今ここ

嫁とは結婚5年目。

歳は同じ。33歳。

付き合いも含めると8年くらい一緒。

自分で言うのもなんだが、美人な嫁をもらえたと思う。

ごっつええ感じに出てた頃の篠原涼子にそっくり。

元々薄化粧だったし、あまり年齢を感じさせない。

今でも余裕でスッピンの嫁を抱けるし、去年も海で一人きりにしてたらナンパされまくってた。

学生の頃からジョギングが日課で、スタイルも健康美って感じで引き締まってる。

子供は居ない。積極的に作る空気も無い。

お互いにどうしても欲しい!って感じじゃないから。

中田氏もよっぽど盛り上がった時くらいしかしない。

嫁とは同期で社内恋愛だった。

最初は取っつきにくそうで、いけすかない女だなって思ってたのに、一緒の案件とか抱えるうちに、仕事に対して責任感あるなって感心してそのまま仲良くなった。

猫が好きで、その可愛がり方とかを見てギャップ萌えで惚れた。

嫁はバリバリ働いてて、結婚なんて眼中ありませんって感じの

高学歴キャリアOLだったのに、俺との結婚を機にあっさりと寿退社。

てっきり勤めを続けると思ってたからびっくりした。

理由聞いたら「主婦舐めすぎ!」と怒られた。

仕事も手際良かったし、俺も協力するつもりだったから別に可能だと思ってた。

完全主義なところがあるから、中途半端は嫌いなんだろう。

「あなたを支えるのに全力を尽くしたい」って言葉が嬉しかった。

あんまり嬉しくてニヤニヤしてたら「気持ち悪っ。過労死しろ」って言われたけど、ちょっとでも俺が体調悪くなると、「会社休みなよ。ねぇ?ちょっと!休みなって!!!」

としつこいぐらい心配してきてくれる。

恥ずかしながら結婚は向こうから言ってきた。

俺からプロポーズするつもりだったんだけど、見事に先を越された。

二人で並んで座ってTV見てたら、お互い視線はTVに向けたまま

「いつ結婚する?」

「え?いやそのうち」

「じゃあ来年ね」

「ん」

こんな感じだった。

ちょっと無言の間を置いて

「俺から言おうと思ったのに」って言ったら、視線を前に向けたまま

「遅いよ馬鹿」と煎餅パリパリ齧ってた。。

でもその直後、俺の肩に頭乗せてきて「やっぱちゃんと言って」と言われたので

俺が後の先を取った感じ。

嫁が他の男としてるとこを見たいと思ったのは一昨年くらいから。

ちょっとマンネリ気味ってのもあったし、きっかけはネットで寝取られという概念を知ったから。

最初は理解出来なかったけど、次第に嫁が他の男としてる姿を想像してオナニーするようになった。

でもどうしたら良いかわからなかった。

ネットでハプニングバーとか色々調べたけど、どれも結局実行には移せなかった。

断られるのは火を見るより明らかだったし、それで夫婦の間にあからさまに亀裂が

入るようなリスクは負いたくなかった。

だから俺にとっても理想は、嫁が浮気して、それを俺が覗きみるという形だった。

しかしそれには第三者の協力が必要不可欠で、俺はそれを会社の後輩に頼んだ。

丁度適役な奴がいたから。

本気になられてしまう心配は無かった。

嫁がそんな女でないと確信しているから。

というか浮気なんかをそもそもしないだろうな。とこの時点で計画は失敗するだろうと薄々気づいていた。

でもそんな嫁だからこそ、他の男で喘ぐ姿を見たいと思った。

俺の考える嫁を抱いてほしい男の条件で外せなかったのは、なにより俺が信用できる、という事だった。

次点で嫁を楽しませてくれるって事。

高木(仮)は27歳で、丁度嫁が退社するのと同時に入社してきた。

新人のころから俺がずっと世話をしてきて、高木も俺を慕ってくれている。

プライベートでも二人でよく遊びに行くくらいで、嫁にも何度か

「高木君と出来てるの?」と呆れた感じで言われたことがある。

親友って言ってもいい。

家に招いたことも何度か。当然嫁とも面識がある。

仕事に真面目な熱血漢と、大の女好きが同居した内面にあとそこそこイケメン。

女性経験も結構豊富らしい。

何度か酒の席で、当然冗談でだが「京子(仮、嫁)さんとデートさせてくださいよぉ」とか言ってたし

当の嫁も「高木君って絶対モテルんだろうね」と言っていたから、お互いそれなりに好感は持っていると思ってた。

余談だけど「あんな子の隣にいたら冴えないオーラが目立っちゃうね、ぷぷぷ」と笑われたりもしたが、嫁の本音は「出来たら女の気配が多い男とは仲良くしてほしくないな」という事だったらしい。

ソースは俺と嫁の共通の友人。

「でも友達のことに口出したくないから何も言わないけどね。信用してるし」

そんな事をぽろりとこぼしてたらしい。

結婚してからはほんの少しだけど、嫉妬深いというか、寂しがり屋になった。

今までは職場も一緒だったから、文字通り一日中一緒にいたからその反動だろうか。

とにかく俺は高木に頼んでみた。

高木は冗談だと思って軽口で返してきたが、やがて俺が本気だとわかると黙り込んだ。

「いや、なんつうか複雑です」

そんな一言でその日は終わり。考える時間を与えて、あとは返事を待った。

一週間後、高木はさんざん悩んだ挙句、OKしてくれた。

「でも俺うまく出来るかどうか・・・」

「ダメならダメでいいよ」

「いや、てゆうか、なんつうかその、そういう意味じゃなくて・・・」

「どういう意味だ?」

「あの、うまいこと調整っていうか・・・」

「ああ、嫁が本気になっちゃうかもってこと?」

「まぁ、はい」

「危ないと思ったら止めるよ」

「本当に良いんですか?」

「ああ、子供出来たらこんなの出来ないしな。今のうちにやれるなら、な」

「俺結構あっちの方自信ありますよ?」

「その意気で頼むよ」

そんな軽口を叩きあって、高木の口説きは始まった。

まぁどうせ無理だろっていう確信に近い予感と、とりあえず一回くらいは試しとこうっていうだけだった。

でも案の定ダメだった。

口裏を合わせ、偽装工作をして、嫁と家で二人きりに(しかも酔った状態)

したのに、嫁は高木にぴくりともなびかず、結構本気でグイグイいったらしいのだが、まったく相手にされなかったようで、まさに暖簾に腕押し状態だったらしい。

「俺、女にこんな軽くあしらわれたの生まれて初めてです・・・」と高木は凹んでいた。

「旦那には内緒にしといてあげるから。そんなのダメだよ?」と嫁は怖い笑顔で言っていたらしい。

その結果に落胆するも、やはり嬉しくもあり、同時に罪悪感を持った。

こんなに嫁に思われているのに、俺は何てことをしようと思ってたんだ、と。

高木の心が折れたこともあって、そこで一旦中止になった。

しかしそれから2か月くらい経っただろうか、事態はいきなり急転した。

事の発端は、嫁から高木に「相談したいことがある」とメールを送ったことだ。

高木は返信する前に、俺に律儀に報告してくれた。

「どうしましょう?」

「とりあえず何の相談か聞いてみて」

その後の嫁の返信は、俺の浮気を疑うものだった。

もちろん身に覚えはない。

嫁以外の女性に興味がないほど、愛してる。

なのに自分以外の男としてる嫁が見たいとか、我ながら頭おかしいとも思う。

「一回会って話聞いてあげてよ。今度俺出張で家空けるから」

「了解です。弁解しといたら良いんですよね?」

「明らかな誤解ならな。てか誤解だけど。もしあれだったら、相談ついでに押し倒してもいいぞ」

「まだ言ってるんすか?」

この時も、冗談っぽく軽口を叩き合っていた。

でも結果からいうと、その時、嫁は高木に抱かれた。

嫁の相談メールから半月後、俺が出張に行くのと合わせ、高木は嫁と直接会って相談を受ける約束を取り付けていた。

玄関で俺を見送る嫁の様子はいつもと変わらなかった。

浮気を疑ってる様子なんてのも感じられない。

何の心配もせずに家を出た。

その日の夜、高木からメール。

「やばいっす。何かやれそうな雰囲気なんすけどどうしましょ?マジでいいんすか?」

目を疑った。

一呼吸置いてドッキリだと思った。

いくらなんでも脈絡が無さすぎる。

なんで突然?

ひとしきりビックリすると、気がつけば俺は涙目になっていて、さらに勃起していた。

「良い。でも嫁が嫌がることはするなよ。あと報告はすぐにしろ」と返信。

すぐに「わかりました。多分やれると思います」と返ってきた。

出張先のホテルで、何も状況がわからず、ただ焦りだけがつのった。

しかしその焦燥感は、俺の勃起をさらに促進して、俺は高木に抱かれる嫁を想像して抜いた。

今頃やってるんだろうか。本当に?

そう思うと、いてもたってもいられず、部屋の中をうろうろと歩き回って、>>476

気づけばまた勃起をしていた。

一時間後、携帯が鳴る。メールの着信音。

そのときもちんこいじってたけど、慌てて電話を取った。

「すいません、しちゃいました。またすぐに電話します」

ああ、と勝手に声が漏れて、携帯片手にその短い文を何度も読み返しながらオナニーした。

射精すると脱力感が半端無かった。

床に飛び散った精子を片づける気にもなれず、ベッドに倒れこんで高木の連絡を待った。

勝手に涙が零れた。

馬鹿な事しちゃったな、っていう凄まじい後悔と同時に、また勃起しそうな興奮を感じた。

高木から電話。

「もしもし」

「もしもし。どうだった?今の状況は?」

「今はもう外です」

「俺ん家でしたのか?」

「はい、すみません」

「いやいいよ。で?何で急に?」

「いや俺もよくわからんくて。ただ先輩が浮気してることは結構疑ってるらしかったです」

「なんでだよ?ああまぁそれはまた今度でいいや。で、どうだった?」

「え?」

「いや嫁」

「いやまぁ・・・その」

「いいよ今さら。頼むからはっきり言ってくれ」

「う・・・まぁ、良かったです」

「マジか・・・」

その言葉に何故か俺は安堵した。

「何回した?」

「え?いや一回だけですけど」

「そうか。で、え?あ、どうだった?」

「何がですか?」

正直、俺の頭は全然回らなくて、高木も興奮していたみたいで、しばらく支離滅裂な問答を繰り返していた。

「ま、まぁ、とりあえず詳しいことは帰ってから聞くわ」

「あ、そうですね」

「嫁の様子はどうだった?」

「ん~、相談してる時は結構思いつめてる感じでした」

「やってる時は?」

「え?あ、まぁ・・・普通です」

「普通って?声とかは?」

「ん~まぁ普通に出してましたよ。でもなんつうか、いや、なんかわかんないすけど、時々ふと悲しそうっていうか」

「そうか・・・終わった後は?」

「なんかすごう後悔してるっぽかったです。ほとんど強引に追い出されましたし」

高木の電話を切ると、すぐさま嫁に電話した。

出なかった。

30分後くらいに折り返し電話が鳴った。嫁だった。

「もしもし?」

「もしもし」

本人は必死に抑えようとしてるんだろうけど、その声は明らかに少し震えてたし

あと鼻声っぽかった。

俺もかなり緊張してたけど、嫁のあからさまな動揺している口調を聞いて少し落ち着いた。

「お風呂かなんか?」

「あ、うん。ごめんね」

普段は電話を取れなかったくらいで謝ったりなんかしない。

「そっか。なんかあった?」

「え?あ、ううん。大丈夫だよ」

その最初の「え?」は、聞いてるこっちがハラハラするくらいビックリしていた。

「そっか。じゃあ明日帰るから」

「あ、うん。そうだね。待ってるね」

柄にもなく、どうしても言いたくて

「おやすみ。愛してるよ」と言ったら

「え?あ、うん、あ、あたしも。うん。そだね、おやすみ」

と慌ててた。

その数分後、「あたしも愛してるよ。ごめんねメールで。何か照れちゃって。愛してるよ○○。おやすみ」

嫁からメール。

「おやすみ」の挨拶も無視して、その後も恋人のようなメール交換がしばらく続いた。

「寂しいね」とか、「帰ったらHしようね」とか。

帰宅後のデートの約束もした。次の日帰るのに。

その晩は、結局夜遅くまで嫁とメールをしていた。

でもどちらからも電話をかけようとはしなかった。

そんなメール交換はすごい珍しかった。結婚後は間違いなく初めてだと思う。

おそらくは、俺への罪悪感からだろう。

嫁はメールがあんまり好きじゃない。

長々とメール交換するくらいなら、さっさと電話で話せよ!ってタイプ。

仕事を終えると急いで帰った。

不思議なことに、俺は嫁をもっと好きになってた。

高木に抱かれた嫁に、早く会いたいと思った。

嫁は御馳走を作って待ってくれていた。

玄関で出迎えてくれた嫁の笑顔は、少しだけ引きつってたと思う。

不自然なくらい嫁は優しかった。

男が浮気すると優しくなってバレるって話を聞いたことあるけど、そりゃバレるわ、と嫁を見て思った。

Hも激しかった。

普段は結構淡泊で、精々やっても2回なのに、次の日が休みなのもあって、何年ぶりに4回もした。

俺が興奮してたのもあるし、嫁もやけに献身的だった。

こんなやらしくできたんだ?ってくらい舐めまわすようなフェラチオを何度もしてきた。

後日、高木から詳しい話を聞いた。

その晩は、外で会って誰かに見られたら誤解されそうだから、いつも通り俺の家でご飯を御馳走になりながら。

この相談そのものも、俺には絶対内緒にしてほしい。

浮気を疑ってるのは、知り合いが、俺と似ている男が女性と二人で歩いているのを見たと言ってきたから。

浮気されるのは怖いけど、でも問い詰める勇気が出ない。

もし正直に言って、謝ってくれたら許す。

でもやっぱりすごいショックで、憤りも感じている。

相談に関しては、こんな感じだったらしい。

嫁は途中で涙を目に溜めて、でもやがて流したそうだ。

ちなみに俺は嫁の涙を殆ど見たことがない。

それは単純に性的な部分とは別に高木に嫉妬した。

繰り返しになるが、浮気は全くの誤解。

嫁は俺をよく知る高木に否定してほしかったんだろう。

でも高木は否定することも出来なかった。そんな事本当に知らないから。

高木も「え?マジで?って思いましたもん。超焦りました。てか誤解なんですよね?」と俺に確認してきたくらいだ。

「まぁチャンスかな、と思って慰めつつ、少しづつ身体を触っていきました」

最初は髪を撫で、手を重ね、肩に手を回し、太ももを撫でていったとのこと。

少しづつ少しづつ触っていったらしい。

「途中何度か軽い抵抗はありましたけど、殆ど力なんて入ってなかったですよ」

やがてキスを受け入れ、服を脱がされていった嫁は、一言「ゴム・・・寝室」とだけ呟いたらしい。

「じゃあ寝室行く?」と尋ねると、無言でプルプル首を振ったので、この展開をちょっとだけ期待してた高木が持参してたゴムを使った。

「挿れた瞬間、上半身をぐって曲げて肩を強く掴んできました。歯も食いしばってました」

あんまり激しく動くと、嫁が「もっと・・・ゆっくりで」と言ってきたそうだ。

でも嫁は激しいのが好きなはずで、だから感じたくなかったのかなって思った。

高木は言葉攻めとかはしなかったらしい。

個人的には、ベタだけど「旦那とどっちが良い?」的な事とか言ってほしかったけど、ただそれはやはりやらなくて正解だったと思う。

嫁はH中に喋ったりするのを嫌うから。

好きな人と肌を重ねあうことに集中したいと以前言っていた。

「Hってそういうもんでしょ?」って。

だから嫁も気持ち良くなったみたいで、途中から

「・・・もっと」

とすごく小さくぽつりと呟いたらしい。

あんまり小さい声だったから、「え?」と聞き返すと、そっぽを向いたまま

「もう少し・・・いいよ」

と言って「動いても大丈夫?」と聞くと、そっぽ向いたまま頷いたとのこと。

嫁が結局高木に抱かれた理由は確かなことはわかりません。

俺への憤り(といっても誤解ですが)で意趣返しのつもりだったのかもしれませんし、実は単に浮気に興味があったのかもしれません。

その後は、高木の腰に合わせて「あっあっあっあっ」って声を出し始めて、高木の腕をきつく握ってきて、でもやっぱりその声は、どこかまだ我慢しているというか、躊躇してる感じだったらしい。

「体位は?」

「ずっと正常位でした。変えようとすると、無言で首振るんですよ。で、仕方ないからそのままガンガン突いてました。

で、京子さんがそのうちイキそうになっちゃったらしくて、『あっ、だめ。もうだめ』って肩押してきました。

初めてH中に目を合わしてきましたね。腰止めて『いきそう?』って聞いたら、一瞬『うっ』って感じになって、そんでまた

無言でそっぽ向いちゃいました」

「じゃあ嫁は?イカなかった?」

今さらそんなことでホッとする俺。

「いやすいません。強引に・・・」

「そっか。どうだった?」

「めっちゃ締りました!・・・あすいません」

「いやだから良いんだって」

嫁は「だめ、だめ」と呟き、高木を見つめながら、小さく首を振っていたそうだが、そのうち大きく声をあげて、身体を痙攣させたそうだ。

しばらく断続的に痙攣してて、その間嫁はずっと両手で顔を隠していたらしい。

「で、それが終わると、『ごめん・・・抜いて』ってお願いされました。

普段なら気にせずやりまくるんですが・・・」

遠慮がちに高木はそう言った。

「しばらく二人で黙って向かい合って座ってたんですけど、俺が京子さんの手を取ってちんこ握らすと、しごいてきてくれました」

「ゴムは?」

「途中で外してくれました。そんでその体勢で『キスしていい?』って聞くと、また無言で首プルプルって感じで、でもすっと顔近付けると、特に抵抗なく出来ました」

「それで?」

「京子さんずっと俯きながらしごいててくれたんですけど、一回ぽつりと『おっきいね』って言ってくれました。

で、頭撫でて『口じゃ駄目?』って聞くと、一秒くらい動きが止まって、でも無言で咥えてきました。

一回『旦那さんよりおっきい?』って聞いたら、ちょっと歯を当てられて、口離されてまた手コキでした。

でも顔は俺の股間に乗せたままで、たまに根元とかぺろって舐めてきてくれましたけど」

それから高木がイって、嫁はそれを手で受け止めたらしい。

その後は結構気まずくて、「絶対内緒ね?ね?」と縋るように高木にお願いする嫁。

「京子さんもあんな顔するんですね」と高木。

「帰ってから『ごめん。どうかしてた。お互い忘れましょう』ってメールがすぐきました」

俺とメール交換してる最中だと思う。

取り急ぎその後の嫁との関係ですが、以前より、というか付き合ってた頃に

戻った感じがします。要は恋人のようになったというかそんな感じです。

昨日も出張明けで休みを取ってたんですが、久しぶりに某有名テーマパークへデート行ってました。

ただこのスレに書き込んでた通り、その前日くらいまで嫁は再度高木に抱かれていたんですけど。

もちろん嫁は俺が知っていることを知りません。

あと嫁が浮気の誤解をしていることは、あくまで俺は知らないことなので

遠回りではありますけど徐々に誤解を解いていっています。

なるべく早く帰ったりとか、携帯を無造作に置いておいてチェックさせたりとか。してるかどうか知りませんけど。

もちろん高木のメールは転送した後消去してます。

あと嫁が本気になって俺を捨てるのでは?という疑問を持ってる方もいると思いますが

あまり深いことは話せないのですが、そうならない打算があるので、俺も割と安心してこんな事をやってます。

これで高木と嫁の最初のHは終わりです。

前回書いたとおり、嫁が高木に抱かれた後も、夫婦関係には特に支障は見当たらなかった。

弊害といえば、嫁が過剰なくらい優しくしてくるのがちょっとむず痒いかったがそれくらい。

当然また高木に抱かれてほしいと思ったけど、その前に危惧していることもあった。

俺が浮気しているという誤解をされたままということだ。

それに対しては少しづつ信頼を得ていくしかなかった。

前回書いたように出来るだけ早く帰り、入浴の時などに携帯を無造作に置いてチェックするよう仕向けた。

結局その辺は嫁の中でどう消化されたのか、いまだにわからない。

高木には口説きを続行するよう頼んでおいた。

方法は全部メール。

高木と嫁のやり取りはほぼリアルタイムで携帯に転送してもらっていた。

そして携帯で確認したらPCに転送&保管しておき、携帯のは消去という流れ。

ちなみにメールを送って良いのは平日の昼間というか勤務中のみとしている。

俺と嫁が一緒に居る時間だと、嫁が挙動不審になっちゃうだろうから。

嫁が浮気した数日後、俺は高木にいくつかの質問を嫁に送ってもらった。

Q浮気って初めて?

A当たり前だよ。

Q正直気持ちよかった?

A普通。

Q俺(高木)のことどう思ってる?

A弟分。

Q旦那は気づいてそう?

Aそれは大丈夫だと思う。だからもう絶対駄目。

Qなんでしちゃったの?

A気の迷い!はいもう終わり。さっさと仕事戻りなさい。

Q今でも旦那の浮気を疑ってる?

Aわかんない。でも何か知ってるなら教えてよね。

Q本当に浮気してたらどうする?

A人のこと言えないからね・・・どうしたらいいんだろうね・・・

Q離婚もある?

Aあたしからは絶対無い。

Qどうして?

A無いったら無いの。

それと嫁からも高木に提案。

「今後は家に招待されても来ないでほしい」とお願いしていた。

俺自身にはそんなこと要求していない。

「それは俺に言われても・・・」と高木。

「上司に誘われたら断りづらいのはわかるけど、夫の前でどんな顔で高木君と喋ればいいかわからないの」

「わかりました。善処はします」

「俺京子さんの料理結構好きだったんで残念です」と高木は心底残念そうだった。

「いつか二人の時に作ってもらえばいいだろ」と提案したものの、不思議なもので

他の男のために手料理を作る嫁は心底見たくないなと思った。

抱かれている姿は目の前で見たいとすら思うのに。

とにかく高木を家に誘うのはこれ以降止めた。

あと余談になるが、高木は当初、どうも俺のことを疑っていたらしかった。

というのも、自分の嫁を抱いてくれと頼んできて、その嫁は俺の浮気を疑っている。

となれば高木の立場からすれば、俺には別に女がいて、嫁と別れたいから逆美人局

みたいなことをやろうとしてるのでは?という疑念があったみたいだ。

そんな疑問を、会社帰りに二人で飲んでいるとき高木からストレートにぶつけられた。

俺は馬鹿馬鹿しいと鼻で笑ったが、よくよく考えると成る程なと思い、高木が納得するまで

世の中にはスワッピングとか寝取られという性癖があることを飲み屋で熱弁した。

高木もやがて納得してくれたが、それでも俺の嫁を口説くことに抵抗があるようだった。

「やっぱ先輩や京子さんに悪いって思っちゃって」

先日嫁を抱いた時も、俺と嫁への罪悪感でいまいち燃えれなかったらしい。

「京子さんの事も考えてあげてくださいよ?」と説教までされた。

「そうか。嫁はそこまでして抱く価値は無い女だったってことか」

と俺は半ば本気でガッカリした。

「いやそうじゃないですけど」

「正直お前的に何点だった?」

「え?京子さんですか?そりゃ100点ですよ。頭良いし美人で最高の奥さんじゃないですか」

「そうじゃなくてさ。実際抱いてみて、女としての話だよ」

「いや勘弁してくださいよ」

「言えって」

「はぁ、まぁぶっちゃけ良かったです。でもやっぱあんま乗り気になれないですよ」

「フェラはしたんだよな?」

「まぁちょっとだけですけど」

「どうだった?」

「ん~、京子さん多分ちゃんとやってなかったと思いますよ」

そんなこともあり、高木と嫁のメールはちょくちょく続いてはいたものの、その内容は

あくまで日常会話の範疇で、「また会って欲しい」というようなメールに対しての嫁の返信は、一貫して素っ気無いものばかりだった。

「じゃあなんでメールはしてくれるの?」という問いに対しては

「夫の友人だから邪険には出来ない」というようなことを返していた。

嫁が高木に抱かれて一月ほど経った。

嫁と高木の間に大きな展開こそないものの、軽い日常会話程度のメールは続いていた。

その間、俺は高木を家に招くこともなかったので、嫁と高木は顔を合わせていなかった。

そんなメールだけの関係というのが功を奏したのか、やがて嫁もだいぶ気楽に高木とのメール交換を

行うようになっていった。

それこそ多少の下ネタなら大丈夫なくらい。

そんな中、高木に「○○さんと俺のセックスってどう違います?」とメールを送らせたところ

「え~、やっぱり硬さかなぁ。どうだろ、わかんない」と答えていた。

そこで少し突っ込んだ質問をさせた。

Q今までの経験人数

A秘密。

Q付き合った男

A秘密。

Q一番気持ちよかった人。

A秘密。

Q俺は何番目くらいに良かった?

A本当馬鹿だね。しょうがないな。多分結構上位だと思うよ。わかんないけど。

Q旦那は?

Aうるさい馬鹿。

Q俺とどっちが上?

Aそんなの比べられません。

Q旦那のHで不満なところ

A無いよそんなの。あ~でもな~、う~ん。実はちょっとだけある。

Qなに?

A秘密。大したことじゃないよ。

Q正直何年も一緒だとHは飽きない?

Aあたしはそうでもないよ。

Qじゃあ何が不満?

Aいい加減仕事しろ。

あくまでHに関してのみだが、俺の微妙な評価に落胆するも同時に興奮してしまった。

今まで被虐趣味があるなんて思ってもなかったのに、そんな自分が可笑しくてしょうがなかった。

とにかく嫁は、あくまでメールだけの関係という事に安心して、高木に心を少しづつ打ち解けていったようだった。

そんなある日、高木が体調不良で会社を休んだ。

昼過ぎくらいに高木に電話をすると、割ともう元気だとのこと。

大きな案件を終えたばかりだったので、もしかしたらサボりだったのかもしれない。

高木は基本的に真面目なんだが、有給はきっちり消化していくタイプだ。

俺にはこの状況を想定して、前から暖めていたアイデアがあった。

嫁をお見舞いに行かせる。

まさか本当に実践できる機会があるとは思っていなかったので、思わず小さくガッツポーズをした。

本気で風邪をこじらせていたなら、伝染させたくないので絶対に行かせなかったけど。

早速嫁に電話をする。

「もしもし。今日って昼間用事ある?」

「無いよ。なんで?」

断りづらいように、先に暇という言質を取っておく。

「高木が寝込んじゃっててさ。悪いけど様子見に行ってやってくんない?」

おそらく忘れ物を届けてほしいとか、そんなことを予想してたのだろう。

嫁の反応は「・・・え?」と戸惑いを隠せないものだった。

「なんか結構しんどいらしくてさ。嫌ならいいけど」

後で考えると、嫁は俺の「嫌ならいいけど」に過剰に反応してしまったのかもしれない。

断るのは逆に怪しまれるんじゃないか?なんて。

それは流石に俺の考えすぎかもしれないが、とにかく嫁は俺の申し出を了承した。

その直後、高木から、嫁のとのやり取りが転送されてきた。

「寝込んでるの?」

「はい」

「御飯食べた?」

「まだです」

「旦那に頼まれたから御飯くらい作りにいってあげるよ」

「マジですか?」

「でもただのお見舞いだから。勘違いしないでね」

「わかってますよ。ありがとうございます」

「風邪?」

「いや、ちょっとダルくて」

「病院行った?リクエストある?」

「大分良くなったんで。お任せします」

そんな普通のやり取りが終わったのが13:00くらい。

1時間後後に嫁から俺にメール。

「今高木君のアパート着いたよ」

さらに30分後、「御飯作って食べさせたよ。もう帰るね」

その後、高木からはなんの連絡もなかった。

なんだ、本当にお見舞いしただけか、と落胆しつつ仕事を続けた。

しかしもうそろそろ定時かという時間に、高木から

「今京子さんシャワー行きました。電話良いですか?」とメールが来た。

その不意打ちに膝がすとんと落ちそうになり、そして同時に一瞬で下腹部がカッと熱くなった。

急いで外に出て、周囲を気にしながら口元を手で押さえながら高木に電話。

「やった?」

「2回終わったとこです」

高木は早口でそう呟き、更に続けた。

「今日○○さん残業とかないっすか?もし良かったらもうちょい」

「わかった。嫁には俺から連絡しとく」

その後嫁に

「今夜は残業で遅くなるかも。早くても9時だと思う。晩飯も社員食堂で食ってくわ」とメール

しばらくして

「え~ご馳走の予定だったのに~。わかった。気をつけて帰ってきてね」と嫁の返信。

さらにその後高木。

「じゃあ9時には帰します」とだけメール。

残業などしても手につかないのがわかりきっていた俺は、定時そこそこで会社を出て近くのネカフェで時間を潰すことにした。

とはいえ漫画を読んだりネットをする気になれず、その間は今までの嫁との思い出が

頭の中をぐるぐる回っていた。

目を瞑ると、嫁の笑顔が浮かんできた。

ベタだけど、ウェディングドレス着て照れ笑いしてる嫁とか。

それがいま高木の腕の中で、どんな顔でどんな声をあげているのかを想像すると、苦しいくらいに興奮し、そして同時にますます嫁が愛おしくてたまらなくなった。

我慢出来なくて、トイレで携帯の嫁の待受け写真で一度抜いた。

高木からの報告を待つ間は、大袈裟かもしれないが生き地獄のようでで、泣き叫びたく

なるくらいの焦燥感と同時に、童貞を捨てる直前のような興奮で胸が張り裂けそうになった。

そんな癖はないのに、しきりと何度も爪を噛み、何度か涙も流しそうになった。

しかし高木からはすぐに連絡がきた。

「今京子さん帰りました」

何時間にも感じられたが、まだ6時だった。

飛び跳ねるようにネカフェを出て、家路についた。

でも家の玄関まで着くと、中に入るのを躊躇ってしまった。

ほんの数時間前まで他の男に抱かれていた嫁の顔を、見たくて仕方がなかった。

でも怖くもあった。

どうせ遅くなると言ってあるんだから、報告を聞きついでに、まずは高木と会って

ワンクッション置こうと踵を返した。

「ウチに来てからわりとすぐにやり始めましたよ」

高木は俺に悪いと思ってるのだろう。少し目を逸らしがちにそう言った。

「え、じゃあメシは?」

「一回してから作ってもらって」

「じゃあ嫁のあのメールって」

「2回してましたっけ京子さん。一回目の時はフェラしてて、俺が『入れる?』って聞いたら

『ん』って頷いて自分からまたがってきたんですけど、その途中で『あ、ちょっと待って』って」

「2回目のメールは?」

「実際料理作ってる時だったと思いますよ」

「抵抗無かったのか?」

「料理ですか?」

「いや最初のエッチ」

「抵抗ってほどじゃないですけど、一応軽く手で押さえてきましたね。

それ以外はじっとしてる感じでした。嫌がりもしなけりゃノリノリでもないっていうか

されるがままって感じでしたね」

「出来るだけ詳細頼む」

「ん~、と言っても、まぁわかりました。ウチ来てからはしばらくは普通に喋ってたんですけど、隣座って肩抱き寄せて少しづつ触ってったりしました。

さっき言ったとおり京子さんはじっとしてるって感じでしたね。

舌入れようとしても口も開きませんでしたし。でも抵抗は無かったです。

キスしながら服脱がせてって、そんで自分のちんこ触らせたら困った感じで笑って

『やだ』って言いつつも軽くジーパン越しにさすってきました。

『直接触って』って言ったらファスナー開けて握ってきて、そんで京子さんの頭

撫でたら、自分からフェラしてきてくれました」

「嫁は何か言ってた?」

「何かとは?」

「いやH中とか、H後」

「いや、ん~特に。というかすいません。質問の意図が・・・」

「いやだから俺よりすごいとか」

「ああ、そんなんはなかったです。普通に『すごい』とか『いっちゃう』とか」

「他には?」

「え、まぁ普通ですよ。『もっと』とか『だめ』とか』

それだけでも俺は射精できそうなくらい興奮していた。

不思議なことに、目の前でそう語る高木に対しても、嫉妬こそすれども

それは憎悪や怒りでは全くなく、むしろ友人としてより共感できる部分が出来て、嬉しく思った。

「2回目も?」

「まぁそうですね。一回戦は口に手を当てて声我慢してたんですけど、二回戦は途中で

『ねえ?声大丈夫?やばくない?』って聞いてきて、『平日の昼間だから誰もいないよ』って

言ったらそっこからは普通に喘いでましたね」

「どんな感じだった?」

「いや、普通に、可愛い声でした」

「で、お前が電話してきたと」

「はい」

「その後は?」

「え~っと、○○さんが京子さんにメールしたんですよね?そしたら

『旦那残業だって。やっぱりどっかのサボりさんとは違うね』って」

『じゃあもう一回しよっか?』

『駄目駄目!もう帰る』

『良いじゃん』

で、服着ようとする京子さんを後ろから抱きしめて、あとは胸揉んだり

キスしてたら、最初は『ちょ、もう駄目だって』って笑ってたんですけど

その内『あっ』って声だして、『もう!』って怒りつつも腰下ろしてフェラして

きてくれて、でもそれでイカされました。途中何度か押し倒そうとしたんですけど

『もう帰んなきゃ・・・』って」

「俺のこととか何か言ってた?」

「いや本当無いですよ。してる時に結構会話振ったりしたんですけどね、基本無視でした。

H後も特に会話って無かったですもん」

「じゃあ帰り際は?」

「いや普通にバイバイって感じでした」

「それだけ?」

「あ~、あっ、玄関でキスしました」

その様子を想像すると、何気にすごくショックだった。

「別れ際なんか言ってた?」

「特には無いですね。次どうこうとかも言わなかったです」

「今からメール送ってみてよ。てか俺が送って良い?」

「ああ、良いですよ」

高木の携帯から嫁にメールを送る俺。

他人の立場から自分の嫁とピロートークをするというのはすごく新鮮で、性的興奮とは別に、学生時代の恋愛を思い出した。

「旦那さん帰ってきた?」

「まだ。ウチの夫はどっかの誰かさんと違って働き者だから」

「じゃあもう一回くらいしたら良かったね」

「死んじゃうからやめて」

「そんな激しかった?」

「やばかったよ」

「初めてってくらい?」

「かもね」

「またしようね」

「だからやなんだって」

「前も言ってたじゃん。なんでまたしたの?」

「別に。気の迷い」

「ぶっちゃけ旦那とどっちが良かった?」

「そんなのわかんないってば。今日もメールも終わり」

高木の携帯で嫁とそんなやりとりをした後、俺は高木の家を後にした。

その後も意図的に遠回りをしたり、用も無いのに本屋に寄ったりして、結局家に着いたのは10時くらいだった。

晩飯を要らないと言ったのに、嫁はなぜか俺の好物を作って待ってくれていた。

考えると俺もメシを結局食ってないままなので、丁度良いと嫁の用意して

くれた食事をとることにした。

嫁もまだだったようで、一緒に食べた。

嫁はちらちらと俺の顔を伺っていた。

ご馳走のことといい、声も明らかに上擦っているのでわかりやすすぎる。

もし本当に隠れて浮気されてたら、一発でわかっていただろう。

日中高木の腕の中で悶え続けていた嫁は、やはりとても綺麗に見えた。

嫁を抱きたくて仕方なく、さっさと風呂に入ると、珍しく嫁が一緒に入ってきた。

背中を流してくれて、そのままフェラまでしてきた。

その流れで浴室で立ちバック。

初体験の時のように無我夢中で、とにかく犯すようにがむしゃらに腰を振った。

その後浴槽の中で対面座位でつながった。

初めての経験だった。

とても狭くてろくに動けなかったけど、その分嫁と密着できて、一つになれたという幸福感に包まれた。

高木と抱かれた後の嫁は、H中に俺のことをじっと見つめるようになった。

悲しそうというか辛そうというか、何か言いたげな顔にも見える。

あとしきりに「愛してる」と言葉を投げかけてくれるようにもなった。

それから数週間後、数日間泊りの出張が出来た。

出発当日、朝早いのに嫁は駅まで見送りにきてくれた。

俺が出発した後、通常勤務中だった高木に「今夜遊びに行っていいですか?」とメールを嫁に送らせた。

嫁の返事は「駄目」の一言だった。

やはりそれは何度経験しても、安堵と落胆を同時に感じる。

高木は一言謝罪を込めたメールを送り返し、そして素直に諦めた。

俺はその結果を新幹線に揺られながら、やはり喜ぶべきなんだろうなと自分を納得させた。

しかしその日の夕方、出張先での仕事を終えてホテルに戻ると、高木からの報告メール。

3時過ぎくらいに嫁からメールが来たらしい。

「高木君のとこでだったらいいよ」と。

「でも旦那さんから家電に掛かってきたらまずいんじゃ?」

「ああそうだね。でも高木君が来るの誰かに見られたらまずいよね?」

そんなやり取りを何度か交わし、話し合った結果結局二人は、真夜中に二人でラブホに行く事に決まった。

高木の部屋だとアパートの住人に顔を見られるかもしれない。

当然嫁と知り合いの住人など居ないだろうが、万が一のこともあると二人は考えた。

俺の家で、という選択も同様の理由で却下。

というよりも、何よりもう既に一度してしまったとはいえ、嫁はやはり家ですることに抵抗があるようだった。

俺としては、自分の寝室で他の男に抱かれた嫁は、これ以上ないほど愛おしく感じるだろうと思う。

もちろん異常性癖だとは理解している。

とにかく、深夜ならもし家電に出れなくても寝ていたで済むし、俺の家でも高木の部屋でも駄目なら

そこしかあるまいということだった。

それからは深夜になるまで落ち着かなかった。

すぐにセックスが始まってしまうならともかく、時間の猶予があるのは逆に辛かった。

いつも通り興奮とともに激しい焦燥感や後悔に襲われて、何度も高木に中止の連絡をしようと

携帯を開けては閉じてを繰り返した。

嫁にも高木のもとへ行ってほしくなくて、自分のことを考えててほしくて、なんてことの無い内容のメールを送ったりした。

「戸締りはしっかりしろよ」とか。

電話は掛けれなかった。

どうしても嫁の声が聞きたくて、これから他の男に抱かれる嫁の声が聞きたくて、何度も

掛けようとしたんだけど、部屋の中で「あ、あ」と発声練習したら、自分でも驚くほど震えていたから。

そのまま悶々とした時間を過ごした。

過ごしたというよりは耐え抜いたという方が正しいかもしれない。

でも酒に逃げようとは思わなかった。その状態を楽しみたかったから。

俺がそうやって一人うずくまっている間、高木と嫁はメールのやり取りをしていた。

もちろん高木は逐一リアルタイムで俺に嫁と自分のメールを転送してくれた。

「どこのホテル行きましょうか?」

「任せるよ~」

「今までで一番お気に入りのところは?」

「え~、別にそんなのないけど。じゃあ○○かな。綺麗だし」

俺はその一文だけで心臓を鷲づかみされる感覚に襲われた。

嫁とは何軒かラブホに行ったが、○○なんか一回も行ったことがない。

「旦那さんとのお気に入り?」

「違うよ。夫とは一緒に行ったことない」

その一文で、興奮とは別の意味で慌てた俺は、高木に連絡を取り、これ以降は

俺が作った文を高木に送って、それを嫁に転送してもらった。

「へ~、元彼?」

「ん、まぁそんな感じ」

「歳は?」

「上」

「格好良い?」

「うん。すごく格好良かった。見た目がっていうか雰囲気が」

「いつごろ付き合ってたの?」

「夫と付き合う前だよ」

「何で別れたの?」

「秘密」

「何で?いいじゃん。教えてよ」

「いいじゃんそんな事」

「じゃあ今夜しながら聞こ」

「やめて。多分我慢出来ないから」

「なんで?そんな俺いいの?」

「正直ね、最初した時やばいって思った」

「良かった?」

「うん」

「旦那より」

「どうだろね」

「じゃあ今日もいっぱいしよっか?」

「本当に?大丈夫かな。途中で気絶しちゃうかも」

「そんなに気に入ってくれたんだ」

「駄目なのにね。やっぱりやめようか?なんか怖いな」

「何が?」

「あたしあんまり恋愛経験なくてさ。そのうち本気になっちゃいそう」

「マジで?」

「うん。高木君ね、ちょっと似てるんだ。そのすっごい好きだった元彼に」

実はその元彼が誰かはなんとなくわかっていた。

俺と付き合いだす前の嫁には、すごい仲が良かった、というよりは

仕事でお世話になっていた先輩社員がいて、傍目から見てても嫁が

その人に尊敬以上の眼差しを向けていたのはわかっていたから。

付き合っている時に、一度尋ねてみたことがある。

それに関しては嫉妬という感情は全く無い。

元彼など居て当然だし、ただ知りたかっただけ。

でも嫁は否定していたが、今でもそうだったんじゃないかと思っている。

その先輩は俳優の阿部寛に似てる。

外見上は高木が似てるとはあまり思えない。

俺は阿部さんと親交がなかったので、内面的にはよく知らないからその辺が似てるのかもしれない。

ちなみに阿部さんはだいぶ昔に結婚&転職しているので高木は面識ないはず。

とにかく嫁と高木のそんなやり取りで、俺の焦燥感は限界に達していた。

二人が会う約束は翌日の12時半だったが、その時11時くらいだったと思う。

「おやすみ。愛してるよ。隣に君がいないのが寂しい」とメールを送った。

返信には数分かかった。いつもならすぐ返してくれる。

その程度の待ち時間でも気が狂いそうだった。

部屋の隅に座り、ずっと携帯の画面を睨み続けていた。

やがて嫁専用の着信音が鳴った。

「あたしも。愛してる。早く帰ってきてね」

俺は携帯を握り締めて、抱え込むようにベッドで横になった、すると更に10分後くらい。高木からもメール。

「京子さんからやっぱりもう止めよってメールきました」

その画面を見て、俺は無意識にガッツポーズと万歳を繰り返していた。

ひとしきりはしゃぎ終わると、またベッドに倒りみ、自己嫌悪に陥りながらそのまま眠っていった。

気がつくと陽が昇っていた。7時ごろだった。

携帯を取るチカチカと光っていた。

高木からのメールが何通も溜まっていた。

24:00「ちょっとムラムラするんでもう一回誘ってみます」

24:15「だめですね。返信無いんで『約束した時間と場所で待ってます』とだけ送ってみました』

24:45「寝ちゃいました?やっぱり京子さん来ないですね」

26:00「一応報告です。今○○さん家でやってます。詳細はまたあとで報告します」

27:00「すいません。泊らせてもらいます」

寝起きでぼけっとしていた俺の頭は上手くそれを捉えることが出来なかった。

ただ「今起きた。わかった。報告待つよ。仕事は行けよ」だけ返信。

特に失望や怒りはなかった。

「ああ」と声が漏れただけだった。

その日の昼、高木から電話があり、そこで簡単に報告を聞いた。

結局嫁は待ち合わせ場所には来なかったそうだ。

ただ収まりがつかなくなった高木は直接家を訪ねたらしい。

しかし嫁は黙って高木を家の中に招き入れた。

玄関先で高木の顔を見た嫁は、困った顔でため息をついて、数秒の間を置いて

無言で高木の手を引いて中に戻っていった。

その後は、殆ど会話もなく、玄関先の廊下で立ったままお互いの衣服を激しく剥ぎ取りそして立ったままつながったそうだ。

その際、嫁は異常なほど濡れていたうえ感度も良く、そのことを問いただしたら高木から来る直前までオナニーしていたとのこと。

それも高木のことを考えて。

高木に抱かれたいが、俺への罪悪感で実際会いに行くのは憚れる。

だからせめて、ということだったらしい。

その後は、リビングやお風呂でもしたとのこと。

ただ嫁は、最後まで寝室ですることは頑なに拒み続けたらしい。

3回したとのこと。

最終的にはリビングに布団を持ってきて、二人で寝た。

しかし朝起きると、嫁は布団から抜け出していて、ソファで寝ていたとのこと。

朝も押し倒そうと試みて、朝メシ準備中の嫁の後姿に抱きついたが、包丁片手に仕事に行けと笑顔で説教をされて断念したらしい。

しかし、粘りに粘って、行ってらっしゃいのキスをしてもらったと高木は興奮冷めやらぬ口調で言っていた。

あと「家を出る時、人目には過剰なくらい気をつけました」とも。

その日の昼間、嫁からは何度もメールがあった。

「ちゃんと食べてる?」というたわいの無い内容から、愛を囁くものまで色々だったが、どちらにせよ勤務中にそんなメールを送ってくるのは初めてだった。

俺が帰るのは翌日だったため、高木はその晩も直接家に訪ねた。

この時が、スレに初めてレスした時。

昼間に高木から何度メールを送っても、嫁からの返信はなかったようだ。

だから「10時に家に行きます。人目には十分気をつけます。インターホンを連続で5回鳴らします。もし嫌なら出ないで下さい」とだけメールを送り、そしてそれを実行した。

嫁は高木を受け入れた。

やはり寝室でのセックスだけは拒んだらしいが。

前もって高木と打ち合わせした通り、挿入中の嫁と電話で話すことにも成功した。

立ちバックだったらしい。

当然嫁は激しく嫌がっていたらしいが、俺からの着信が鳴り止まぬなか、しつこく挿入したまま「絶対動かないから」と約束したら漸く電話に出てくれた。

嫁のその声は少し上擦っているというか、ほろ酔い加減の時の声に似ていた。

俺は俺で、初めて女の子に告白した時のように緊張していた。

「もしもし」

「もしもし」

「今大丈夫?」

「ん、どうしたの?」

「いや、声聞きたくなって」

「そか、うん、あたしも」

「何かあった?」

「え、あ、ううん。大丈夫だよ」

「そうか」

「うん」

これだけ喋ると、沈黙が流れた。

この電話の先の嫁には、他の男のちんこが挿入されていると考えると

嫉妬で勃起がとまらず、自分のちんこを握りながら喋っていた。

俺は俺で口調でおかしかったのかもしれないが、それはお互い

冷静な状況ではなかったので、問題にはならなかったと思う。

俺は高木への嫉妬で、何の脈絡もなく嫁に気持ちを伝えた。

「あ、あのさ。俺さ、お前と結婚できて良かったよ。愛してる。大好きだから」

「・・・・・・あ、あたしも」

「ちゃんと言って欲しい」

「愛、してる」

「そろそろ作ろうか」

「え、あ、うん。・・・子供?」

「うん。いや?」

「や、じゃない。うん。ほ、ほしい」

後で高木に聞いたところ、この時嫁は自分から高木に押し当てるように

腰をゆっくりと振り出したらしい。膣もぎゅっと締まっていたそうだ。

ただゴムを外したいという高木の要求には断固として拒否したらしく、またそんな要求をしてしまったことを、高木は俺に正直に詫びてきた。

「それじゃ。おやすみ」

「う、うん。お・・・やすみ」

最後のほうでは、嫁の声にはふーふーと風邪を引いているかのような、息苦しそうな鼻息が少し混じっていた。

高木は約束を守り、挿入を継続するだけでピストンはおろか愛撫も一切しなかったそうだ。

それが余計に、膣内にある俺以外のちんこを意識させてしまったのかもしれない。

自分の様子がおかしかったのではないかと訝しんだ嫁は事後、高木に

「実はすごいお腹痛かったってメール送ったほうがいいかな?」と相談したらしい。結局それは逆におかしいと却下になったそうだが。

高木の携帯ごしに嫁の喘ぎ声が聞きたいという欲求もあったが、万が一にもバレる危険もあるし、なにより正直なところ、実際その声を聞くのが怖かったこともあり止めた。

一人高木に抱かれる嫁を想いながら、何度もオナニーをした。

それからは、もう嫁は高木に抱かれていない。

この間書き込みしたように、高木からもう止めたいと申し出があった。

前から気になってる娘がいるし、なにより、これ以上続けるのが怖くなったとのこと。

俺は当然の感情だと思い、その申し出を受け入れると同時に、高木に感謝と謝罪を伝えた。

「もう京子さんの手料理はご馳走なれないんですよねぇ」と残念がっていたが、

「ほとぼりが冷めたらまた招待するよ」と言っておいた。

俺と高木の関係は特に変わっていない。

俺と嫁にも問題はない。

ただ、この間、いつものように夜の営みを終えたあと、嫁はシーツから目から上だけ顔を出して

「もう終わり?」と冗談っぽく、物足りなそうに言ってきた。

当然燃えて再戦した。

嫁はHに関しては淡白だと思っていたので、その言葉はより一層興奮した。

高木から「彼女(本当はまだ付き合っていない)が出来たから・・・」と

真正直に伝えられた嫁は、むしろほっとしたように

「そか、大事にしてあげなよ。お互いこの事はもう忘れようね」と答えていた。

実はまだ、少しだけこの関係の余韻を楽しんでいる。

というのも高木には嫁に「一応彼女できたから、万が一メールする時はこっちでお願いします」

とフリーメールのアドレスを嫁に送らせた。

そのフリーメールは俺が取得したもので、つまり俺が高木になりすまして

嫁とメールをしている。

嫁の阿部先輩との関係や、俺への不満などを聞けだせたらなと思っている。

それについては、もし成功したらまた報告します。

京子の夫です。

以前書いたとおり、前回の報告以来、もう嫁と高木は会っていない。

しかし、これも以前書いたとおり、俺がPCで取得したフリーメールで高木を騙って嫁とメールをしていた。

「なんでPCからのメールなの?」といいう嫁の問いからは、「彼女が出来そうだから、携帯だとばれるとまずいし」といった感じの返答をしといた。

それで嫁も特に疑う様子はなく、俺扮する偽高木とメール交換を応じてくれた。

高木はその事を了承してくれてはいるものの、内容には一切ノータッチ。

万が一俺が居ないところで、嫁と高木がばったり街中で出くわしても、適当に誤魔化してくれと言ってある。

まぁ休日にお互い単独で行動することなんて皆無に等しいので、そもそもそんな心配は要らないだろうが。

高木は高木で例の気になる娘と順調に親密になれているようで、この件とはもう関わりたくは無いそうだから利害は一致している。

俺と高木の友人関係については、以前と変わらぬまま良好。

結果からいうと、他人の立場から嫁とメールをするというのは物凄く新鮮で、そして刺激的だった。

メール交換を繰り返す内に、自分がまるで本当に高木になったかのように感じる時もあり、こっちの「また会いたい」という誘いに対し、嫁が拒否をすると嫁の相手(すなわち俺のことだが)に対して凄まじい嫉妬を覚え、嫁をやっきになって口説こうと熱くもなる。

要はまるで付き合う前の片思い状態を思い出す。

その逆に嫁が高木(本物)を褒めるような事があれば、高木の役になりきっている俺は、俺自身に対して寝取ってやったと優越感も抱くこともあるし、さらには本来の俺の立場としては、嫁を取り戻したいという強い思いに駆られ、それがまるで恋愛していた頃のように、嫁への気持ちを募らせることになる。

自分で書いてて分裂病というか、サイコホラーな感じがするが、別にそんな危うい精神状態では無いということだけは一応きちんと記しておきたい。

要するに、この遊びに真剣にのめり込んでいたということ。

他人の立場で嫁を口説くというのは、まさに自作自演だが、本当に楽しかった。

実際嫁を抱かせることに比べると、リスクは無いと言ってもいいし、色々な興奮を楽しめる。

でもそれももう終わりにしようと思ってる。

それにはいくつか理由があって、まず一つは嫁が思っていた以上に高木を男性として気に入っていたことがわかったから。

その他には、前述した通り、自分も少々のめり込みすぎた部分があるので、そろそろ自制を利かさないと不味い、と思い始めたから。

最初はせいぜい2〜3往復くらいの他愛の無いメールだった。

最初から「やっぱりまた会いたい」などと送って引かれては元も子もない。

(と言いつつも、初めのころに、実際試すつもりで一度そのようなメールを送ったが、嫁ははっきりと断ってくれた。

とはいえ以前もそんな感じの対応だったのに、結局顔を合わしてしまうと、最後までしてしまっているので、嫁の拒絶は決して見せ掛けだけ、とまでは言わないものの、そこまで絶対的なものではないのだろう)

なにより他の男の立場から嫁とメールをするという状況は、特に突っ込んだ会話じゃなくとも、とても刺激的で面白かった。色々と本音も聞けたし。

その内容の多くは、やはり共通の話題になりやすい俺に関することで、最初は家と会社での違いなんかを冗談交じりに言い合った。

当たり前だが嫁は俺(偽高木)に対して好意的な意見(というかぶっちゃけノロケ)を送ってくれてたし、それが照れくさい俺(偽高木)は、俺自身を腐すような返信をすると、少し怒ったような文面が届いたりもした。

素直に嬉しかった。

前にも書いたと思うが、嫁は長々とメールをするのが好きじゃない。

しかしその辺りも、メール交換を続ける内に大分変化していった。

もしくは、本来はそんなこともなかったのかもしれない。

そんな他愛の無いメール交換を続けるうちに、嫁の中でも浮気をした罪悪感が徐々に薄れていったのだろうか。

メールの内容は少しづつ、俺と嫁の夜の生活や、高木との比較に話が及ぶようになっていった。

その皮切りが、「旦那さんとはどんなエッチをするんですか?」と送ったメール。

事前に高木から、嫁とはそういった話をしていないということは確認済み。

そもそも嫁は普段からの下ネタはもちろん、H中も殆ど喋らない。

そんな嫁が、実はすこしむっつりな一面があるのも興奮した。

上記の質問に対し、「普通だよ。優しいかな」と返してきた直後、「でも正直物足り無いときもあるかも。なんて」と追加でメールがきた。

正直落胆よりも、興奮のほうが大きかった。

そこは是が非でも、詳しく聞きたかったのでしつこく食い下がった。

「どうして?」と何度も繰り返し尋ねると

「ちょっと優しすぎるかな」

ちなみに、メールをしている時の状況は、大体俺が書斎(というよりは物置に近い)で仕事をする振りをしながら、嫁はリビングでという形。

いつも俺が書斎に入ってからメールが来るというのが不自然に思われないように、メール交換を始めた初期の頃に、「メールを送っても良い時間教えて?」と送ったところ、「旦那は大体9時〜10時くらいは書斎に篭るから、それくらいなら大丈夫かも。でもなるべく止めようね」と返事を貰ってからこうしてる。

たまに、仕事帰りにネカフェから送ることもある。

「京子さんって実はMなんだ?」前から思っていたことを質問。

「そうかもね」

嫁は基本しっかりしてるし、誰に対しても物怖じせずハキハキと意見を言う人間だ。

顔立ちも篠原涼子似で、気の強そうな釣り目と、筋の通った鼻に、いつもキリっと結ばれた口元。

内面的にも外面的にも、あからさまにSっ気がありそうな人間と思われがちだが、俺はなんとなくそうじゃないかと思っていた。

俺もドMなので、たまにお互いの感情のやり取りがチグハグに感じてしまうことも多々ある。

まぁそれでも長年やってこれたのは、それらを超越する他の部分による相性や、情が有り余っているからと思いたい。

別に夫婦とは漫才コンビではない。

勝手な持論だが、S同士のカップルは絶対上手くいかないが(というかそもそもくっつかない気もする)、それに比べれば、M同士は全然可能性があると思っている。

「旦那さんもMっぽいよね」

「多分ね」

「それってどうなの?」

「相性的には微妙なのかもね。でもだからって不満とかじゃないよ」

「それでもHでちゃんと満足できてる?」

「うーん。正直に言っていい?引かないでね?」

「なに?」

続きを聞くのが少し怖かったが、好奇心がそれに勝った。

「実は○○君(嫁はたまに俺のことを君付けする)でイったことって無いんだ」

激しい劣等感に襲われると同時に、痛いくらいの勃起。

その瞬間は、高木に対して、怒りとも思えるくらいの強い嫉妬を感じた。

しかし同時に、拝んでしまうほどの感謝。

もう何年も一緒で、最低でも何百回、もしかしたら千に近い回数で身体を重ねてきたのに、一度も満足させたことが無かった自分に失望するのと同時に、それを他の男に告白する嫁に激しく欲情した。

嫁の返信には続きがあった。

「だから高木君とのは余計衝撃的だったな」

溜息をつきながら、若干震える手でメールを続行する。

「俺のどんなところが良かった?」

「やーだ。そんなの言えない」

「お願い。いいじゃん」

「もー。激しいし、すごい硬かった。上手いし。以上。馬鹿」

「何が?」

「うるさい」

「またしたい?」

「もうだめ」

「何で?」

「今でも少し残ってるから。君の感触」

「もっと残したいんだけど」

「それがやなの」

「最近旦那さんとしてるの?」

「してるよ」

「俺の感じがまだ残ってるんだ?」

「あー。うん」

「それで本当に気持ち良いの?」

「別にそれだけが夫婦生活じゃないし」

「不満じゃないんだ」

「当たり前。夫婦っていうのはそういうもんなの」

「性欲的には不満でしょ?自分でやったりとかは?」

「はいはい。おやすみなさい」

その返信を見て少し安心した俺は、その日はもうそれでメールを止めようと思った。

でも一つだけアイデアが頭に浮かんで、それを提案した。

「これから旦那さんとする時さ、俺のこと考えててよ。目を瞑ってさ。そしたら気持ち良いかもよ?」

最後にそうメールをすると、その日はもう返信がなかった。

書斎から出て、嫁を誘おうかどうか迷った。

リビングに行くと、いつもと変わらない嫁がいた。

笑顔で、一緒にアイスを食べようと腕を絡めてきた。

その後は、結局自分からは誘えなかった。

自分から提案しときながら、実際そうされたらと思うと怖くなった。

でもそうなってほしい、そうされたいという二律相反する期待もある。

いつも通り、二人で床についた。

しばらく時間が経ち、もう寝たと思った嫁が、俺の身体に手が伸ばしてきた。

無言で俺に愛撫を続け、布団の中で、衣擦れと、嫁の微かな鼻息だけが響いていた。

暗闇の中で、嫁と目が合う。

「いい?」

半身だけ俺の上にのしかかり、俺の脇腹をさすりながら、上目遣いでそう聞いてきた嫁に対し、情けないことに、覚悟が決まらない俺は、返事を逡巡してしまった。

「……疲れてる?」

心配してるのか、ガッカリしてるのか、よくわからない表情の嫁。

俺は覚悟をきめて、嫁を押し倒した。

嫁はいつもより興奮している様子で、薄明かりの中でも、潤んだ瞳に紅潮した頬、そして何より興奮を抑えきれないといった様子の鼻息がありありとわかった。

下着を脱がすと、うっすらと下着の股の部分に糸が引いていた。

正上位で挿入すると、しばらくはいつも通りだった。

嫁はいつも、俺のことをじっと凝視するように見つめながらセックスをする。

そうやって見つめあいながら、キスをしながら正上位、というのが自然に多くなるパターン。

その時も初めはそうだった。

しかし数分ほど経つと、嫁の顔には、どう表現していいかわからない表情が浮かび出し始めた。

悲しそうな、辛そうな、申し訳無さそうな、そんな表情。

やがて嫁はそっと目を閉じた。

それから少しづつ、嫁の様子が明らかに変わっていった。

歯を食いしばるように口を開けて、喉の奥で声を我慢するかのように辛そうな顔を浮かべた。

膣内も心なしかぎゅっと俺を締め付けた。

その瞬間嫁は自分でも困惑したように目を開けたが、しばらく潤んだ瞳で俺を見つめ逡巡していると、また辛そうに口を結び、目を閉じた。

さらには俺に気づかれないようにやっていたつもりだろうが、嫁は時折

自分から物足りなさそうに、腰を下から押し付けてきたりもしていた。

膣内は相変わらずぎゅうぎゅうに締めつけてきて、俺の背中に回った手や足も、強く俺を引きつけて、また今まで聞いたことが無いような

「あっあっあっあっあっ!」

と切なく、そしてリズムカルな喘ぎ声を上げだした。

そしてついにはセックス中に、初めて嫁が「いやぁ」とか「だめぇ」と喘いだ。

あんな風にセックス中に、明らかに無意識な感じで出たのは多分初めて聞いたと思う。

少なくとも、あんなに連呼したのは初めて。

それも、心底気持ちよさそうな、でも本当に何かを嫌がってるような声だった。

目を瞑ったままの嫁に唇を重ねようとすると、触れた瞬間、嫁は嫌がるように首を横に振った。

そして嫁は、俺の後頭部に手を当てて引き寄せた思ったら、耳元で「……もっと」と呟いた。

俺は無我夢中で腰を振り出した。

その時もう一度キスを求めたら、今度は応じてくれた。

それどころか、これも初めてじゃないかってくらいの激しいディープキスだった。

下品とも思えるくらい、嫁の舌は俺の口腔を激しくまさぐってきた。

その間、嫁はずっと、頑なまでに瞼を閉じていた。

たまに空けても、すぐに気まずそうに俺から目を逸らし、そして閉じる。その繰り返し。

嫁のその明らかに不自然な挙動に、俺は激しく興奮していた。

俺に抱かれながらも、他の男を頭に思い浮かべ、こともあろうかそれで普段より興奮している嫁が、愛おしくてたまらなかった。

もう何年も付き合い、さらには結婚して数年経つ嫁に対して

今更「俺の女にしたい」と、激しく欲情した。

ただ流石にショックだったのは、生で挿入していたのだが、俺がイキそうなのを伝えると、嫁は俺の胸を手で押しながら、すすすっと腰を引いて、外で出すのを言外に要求してきたことだ。

俺が自分で手でしごき、嫁のお腹に射精している様子を、嫁は額に手の甲をあて、肩を上下させて呼吸を整えながら、悲しそうな目で眺めていた。

悲しそうというよりは、つまらなさそうと言ったほうが近いかも。

玩具を取り上げられた子供みたいだった。

片付けを終え、一息つくと、嫁はいつも通りふっと微笑み、無言で唇を重ねてきて、「すごかった」と、照れくさそうに口にした後、目を逸らしながら「愛してる」と囁いてきた。

その晩は、その後もお互いの身体を冗談っぽく突っついたり、愛情を伝え合いながら寝た。

次の日、嫁の様子はいつもと変わらなかった。

俺より早く起きて、朝飯と弁当を作り、笑顔で送り出してくれた。

しかし仕事から帰りPCを開くと、偽高木フリーメールに、嫁からメールが来ていた。

嫁からメールが来たのは初めてだった。

送られていたのは昼間だった。

「今お仕事中だよね?てどうせ見てないか。見てたらサボってるって事だもんね。

まぁすぐ返してくれたら嬉しいけど。そう言えば前言ってた女の子とはどうなったの?」

「サボってなかったんで、今返信。特に進展無いよ」

と返信。実際今でも、まだ友達以上恋人未満らしい。

「そっか。えらいえらい」

「何で?」

その日は返信が無かった。

次の日も返信は無く、俺から

「もしかして会いたい?」

と送ると、やはりまた返信は無かった。

それから2〜3日後、嫁からメール。

「わかんない。でもそうなのかも」

怒りや失望ではなく、興奮する自分に危機感を覚えた。

でもその時点ではもう少しだけ、もう少しだけと好奇心を押さえ切れなかった。

嫁の本心が知りたかった。

「会おうか?」

「だめだよ」

「俺のこと忘れられないんでしょ?」

「そうかもだけど。でもだめ」

「正直になったほうが良いんじゃない?溜め込むのよくないと思うよ」

そこからまた二日ほど間が置いて、「正直ね、最近、君のことばかり考えてる」とメールが来た。

その間も、俺と嫁は身体を重ねていた。

しかし嫁はやはり目を瞑り、そしてゴムの着用をお願いしてきていた。

その二日間。嫁は何を考えていたんだろうか。

「会いたい?」

「だめ」

「嫌?」

「嫌とかじゃない」

「もし会ったらどうしたいの?」

「君って意地悪だね」

「意地悪されるの好きだろ?」

俺にSっ気は全く無いが、メールをしている時は軽く別人格になっているので、これくらいの言葉攻め(という程でもないんだろうが)は出来た。

「そうかも」と返信。

その直後、嫁から追加のメール。

「やっぱり君が忘れられない。してほしいって思っちゃう」

頭がグラグラした。

偽高木としては歓喜で、本来の俺としては嫉妬で、嫁が好きで好きでおかしくなりそうだった。

もうおかしくなってるのかもしれない。

「正直に言って。オナニーってしたことある?」

「ある」

「最近は?」

「してる」

「どんな時?」

返信に時間がかかった。

「昼間とか。あと…………旦那とした後とか」

「なんで?物足りないから?」

「そんな風に言わないで」

「でもそうなんでしょ?それで自分で処理するんだ?どうやって?」

「どうやってって言われても。わかんないけど普通だよ」

「どこで?」

「昼間は寝室とか。した後は旦那が寝た後トイレとか行って」

「何考えてるの?」

「何でわかってるのに聞くの?そういう意地悪しないで」

「聞いてほしいんだろ?何考えてオナニーしてんの?」

「君のこと」

「ちゃんと言えって」

「君とのセックス思い出してしてる。あと君のメール見ながらとか」

「それで満足出来るんだ?」

「うん」

「やばいね」

「うん。本当最近やばい。終わってベッド戻る時とか本当ごめんって思う」

「旦那さんに?」

「うん」

「今もしてるんじゃない?」

「してないよ」

「じゃあ濡れてる」

「わかんない」

「触ってみて」

「やだ」

「本当のこと言って」

「やだ」

「俺のちんこ想像してみてよ」

「絶対やだ」

「次は俺と生でするとこ想像してオナニーしてみてよ。俺に生ちんこガンガン突かれるの」

そこで、リビングの扉が開く音が聞こえ、嫁がスリッパを鳴らして廊下を歩く音がした。

嫁はトイレに入っていったようだった。

本当にトイレにいっただけかもしれない。

それでも俺は扉の前に聞き耳を立てに行った。

中からは、スリッパが地面を擦る音と、「……っん……くぅ」

と嫁の辛そうな声が、ほんの微かに聞こえてきた。

俺はそこでどう表現していいかわからない感情に襲われた。

やはり怒りや失望じゃない。

初めて女の子を好きになった時のような、そして初めて射精を経験した時のような

むず痒くて、でもどうしたらいいかわからず、ただ股間を布団に押し付けていた頃のような感覚を思い出した。

やがて水が流れる音。

しかしそれと同時に、「はぁ……」とまるで男が射精した時のような声が漏れてきたのを聞き逃さなかった。

またこっそり部屋に戻ると、しばらくすると、「もうやだ。君が欲しい。馬鹿。もう最悪。どうしよう。やっぱり会うのはやめよ。絶対やばい」

と返信がきた。

その晩、俺は激しく嫁を求めた。

俺が忘れさせてやると本気で頑張った。

嫁も激しく喘いでいた。

演技とは思えなかった。

何度も激しく身体を痙攣させていた。

その様子を、不思議と冷静に、ああこれが本当にイッてる嫁なのかと、観察することが出来た。

でもやはり嫁は殆ど目を瞑っていて、俺とは目を合わそうとしてくれなかった。

というよりは、必死で俺のことを見ようとするものの、やはり気まずさに

耐え切れず、やがて逸らしてしまうといった感じ。

キスも全然乗り気じゃなく、露骨ではないものの、あまりしたくなさそうな感じだった。

でも中出しはOKだった。

嫁の本音がますますわからなくなった。

後で確認すると、その晩に嫁からメールが来ていた。

俺が寝た後に送ったのだろう。

「ずっと君のこと考えてた」

俺は流石に焦りを感じ始めたが、どう幕を下ろせばいいかわからず、またとても自制が利かないほど興奮していたので、高木モードに入りこんだまま続行してしまった。

「何を?」

「君に抱かれたいって。最悪だよね」

「旦那さんのこと嫌いになったの?」

「そんなわけない」

「今の生活不満?」

「違う」

「でも俺と会いたい?」

「君って本当意地悪」

「京子さんから会いたいって言ってくれたら会ってあげるよ」

「会うのはもう絶対駄目。本当もうやばいから」

「何が?」

「君とのこと」

「本気になりそう?」

「てゆうか、前からタイプだなって思ってたし」

「いつから?最初から?」

「ごめんね。もう本当やめよ。あたし本当馬鹿だなって思う。

君とするのすっごい気持ち良いし、君のことも好きかもだけど、でももうこれ以上はもう無理だよ。もう○○君裏切りたくない。ごめんなさい」

頃合かと思い、最後のつもりでメールを送った。

ちゃっかり自分の本音とフォローも入れて。

「わかった。苦しませてごめん。でも浮気なんて、誰でもしちゃうもんなんだから

そこまで背負わなくてもいいと思うよ。ただ旦那さんは、今のところ絶対してないから

それは安心していい。これからもしないと思うよ。あの人、京子さん以外眼中ないから」

その後、嫁は涙目になっていた。

一応追求したらTVを観て泣いたとか言っていたが、多分嘘だろう。

高木との関係を清算したのが辛かったのか、それとも俺への罪悪感によるものか。

それからそのまま返信は無く、そして例の大震災が起きた。

以前報告したとおり、俺や嫁、高木を含め、幸運にも被災に会うことは無かった。

しかし当然俺もだが、嫁は未曾有の震災に大きなショックを受けており、地震関連のニュースを見る度に目に涙を浮かべている。

震災直後は、お互いそんな気になれなくて、しばらくは夜の生活そのものが無かった。

しかし最近は、高木に抱かせる以前のような、まったりとしてセックスに戻っている。

俺の目を覗き込み、嫁からキスをねだってくる。

おそらく嫁は、いわゆるラリった状態だったのが、大震災のショックで、現実に引き戻されたのだろうか。

だからといって、もちろん今回の地震が起こって良かったなどと微塵も思えるわけもない。

とても複雑な心境で、今を過ごしている。

本来は元彼の話なんかも聞き出したいから始めたのに、全く聞けずじまいだったので

いずれ落ち着いたら、それだけ聞けたらなと思ってます。

俺と嫁の関係は、少なくとも表面的には何の問題も見えないまま、以前と同じような円満な夫婦生活を送っていた。

いつも最初に同じようなことを書いている気もするが、実際そうなのだから仕方ない

一緒にTV番組に突っ込みを入れあって笑ったり、週末も大体嫁が計画して遠出デートをする。

夜の方も最低週イチ。

自分で言うのもなんだが、理想の夫婦といっても過言では無いと思っている。

一方高木の方も、前回の報告直後に例の子と無事付き合い始めていた。

ただ後述する理由で、現在ではもう別れる寸前らしい。

付き合った直後に飲みに行ったら、「京子さんのが全然羨ましいですけどね」

なんて冗談交じりに言われて、少しは優越感に浸ったり。

偽高木メールについては、送ってはいたんだけれど、それはもう完全にシカトされていた。

別に「会いたい」とかそんなメールじゃなくて、普通に世間話とかなのに、それももう一ヶ月以上完全に相手にされなくなった。

流石にもう無理かと思って送るのを一度やめた。

ただ嫁が俺との性生活に満足していないということは懸念事項だったから

その部分に対しては正攻法で、ちゃんと正面から話し合ってみることにした。

嫁が性的に不満を持っているというのは、普通の夫なら屈辱を感じる人が多いのかもしれないが、どうも俺には結構な被虐嗜好があるようで、その状況すら興奮出来た。

ただそれは俺自身の話であって、嫁が結婚生活の一部に不満を持っているという事実は、やはり申し訳ないと思うので、そこについてはなんとか解消したいと思った。

とある事情により離婚の心配はしていないが、かといって嫁の気持ちをないがしろにするなんて事はもっての外だと考えている。

話をするきっかけとして清水さんという、最近離婚した同僚を利用させてもらった。

「清水さんって憶えてる?」

「んー、なんとなく」

「あの人離婚しちゃってさ」

「えーそうなんだ。そっか」

おそらくは本当に記憶の片隅にいるかどうかくらいの清水さんの離婚に、思った以上に気落ちした様子の嫁の表情。

気のせいかもしれないが、高木との件以来、嫁は離婚とか浮気といった言葉に

少し敏感となっている気がする。

そういった相談を受ける法律のTV番組なんかは、以前も別に積極的に見るわけではなかったが、たまたま映ってたら、なんとはなしにそのまま観る、といった感じだったのに、今ではさっさとチャンネルを変えて観ようとしない。

浮気がテーマのドラマや映画も同様。

まぁそれはただの考えすぎなのかもしれない。

「なんかすごい下世話な話なんだけど」

「うん」

「やっぱり早い段階で夜とか無かったみたいでさ」

これは俺が勝手に作った。清水さんには申し訳ないと心の中で謝罪。

「そうなんだ」

「こないだ飲みに行った時にさ、それも原因の一つだったんじゃないかって凹んでた」

「そっかぁ。まぁ色々あるよね。しょうがないよ」

覚悟はしてたけど、少し気まずい空気が流れた。

「あのさ、こんなの改めて聞くのあれなんだけど」

「なになに?」

「京子は不満じゃない?」

「え?」

「ああだから、その、夜のとか。まぁそれに限らず、他にも色々とさ」

「え、あ、ああ。ないない。ないよ。あたしはない。ないよ」

少し慌てた様子で、胸の前で小さく両手を振る嫁。

本音を知っているから、それが嘘であるのは明白だったんだけど、まぁ俺への気遣いなんだろうと好意的に解釈。

「いや案外付き合い長いとさ、そういうのって言いづらいこともあるじゃん?」

「うんうん」

「でもほら。これからもさ、ずっと、その、二人でうまくやっていきたいしさ」

「うん。だね」

「ちゃんと話し合って解決できるならさ、しといた方がいいと思ってさ」

「あー、うん。本当そうだね。でもそんなの本当ないよ。あたしは。うん。全然大丈夫」

その後もわりとしつこく聞いたんだけど、結局本音を言ってくれることはなかった。

「これからもよろしくね」とニコニコモジモジしながら言われただけ。

相性なんかに問題があろうと、ちゃんと話し合えば、色々と多少は良くなると思ったんだけど、嫁は罪悪感からか、それとも倫理観からなのか、とにかく頑なに俺で満足してると言い張ってしまう。

夫としているのに、欲求不満になっているなどと、本人に向かって意地でも認めたくないのかもしれない。

それは嫁の優しさなんだろうけど。

かといって、俺から「知ってるんだぞ!」なんて問い詰めることも出来ない。

その日から嫁は、セックス中に少し演技をするようになってしまった。

わざとらしいとまではいかない。

そう言われてみれば、いつもより少し声が大きいかなとかその程度。

(これについては気のせいではなく、後述の部分で確認が取れている)

かといって、それで萎えたりはしない。

むしろどちらかといえば、そんな嫁の姿に興奮してしまう。

でも嫁に対して申し訳ないなという気持ちの方が、徐々に強くなってきてしまった。

そんな中、一ヶ月ぶりくらいに嫁から偽高木にメールが来た。

「勝手でごめんなさい。相談したい事があるんだけどいい?」

内容を聞くと、やはり俺のことだった。

ここぞとばかりに嫁の本音を聞きだす事に集中。

「旦那が自分で満足してないんじゃないかって悩んでるんだけど、男の人ってそんなの気にするの?」

「そりゃするんじゃない?京子さんは?」

「別に。本当に気にしてないよ」

「でも満足出来ないんでしょ?」

「それはそうかもだけど。でもそれでどうこうってわけじゃないし」

「京子さんはどうしたいの?」

「そんな事で旦那が悩んでるのはやだ。あたしの責任でもあるし」

「やっぱり俺としたい?」

「今はそういう話やめよ。ごめんね。あたし勝手だよね。でもこんなの誰にも相談出来なくて」

「じゃあそれに答えたらちゃんと相談にのってあげる」

「何が?」

「また俺としたい?」

「だからもうしないって」

「したいかしたくないかで。実際するしないは関係なくて」

「やだ」

「したくないってこと?」

「何で意地悪言うの?」

「別にいいじゃんメールでくらい。正直に言えば」

「駄目だよ」

「したいってことでOK?」

「勝手にすれば」

「じゃあ相談乗らないよ?」

「そんなのわかんない。でも気持ちよかった」

本気で相談に乗ってもらいたがってる嫁には申し訳なかったが、もう少しこの問答を続けたかった。

「何が良かったの?」

しかしこれが良くなかったのか、「もういいです」とだけ返信があり、そこからまた何も無いまま数日経った。

俺(偽高木)が謝ると、「そういうのもうやめよ?お互い良くないよ」と返信。

そこからは真面目に相談。

相談というか間接的な夫婦の会話というか。

「京子さんはどうしたいの?」

「旦那の悩みを解消したい」

「じゃあちゃんと本音で話しあうのが一番だと思うんだけど」

「本当は満足出来て無い、なんてあの人に言えないよ」

「なんで?」

「なんでって、言えるわけないじゃんそんなの。大切な人にそんなの言えないよ」

「これからの夫婦生活が大事ならちゃんと言ったほうがいいと思いますけど」

「そうかな。やっぱり言わなきゃ駄目なのかなぁ」

「そうしないとどうしようもないと思うんだけど。あと京子さんはさ、本当に今のままでもいいの?」

「なにが?」

「もし話し合って色々試してやっぱり満足出来なかったら」

「別に良いよ。あたしは本当問題ない。そこまで重要なことじゃないと思ってるし」

「でもそれで浮気する奥さんとか世の中に一杯いるよ?」

「あたしは別に誰でも良いなんて絶対思わないし」

「それって俺は喜んでもいいところ?」

「知らない。でもあれだね。時間経って落ち着いたから、君とも普通にメールできるようになった」

「シカトされまくったから嫌われたかと思った」

「嫌いになろうと努力はしたよ」

「ひどいなぁ」

「しょうがないじゃん」

「今はどんな感じなの?」

「もうだいぶ落ち着いたよ。代わりに罪悪感でいっぱいだけど」

「前は俺のこと考えちゃったり?」

「ちょっとはね」

「今は割り切った関係とかも出来そうなくらい?」

「それはないない。もう旦那一筋です」

「じゃあ俺は二番くらい?」

「二番も三番もない。旦那だけ」

少し質問の路線を変えてみる。

「あと相談の続きなんだけど俺だと満足できたんだよね?」

「まぁそれなりに」

「どこが旦那さんと違った?」

「だからそういうのはやめよって」

「いやでもそこを確認するのって大事じゃない?要は京子さんが満足できればいいわけだし」

「だから別に不満ってわけじゃないよ。それにやり方がどうこうってわけじゃないと思うし」

「一応考えてみてよ」

「やっぱり単純に違う部分があるじゃん」

「どこ?」

「馬鹿」

「そういうのって言った方が男は喜ぶよ。旦那さんも絶対そう。保障する」

「だからって君にメールで言う必要ないじゃん」

「そりゃそうだけど。どう違った?」

「形とか硬さとか。相性とかじゃないの?なんか恥ずかしいんですけど」

「旦那さんは?」

「普通だと思うよ」

「旦那さんよりおっきい?」

「馬鹿。でもそんな変わんないかも。でも何ていうか君のって先っぽの方がすごい膨らんでるよね。硬いし」

「カリのこと?」

「それかな。最初した時ヤバイって思った。うわってなったもん」

「どうやばいの?」

「わかんないよ」

「丁度良いところ当たるって感じ?」

「そうかもね。知らないけど」

「京子さんやらしいね」

「違うし。でもそんなの○○君どうしようもないじゃん」

「腰の動き方とかで違ってくるんじゃない?」

「自分なりに色々試したんだけどなぁ」

「試したって?」

「気にしないで」

「いやそこは正直に言ってくれないとちゃんと相談できないですよ」

「だから上で動いたりとか。わかるでしょ馬鹿」

「駄目だった?」

「うーん…って感じ」

「俺のが今までで一番良かった?」

「というか他の人のあんまり知らないし」

嫁の男性遍歴は是非知りたかったので、是が非でも聞きたかった。

あと今更だけどこのメールのやり取りは、数日かけて行われたもの。

途中で何度か日を跨いでいると思ってください。

「俺で何人目?」

「五人かな」

「俺以外は全員彼氏?」

「当たり前でしょ」

「昔の彼氏の話とか聞きたいな」

「なんで?」

「単純に好奇心。あと京子さんの相談のヒントもあるかもしれないし」

「そんな上手い事言って。○○君に絶対秘密なら良いけど」

「約束します。絶対」

「絶対だよ?一人目の人は高二の時だったかな。バイト先の先輩。その時二十歳の人だった」

「大学生とか?」

「うん。その時は大人っぽく見えて格好良かったんだけどね」

「付き合うきっかけは?」

「向こうから告白されて」

「京子さん昔からモテてたんだろうね」

「全然そんな事ないよ」

「最初は彼氏の部屋とか?」

「そうだね」

「憶えてる?」

「とにかく痛かった。早く終わって欲しかった」

「その元彼とは良い感じだったの?」

「わかんない。今思うと恋に恋してって感じだったのかも。高校卒業する前に別れたよ」

「なんで?」

「なんでだろ。普通に別れたよ」

「次は?」

「大学の先輩。2回生の時。優しそうな人だったから良いなって思ったんだけどね」

「駄目だったんだ?」

「その時は恋愛向いてないのかなって思った」

「次は?」

「会社の先輩。多分高木君は面識ないと思うけど」

「阿部先輩でしたっけ?」

「知ってるの?」

「いや。旦那さんがそうかもって以前言ってたんで」

「やっぱりわかってたんだ。なんか自己嫌悪だなぁ」

「何で嘘ついたんですか?」

「なんとなく。あと後ろめたいこともちょっとあったから」

後ろめたいことという言葉に、色んな想像をして一瞬胸が痛くなる。

少し不安になりながらも、質問を続行した。

そもそも阿部先輩とのことが聞きたくて、このメールを始めたので

少々不自然だろうが、強引に詳細を聞いていった。

「付き合うきっかけは?」

「一緒に仕事しててすっごい尊敬できるって思ったから」

「好きだったんだ?」

「そりゃまぁ付き合ってたんだし」

「歴代で何位?」

「そんなのわかんないよ。ていうか今の人が一番でそれ以外はないって感じ」

「元彼さんとはH満足出来てたの?」

「あー、うん。そう言えばそうかも」

「じゃあ例えば旦那さんとどう違った?」

「えーわかんない。でもこんな風に思ったことなかった」

「こんな風って?」

「だからその、イケないなぁとか」

「旦那さんとしてる時そんな事考えてるの?」

「別に早く終わって欲しいとかじゃないよ?でもなんだろ。そうかも」

「俺としてる時はどうだった?」

「えー。またそういう事聞く」

「今後の参考にさせてよ。相談乗るお礼のアンケートってことで」

「うー。なんかずっと頭真っ白で怖かった。声とか変じゃなかった?」

「すごい可愛かったよ。旦那さんともあんな感じ?」

「違うと思う」

「元彼さんとは?」

「普通」

「普通って?」

「普通に良かったってこと」

「じゃあ順番的には俺元彼旦那さんって感じ?」

「別に良いんじゃない?どうでもいいよそんなの」

「じゃあ元彼さんと旦那さんって何が違う?」

「わかんない。別に一緒だと思う。ただ最近あたしが思うのは、○○君とはリラックスしすぎなのかもって」

「倦怠期とは違うの?」

「違うと思う。そういう時期もあったけど、今はそういうのとは違う」

「じゃあ変わったことすれば?ソフトSMとか」

「何それ?」

「タオルで目隠ししたり手を縛ったり」

「やだ」

「なんで?」

「なんかやらしい」

「何で別れたの?」

「ふられちゃったんだ」

「浮気されたの?」

「それはわかんない。でもその時は『あっそう。じゃあさよなら』って感じ。その後一人でずっと泣いちゃったけど」

「それから旦那さんと付き合ったんだ」

「そうなるね」

「旦那さんに後ろめたくて嘘ついたっていうのは?」

ここで嫁の返信が一旦止まった。

わざわざここには書いてないけど、日を跨ぐ時は

「また明日ね。おやすみ」みたいなメールがあったのだがそれも無し。

そして次の日。

「本当はね、最初は好きで付き合って無かったんだ」

「旦那さんのこと?」

「うん。正直元彼へのあてつけだった。誰でも良いってわけじゃなかったけど」

流石にこの事実は堪えた。

単純に凹んだ。

興奮なんかしない。

頭や肩に重りをつけられたみたいになった。

それでもなんとかやり取りを続けるうちに、やはり聞いて良かったと思い直せた。

「今でもずっと上手くいってるんじゃ?」

「だね。結果的にはあの人と結婚出来て良かったって本当に心から思ってるよ」

「でも最初はそうでもなかったんだ?」

「最初の半年くらいは元彼の事ずっとひきずってた。心の中でずっと○○君と元彼を比べてたりしてた。

それでね、半年くらいにその元彼に誘われたんだ」

「旦那さんと付き合って半年ってこと?」

「そう。それで最悪だけど、あたし凄い嬉しくてね。もうやり直すつもりだったの。

○○君と付き合ってる間も本当はずっとそう考えてた。よりを戻したいって」

「それで浮気しちゃったとか?」

「ううん。結局会わなかった」

「なんで?」

「会う直前だったんだけど、なんか急に涙がぶわって出てきて、○○君のこと裏切れないって思って引き返した」

「その時旦那さんへの気持ちに気づいたって感じ?」

「そうかも」

「浮気してないんだったら別に嘘ついてまで隠さなくても」

「でも最初のころはずっと元彼のこと考えてたし」

「でもその後引き返したんでしょ?」

「そうだけど。でもやっぱり悪いなって」

「それから元彼さんとは?」

「考えることは無くなったしよ。○○君のことしか考えなくなった。それでも何回か誘われたけどね」

「それでも会ってない?」

「うん。ちゃんと断ってた。○○君が一番大事だからって。結婚してからは連絡先もわからないから音信不通」

ここまで聞いて、胸を撫で下ろした。

「やっぱり隠さなくても良かったと思うんだけどな」

「うーん。後ろめたい部分はあったからね」

「今回の相談もそうだけど、もっと旦那さん信頼して本音で話し合ったほうがいいんじゃない?」

「ずばり言うね。そうだね。でも中々それが出来ないんだ。○○君には。今までの彼氏には

自分でも口煩いと思うくらいズケズケ何でも言ってたんだけどな」

「なんで?好きだから?」

「○○君に対しては何かもう好きとかそういう感覚じゃないなぁ。

とにかく大事って感じ。大切な人。君も結婚したらわかると思うよ」

少し照れくさくなった俺は、浮気されてる夫はATMだという表現をよく見かけるので、「生活費稼いできてくれるしね」なんて自虐的なメールを送った。

「そういう意味じゃない。もし○○君が仕事に疲れたんなら代わりにあたしが働くの全然OKだし」

偽高木に対するメールで、絵文字や顔文字が一切使われてなかったのはこの返信だけ。

以前にも嫁には、直接そういうことを言われたことがある。

「でもHの相性は良くないんだ」

「だからあたしはどうでもいいんだけどね。でも向こうが気にしてるから」

「でも欲求不満になっちゃってるんでしょ?」

「なってない」

「オナニーしてるんでしょ?」

「してません」

「旦那さんと終わった後自分で処理してるって言ってたじゃん」

「嘘だし」

してたのは前回書いた通り、俺がこの耳で確認したから嘘というのが嘘。

夫で満足出来てないことを恥じているんだろうか。

そして気になってたことを聞いた。

「もしかして旦那さんとしてる時演技とかしてる?」

「してない」

「本当は?」

「ちょっとだけ。でも皆してると思うよ」

「いつから?」

「いつからっていうか、いつもといえばいつもだけど」

「付き合ったころからってこと?」

「どうだろね。でも友達とかと話しててもよっぽど相性良いとか以外はそんな感じだって皆言ってるよ」

最近のことだけかと思っていたので、ここで不意打ちでショックを受けた。

「男ってそういうの案外わかるもんだから止めたほうがいいよ」

「そうなの?でも自分で自分を盛り上げるって意味もあるよ?男の人もそうじゃないの?」

「ああそれはあるかもね。もしかして俺の時にもしてた?」

「だから相性良いのは以外って言ったじゃん」

「俺とは相性良かったんだ?」

「別に」

「すごい声出てたもんね」

「知らない」

これ以上やるとまたメールが途絶えてしまいそうだったので、話題を元に戻した。

「とにかく旦那さんとは本音でぶつかりなよ。あとしてる最中にやらしい言葉とか言ったほうがいいよ」

「やだよ恥ずかしい。○○君はそんな変態さんじゃないし」

「変態じゃなくても好きだよ。元彼には言わされてたんじゃないの?」

「だから嫌なの。君もそういうの好きなの?」

「男は大体好きだって」

最後に少し雑談。

「それ以外には夫婦生活で問題ってあるの?」

「自分でもびっくりするくらい無い。結婚前は結婚生活ってもっと色々大変だと思ってた」

「お子さんは?」

「どうだろね。出来たら出来たで嬉しいんだろうな。でも今はまだそんな気分にはなれないかな」

「なんで?」

「君のせい」

「どういうこと?」

「別に。気にしないで」

「浮気しちゃった罪悪感がまだ残ってるってこと?」

「まぁそんな感じ。こんなふわふわしたまま子供作れないって感じだった。今はもう大分落ち着いたけど」

「結婚生活は幸せ?」

「あの人と一緒に笑ってると幸せってこういうことなんだろうなってしみじみ思うよ」

そして最後のやりとり。

嫁の方からメール。

「男同士でそういう話ってしないの?」

「幸せとは言ってますよ」

「本当に?」

「本当ですって」

「そっか。やらしい話とかは?こういうのが好きとか」

「俺は下着は黒が好きですね」

「いや聞いてないし。どうでもいいし。旦那のだって」

「直接聞けばいいじゃないですか」

「君も本当に大切な人出来たらわかるよ。そんなの聞けないし、もし好みと違っても正直に言えないもんなの」

「別にそういう話はしたことないですね」

「今度聞いたら教えてね」

これくらいで嫁の相談は一旦終わった。

最後に嫁からお礼のメールが来て。それ以降連絡はない。

上記のやりとりは、G.W直前くらいまでのもの。

それから一度試すつもりで、嫁に「今度久しぶりに高木呼ぼうかな」なんて言ってみたが、「ああ、そう言えば最近見てないね。いいんじゃない?」と何の動揺もなくさらっと

言った嫁の姿を見て、もう大丈夫なのかなと安心した。

その後、「それよりさ。今晩大丈夫?」と照れた様子で求めてくる嫁は、今までで一番可愛かった。

高木に抱かれて以降、やはり女として魅力が上がった気がする。

上がったというよりは、取り戻したと言った方がいいのかもしれない。

俺の見方が変わったというのもあるんだろう。

可愛いし、綺麗だし、とにかく片思いのころに戻った感じ。

ちなみそれ以降も、Hの内容が変わったりはない。

最中にHな言葉喋ったりはして欲しいと言えばして欲しいのだが、素の自分は完全にドMなので、そういうのを引き出すのが苦手だし、むしろ苦痛でもある。

きっと嫁もそうなんだと思う。

昔H中に喋るのが嫌って言ってたけど、本当はそういうのを言わさせてほしいんじゃないかって。

そして現在の話になる。

俺は結構前(それこそ1年前ほど)から高木から転職の相談を受けていた。

転職というよりは、今の仕事を辞めて、実家の自営業を継ぐかどうかという話。

今年の春にはそれを決意したみたいで、初夏には辞めるという話を会社ともつけたみたい。

高木の実家はかなり遠いから、これもこのプレイを始める上での保険の一つといえば一つだった。

(まぁこんな不確定要素の強いものは、サブのサブくらいの保険だったけど)

だから最後にもう一度だけ、嫁を抱いて欲しいと提案したら、喜んで承諾してくれた。

予定日は今週の土曜のつもり。

最後は出来れば覗いてみたいと思ってる。

また報告します。

結論から言うと、上手くいった。

でもやらない方が良かったと、頭がおかしくなるくらいのショック。

矛盾しているけど、後悔はしていない。

まるでこうなる事をどこかで望んでいた気さえする。

まだ余韻で、高熱を出した時みたいに、ずっと頭がぐにゃぐにゃしている。

苦しいといえば苦しい。

でもそれが辛いとかじゃなく、あくまで興奮が冷めないといった感じ。

うまく考えがまとまらない。

一人になると、うろうろと歩き回ったりしてしまう

作戦はいつもと一緒で、出張を利用した。

ただ少し違うのは、出張なんて本当は無くて、行った振りをしただけ。

そこまでは当然高木も知っている。

嫁に駅まで車で送ってもらって、そして駅にいったん入り、そこから頃合を見計らって、タクシーで家に戻るという寸法。

しかし、そこは高木にも内緒だった

高木にはどこか小旅行でも行って来ると嘘をつき、そして尚且つうちの家でしてもらうよう指示しておいた。

しかも寝室で。理由は後述。

この辺は全てが不確定要素ばかりだったが、駄目だったら駄目で良いと思っていた。

高木にはなりすましメールの内容は、大体教えた。

恥ずかしいのでそれを直接見せることは無かったが、嫁と話が合わないと不味いので、概要だけはしっかりと伝えた。

高木には呆れられた。

ちなみに高木は、実家に帰ることを彼女に伝えて、結局別れることになったそうだ。

高木は続けたかったらしいが、向こうが遠距離を嫌がったらしい。

事前に高木が会社を辞めて、実家に戻ることを嫁に伝えた。

嫁は「ふーん」と興味無さげに返事しただけ。

でもその夜。偽高木メールに

「旦那から聞いたよ。会社辞めるんだってね。今までお疲れ様」とだけメールが来た。

それに対し返信をせず、そして嘘の出張の前日。

「最後にもう一度会って欲しい」とメールを送った。

返事は、「最後だからね」とあっさり了承。

びっくりした。

時間を置いてリビングに行くと、俺を見た途端にそわそわしだす嫁。

不意打ちで後ろから抱きつくと、「わわわわわ」と物凄く慌てていた。

無言でキスしまくると、目がきょろきょろと左右に泳いで、「ど、どどど、どうしたの?」と引きつった笑顔を浮かべていた。

挙動不審の理由を、聞いてもないのに

「いきなりだから、ビックリしたよー」と釈明する嫁。

それで興奮して、犯すように嫁を抱いた。

久しぶりに一晩で2回もした。

でもゴムは有り。

着けさせられた。

嫁は「すごいね〜」と笑っていた。

「嫌だった?」と聞くと

「ううん。帰って来たら、もっかい、ね?」と、モジモジしながらそう答えた。

そして昨日。

前述したとおり、昼過ぎくらいに嫁に駅まで送ってもらった。

その車中、俺は気が気じゃなかったのだが、嫁の様子はいつもと何も変わらない

むしろ鼻歌交じりでハンドルを握っていた。

別れ際、嫁は運転席から満面の笑顔で手を振りながら、大声で「気をつけてねー」と声を掛けてくれた。

嫁が去っていくのを見た俺は、タクシーで家付近まで戻って、しばらく家の周りでうろうろしていた。

事前の打ち合わせでは、見知らぬ車が家に止まっているのは不味いだろうということで、嫁が高木を迎えに行くという段取りになっていた。

家に戻ると実際嫁の車は無かったのだが、高木に問い合わせると

「まだ迎えにきてません」とのことだった。

そこからは、高木にも秘密にしていた俺のプランを実行するかどうかで迷った。

本当はずっとしたかったことがあって、でも勇気がなかなか出なかった。

しかしこんなチャンスは、もう人生で最後なんだからと、覚悟を決めた。

俺は無人の我が家に入って、そして書斎に閉じこもった。

簡単な食糧や水。そして大人用のオムツなんかも前もって用意していた。

書斎は寝室の隣で丁度ベッドも書斎側の壁。

壁も薄いので、会話も丸聞こえできる算段があった。

そして何より、もし万が一バレても構わないという覚悟があった。

それくらい、嫁が他の男に抱かれてる姿は、魅力的だった。

バレるバレない以前に、最悪の事態が起こる可能性というのも、もちろん考えていないわけではなかったが、それは絶対に阻止したいという気持ちと、でもどこか心の片隅で、それを見たいなんて矛盾した気持ちもあった。

数十分待っても誰も来ない。

もしかしたら、高木の家でしてるのかもしれない。

それならそれで仕方ないと諦めるようと思った。

しかしやがて、誰かが階段を踏み上がる音。

そして隣の寝室のドアが開いた。

「なんか緊張するー」

「いや俺のが絶対してますから」

そしてすぐに、んっ……と吐息が聞こえた。

ドアが開いてから足音はしなかったから、入ってすぐのところで、キスをしているようだった。

予想以上に音は明確に聞こえ、ディープキスをしようものなら、その水音までしっかりと聞き取れた。

そして無言のまま、激しい衣擦れの音。

結構乱暴に服を脱がしあっていたのが容易に想像できた。

その合間に、激しく唇を重ねているような音も聞こえてくる。

自分だけが服を着ているであろうことに劣等感すら感じた。

そしてベッドが一度大きく軋む音。

「きゃ」と嫁の声も聞こえたから、高木が嫁を押し倒したのだろうか。

しばらくキスの音と嫁の吐息だけが響いていた。

嫁の吐息とキスは同時に聞こえてきたから、キスは愛撫の音だったのかもしれない。

そしてやがて、「京子さん」と高木が嫁を呼んだ。

「ん?」

「今日は何時まで?」

「一応泊りなんだよね?」

「みたいです」

「ん。でも、夕方まで、ね?」

「もっと一緒は?だめ?」

「だめ。匂いとか、あるし」

「わかった」

高木の愛撫を受ける嫁の声は、俺の時と全然違った。

切なそうとしか言えない。

こんな可愛い声を出すのか、と嫁の魅力をまた一つ知った。

「ね、高木君。あたしも」

「うん」

ほどなくして、カチャカチャとベルトを外す音がして、「わぁ」と嫁の声。

そして女性が口で奉仕する音。

この時点で、俺はパンツを下ろしてオナニーをしたい欲求に駆られたが、その音が向こうに伝わるんじゃないかという危惧が頭をよぎり、ただ壁にへばりついて耳を澄ましていた。

高木には事前に、言葉攻めというか、嫁にやらしい言葉を言わせてみてほしいと頼んでいた。

そうでなくても、メールの内容を伝えた時に、「京子さん本当はそういうの弱いんですかね」とそわそわしていたから、元々する気だったんだろう。

「これ、どう?」

「ん……硬い」

「それだけ?」

「やだ、もう。……おっきいよ」

「好き?」

「かもね」

「欲しい?」

「やぁ」

「言って」

その後ごにょごにょと嫁の声。

そして高木が鼻で笑った。

ガサゴソと何かの包装を破く音(多分コンドームだと思う)がして、そしてその数秒後。

「あっ」という嫁の甲高い声と共に、ベッドが揺れる音が聞こえ出してきた。

最初はそれほど激しくなかった。

ギシギシギシと定期的なリズム。

それに合わせて嫁も声を出していたが、それは愛撫を受けている時よりも、どこか苦しそうな声だった。

「んっくっ……んっ」みたいな感じ。

それでも正確なリズムでベッドが揺れ続けていると、そのうちそれは、「……あっ、あっ、あっ、あっ」

とリズムカルで、甘い声に変わっていった。

やはり俺が聞いたことのない声だった。

すごく可愛くて、甲高くて、いやらしい声だった。

子犬みたいだな、と思った。

嫁の本当の喘ぎ声を、初めて聞いた。

本当に、気持ち良さそうな声だった。

「最近旦那さんとしてる?」

「あっ、あっ、あっ……あんっ!あんっ!あああっ」

「な?」

「も、やだぁ………してない」

前日に、2回もしたのに、していないと言われた。

反射的に「え?」と声を出しそうになってしまった。

「どれくらいしてないの?」

「あっ、そこ、だめ……あたる……」

「なぁって?」

「いっ、あっ、いいっ!……もう、や……だってぇ」

ピストンの音が止んだ。

「どれくらいしてないの?」

「…………………ずっと……して、ない」

以前からも、週に一度は必ずしていた。

この一ヶ月は、間違いなくそれ以上。

俺は我慢が出来なくて、チャックの間からちんこだけを取り出し、自慰をした。本当、自ら慰めるって感じだったと思う。

ピストンの音が再開した。

「あっ!あっ!あっ!あああっ!……すごいっ!あぁっ!これっ!」

「何が?言いな」

「あん!あん!あっ!……やだ!おちんちん!……すごい!」

「誰の?」

「君のっ、すごい……すごい、気持ち良い」

「ちゃんと」

また音が止む。嫁の息切れの音だけ。

「高木、君の、おちんちん……」

「が何?」

「気持ちいい。すごく、いい……あっ!あっ!あっ!そこっ!……そこだめ!」

「いいよ。いって」

「あああっ!だめっほんと!もう……ああっだめっ!いっちゃう!」

「いいよ。ほら。ほら」

「だめ……いっくぅ!……いくいくいくっ!いっちゃう!あっ!やぁ、ん……!もうだめ!あああああっ!!!」

こんな風に、「いく」と絶叫しながら連呼するなんて、知らなかった。

嫁が本当にイク時は、こうなるんだって、妙に頭の中は冷静に聞いてた。

俺は自分がいきそうになる度に、その欲求を抑え、我慢をした。

俺も頭が真っ白で、高木とタイミングを合わせてイクことしか考えていなかった。

今嫁を抱いて、嫁を満足させているのは、自分だと思いたかったのかもしれない。

「……やっぱ、すごすぎ」

「京子さんもやばいって。てか超プルプルしてる」

「もう真っ白……」

泣き笑いみたいな口調。

「休憩する?」

「おねがい」

高木が抜いたのだろう。

「あぁっ」と嫁の残念そうな、甘い声。

「またすぐ、な?」

「……もう」

平手で軽く身体を叩いたかのような音と、キスをする音。

「京子さん好きかも」

「やめて、そういうの」

「今だけ。いいじゃん」

「だめ」

「なんでさ」

拗ねたような口調の高木に

「あたしも、って言っちゃいそうになるから」

とぶっきらぼうな嫁の口調。

「じゃあ今だけ恋人気分とか。だめ?」

「えー」

「今だけ今だけ。ごっこごっこ」

「何それー。じゃあ……守」

嫁が冗談っぽく作った、可愛い声で高木の下の名前を呼ぶ。

二人でクスクス笑いながら、お互いの名前を呼びあっていた。

「でもさー、もうすぐ会えなくなっちゃうよね」と嫁。

「だね。寂しい?」

「別に。全然」

「無理しちゃって」

「してないし。でも……」

「でも?」

「なんだろ。思い出は欲しい、かな」

「どんな?」

「わかんない」

少し会話が途切れた。

でもそのうちクスクスと楽しそうな声。

最初は聞き取れなかったけど、少しづつ会話の内容がわかるようになっていった。

「ここでいつも旦那さんと寝てるんだ?」

「うん」

「セックスも?」

「もーやだぁ」

「でも最近してないでしょ?」

「しょうがないの。○○君は仕事忙しいから。疲れてるの」

「どんなくらいしてないの?」

「えー……もうわかんない」

「俺だったら、毎晩なんだけどなぁ」

「はいはい」

高木はそれが嘘だとわかっていたんだと思う。

もし本当にそんなずっとしてないのなら、この間嫁が高木に相談してた事が辻褄が合わないし。

というかなぜ嫁が、そんなバレバレの嘘をついたのかはわからない。

少し間を置いて、真剣な高木の声。

俺が聞いたことのない、同僚でも友人でもない、男としての高木の声だった。

「俺を忘れられないようにしたい」

「もう充分、だよ」

「そうなの?」

「ん」

「しよっか」

「うん」

「言って」

「……ほしい」

「なに?」

「守が欲しい」

「いいよ。あの、ゴムさ、だめ?」

「…………駄目」

「ごめん」

「ううん。多分、一緒だから。気持ち」

「うん……じゃあ、はい。京子つけて」

「ん」

そして小さく「よいしょ、よいしょ」という嫁の声。

続けて呆れたように、でも同時に楽しそうに「ほんと硬いね」とも。

「旦那さんとあんま変わんないんでしょ?」

「ん、でも、やっぱり違うかも」

そしてすぐにまたベッドが軋みだした。

もうこの辺で、俺は少し泣いてた。

色んな感情が混ざってたんだけど、一番大きかったのは、怖いって感じだったと思う。

「あっ……かた……守」

「なに?」

「呼んだ、だけ……あっ……あっ、あっ、あっ」

「気持ちいい?」

「すごい、いい」

「ちゃんと言いなって」

「……くぅ、んっ……なんか、すごい、こすられる」

「ここ?」

「やっ、はぁ、あっ、そこ、やっ、だめ……あんっ!あんっ!あんっ!」

「京子、バックでいい?」

「え?あっ、うぅ…………嫌、かも」

「なんで?嫌い?」

「ううん」

「じゃあいいじゃん。しよ?」

「……やだ」

「なんで?」

「キス、出来ない、じゃん」

俺はそんな事言われたことがない。

「キス好き?」

「うん……守のは、好き」

「は?」って何だと思った。

それを高木も一緒だったようで、俺の気持ちを代弁して聞いてくれた。

「はって何?旦那さんとは?しないの?」

「バックで?」

「キス」

「する、よ」

「良くない?」

「そんなこと、ない」

「俺とどっちがいい?」

「も、そんなこと、ばっかり」

「教えて。な?最後だし」

掠れたような声で、そう尋ねる高木に対し、「ちょっとだけ……守」と答える嫁。

「ちょっと?」

「ん、ちょっと、だけ」

「本当は?」

「あっ、あっ、あっ、そこ……だめ」

「どう。いい?」

「うん、すごい、いい。守の、いい」

「本当に?」

「ん、あっ、いい、よ。おちんちん、守の、んっ、好き」

「やらしいね」

「だって、あっ、こういうの、好きって。あっあっ、守が」

「どっちがいい?」

「だから、あっ、あっ……守……あんっ……だって」

「ちょっと?」

「うん……やっ、ぁん」

「本当は?」

「……ちょっと、だってばぁ……あんっ!あんっ!あんっ!」

俺はずっと嗚咽を堪えながら、我慢汁だらけの自分のちんこを

あまり刺激しないように、ただ撫でていた。

それでもいい加減耐えれなくなった俺は、そっと携帯を取り出し、嫁に「早く帰って京子のご飯食べたい」とだけメールを送った。

やがて隣から聞こえる、嫁の俺専用の着信音。

でも止まないセックスの音。

ギシギシギシと鳴り響く音の中で、「いいの?」と高木。

「ん、でも」

高木は着信音のことまでは知らないだろうが、もしかしたら

俺からかもと思ったのかもしれない。

「いいよ。出て」と嫁に携帯を確認することを促した。

「ん、メール、だから」

しばらく音が止む。

「もういいの?」と高木。

「ん」

ピストンが再開した音。

「誰だった?」

「……友達…………あっあっあっあ!」

それを聞いた瞬間、射精が我慢出来なくて、漏れてしまった。

完全にイキきったわけじゃなく、まだ硬かったけど、それでもどくどくと精液が出てきた。

そしてまたピストンの音が止むと、高木が

「京子」と嫁を呼んだ。

「……何?……ん」

ぴちゃぴちゃと唾液を交換しているかのような音。

「ゴムさ、だめ?」

「……ごめん」

「そっか」

「……ごめんね……なんか、怖い、から」

「病気、とか?」

「違う……その、欲しいって、思っちゃいそう、だから」

「え?」

「……嘘、やっぱ、だめ」

また激しく唾液が交換される音。

「欲しい?」

「……守」

「な?」

「だめ」

「気持ちだけ。知りたい」

「……ほしい」

「え?」

「君の、欲しい、って思っちゃいそう、で怖い」

「外していい?」

「……わかんない」

「やっぱ、やめとこっか?」

「……ん」

「じゃあ口で、良い?」

「うん」

ごそごそと音がして、そしてフェラの音が響いてきた。

それほど激しくはないが、愛しそうに、そして丹念に咥えているのが、容易に想像できるような音。

「京子……いきそう」

「いいよ」

「このまま、いい?」

「うん」

「あ、やべ……あっ」

高木のその声を契機に、水音は緩やかになっていき、そしてそれやがて完全に静かになった。

「はぁーっ」と高木の気持ち良さそうな声。

すぐにシュッシュッとティッシュを取る音。

「はい」また高木の声。

嫁の返事は無い。

「え?」と高木が驚いたように声を出した。

すると「ふふ」と嫁が小さく笑い、「いいの?」と高木がそう尋ねると、「うん…………うわ、すっごい苦い」

と嫁が素の口調で答えた。

俺はそこで完全に射精した。

かなり飛び散った。

声が出そうになったが、なんとか堪えた。

「はーあ」と嫁の声と同時に、ベッドに人が倒れこむ音。

「やっぱ守、すごいね」

はは、と高木の笑う声。

続いて「相性いいんだって絶対」と高木。

「ねー」

そんな会話の中、バイブも着信音も無しにしてあった、俺の携帯の液晶が光った。

「お仕事頑張ってね。明日ご馳走作って待ってるよ」

嫁からのメールだった。

それからしばらく、隣からは何も音が聞こえてこなくなって、怪訝に思った俺は高木にメール。

「今どうしてる?詳しく教えて」

送った直後に、隣で着信音。

「女の子?」とからかうような嫁の声。

「違うって」

すぐに返事が返ってきた。

「一回終わったところです」

「現状の詳細お願い」

「京子さんを後ろから抱きかかえて座ってます」

壁を一枚挟んだむこうで、恋人みたいに裸で密着して座っている二人を想像する。

しかも無言。

その状態がさらに1分くらい続いて、嫁の声が聞こえた。

「守ってさ、絶対もてるよね」

「そんなことないよ」

「そんなことあるに決まってるじゃん」

「なんで?」

「別に。そういえばさ」

「ん?」

「彼女とはもう会わないの?」

「元、な。ちゃんと別れたし」

「なんかすぐだったね」

「しょうがないさ。遠距離は嫌だって言われたし」

「そっかー……でも、あー……ううん」

「何?」

「なんでもない」

「言ってよ」

「なんでもない。まぁでもあたし的にはそっちのがいいけど」

「そっちって?」

「だから、守に彼女いないほうが」

「なんで?ひどっ」

ごそごそとベッドが軽く軋む音。

「なんでって、わかるでしょそんなの」

そしてまた、ちゅぱちゅぱと水音がし始めた。

「うっ」と高木が小さく呻いて

「いや、わかんないし」と口にした。

嫁はそれに対してすぐには返事をせず、ただ水音だけが徐々に激しくなっていった。

そして数十秒後、音が止んだ。

「わかるでしょ」と囁くような嫁の声。

そしてまたすぐにちゅぱちゅぱと音。

激しくなったそれは、じゅるっじゅるっといったほうが近いかも。

「京子、口だけで、そう、手こっち置いて」

水音だけが延々と続いた。

そして高木が

「京子、そろそろ、やばいかも」

と呻くように言うと、音が一旦止み、またベッドが軽く軋む。

「どうしよ?」と嫁の声。

「どうする?」

「ほしい、な」

「じゃあ、乗って」

そして緩やかに、ベッドが軋みだした。

ゴムを着けた気配は無かった。

「ああっ、やだ、すごい、やっぱり」

「なんか、マジで俺、幸せって感じ」

「わかる、かも」

「動くよ」

「ん、でも、あたし、すぐ、やばい、と思う」

「俺も」

ベッドがまた激しく軋みだした。

その音は、ギシギシと横に揺れるような感じじゃなく、ギッギッギと縦に揺れてるふうに聞こえた。

そして嫁が、高木にこう語りかけた。

「やっ、ホント……気持ち良い…………ね、守」

「ん?」

「……好き」

「俺もだよ」

「大好き」

「ん。俺も」

「本当?」

「ああ。大好きかも。お前のこと」

「やばい、嬉しい。あたしも、ほんと大好き、かも。ああ……守…………あっあっあっあっあっ!」

俺は再度勃起していたけど、オナニーどころじゃなく、なるべく足音を立てずに、ただ部屋の中を、号泣しながらうろうろと歩き回っていた。

頭の中は、ぐるぐると、嫁との記憶が暴れまわっていた。

でもそんなの関係無しに、隣からは愛し合ってる二人の声。

「あっ!あっ!あっ!これ、やばい、あたし、もうだめ」

「俺も、すぐ、かも」

「守!守!……いっ!あっ!……もうだめ」

「俺も、どうする?」

「ほしい。だめ?」

「京子は?大丈夫?」

「もう、我慢、できない……欲しい」

「あ、く、やば」

「あ、待って、これ、外す、から」

「いいの?」

「……今は、君だけ……」

数秒音が止み、そしてまた嫁の声。

「あんっ!あんっ!すごい!守!やだ!全然違う!」

「京子!」

「守!好き!好きだから……あっあっあっあっあ!」

「俺も、愛してる、あ」

「あっ、あっ、あっ、あっ!…………あ、あたしも……だから、もう……いいよ……ああああああ!」

そして音が止んだ。

数秒して

「ああ、出てる……すごい……なんか……頭……溶けそう……」

と嫁の蕩けきった声。

「わかる?」

「なんとなく、だけど」

しばらく嫁の、はぁはぁと息切れする声。

「……こんなの、初めてかも」

「え?」

「女で……良かったって、思った」

「京子…」

「守…」

ちゅっちゅと唇が何度も重なっているような音。

二人は、名前を呼び合いながら、何度もキスをしていたんだと思う。

「守……ごめんね?」

「いや、俺も、だし」

「うん……もうちょっと、このままでいい?」

「うん」

「なんか……熱い、気がする」

「ここ?」

「うん」

「大丈夫かな?」

「……君には、迷惑かけないようするから」

「ごめん」

「謝らないでよ」

またティッシュを取る音が聞こえた。

それと同時に、嫁の

「あ、いい。あたしが、する」という声。

その後、ぺちゃ、ぺちゃ、と緩やかな水音と

高木の「あ……京子、すげ」と消え入りそうな声が聞こえてきた。

その後しばらく静寂が続いて、再び高木の声が聞こえてきた。

「いつまで一緒にいれる?」

「一応泊りみたいだけど……」

「じゃあまだ、良い?」

「ん、でも、匂いとか、あるし」

「あー。じゃあさ、俺ん家どう?夜まで」

「えー。でも……」

「せめて晩飯だけでも作ってよ。京子の料理最後に喰いたいし」

「んー、じゃあご飯だけね?」

その後、服を着る音と同時に、ぽつりぽつりと嫁が話し出した。

「本当はさー、前から気になってたんだよねー」

「え?」

「君のこと」

「そうなんだ」

「うん。めちゃくちゃタイプでさ、最初会った時、困った」

「あー」

「だから、あんまり連れてきて欲しくなかったんだー」

ははは……、と高木の苦笑いのような声。

「でも俺も、京子すげえ良いなって思ってた。羨ましーって感じで」

「えー、絶対嘘」

「マジマジ」

「窓も開けときたいな。でもこっちだけにしとこ」と嫁の独り言と同時に、寝室のドアが開いた。

そして二人が出て行く音を確認。

その後しばらく書斎でうずくまっていたが、なんとか腰をあげて寝室へ。

寝室のドアは開きっぱなしで、換気されていたけど、一歩入ると、男と女の匂いで充満していた。

ベッド脇のサイドテーブルには、嫁の結婚指輪が置かれていた。

その後、しばらく家で泣いていた。

日が落ちたころ、家を出て高木の家に向かった。

別に目的なんかなかった。

高木のアパートの部屋には、電気が灯っていて、ずっと周りをうろうろしていた。

一度部屋の扉の前までいって、郵便受けを開けて耳を近づけたら、うっすらと喘ぎ声が聞こえてきた。

高木に現状を問うメールをしたら、「今俺の家でしてます」と正直に答えてくれた。

「もう返してほしい」とメール。

「わかりました。手はず通り、お互いの連絡先消すよう言っておきます」と返事。

高木のアパート近くの空き地で待機。

数十分後、部屋から出てくる嫁。

玄関先で、ドアで半分以上隠れていたけど、高木の首に腕を回し、背伸びをしてキスをしている嫁。

それから嫁は高木のもとを離れ、何度も振り返り、高木に小さく手を振りながら帰っていった。

帰っていく嫁の車を見送って、しばらくしたら、俺は高木の部屋へ向かった。

高木はびっくりしていたが、快く部屋に入れてくれた。

当たり前だけど、嫁の匂いがした。

キッチンなんかも綺麗に片付いていて、匂い以外にも、嫁の跡があった。

高木の首元には、キスマークがついていて、それをちらちらと見てしまった。

高木は高木で、目が泳ぎまくっていて、引きつった笑顔を浮かべ、わかりやすいほどに挙動不審になっていた。

ただ俺に対する視線や口調は、少し上から目線というか、穿った見方をすれば、馬鹿にするようなものだった。

実際馬鹿なのだから、仕方ないといえばそうだが。

「この辺にいたんですか?」

「いや、さっき帰った来たところ」

県外の温泉に日帰りで行ってきたと嘘をついた。

「どうだった?」

「最後ですからね。燃えましたね。ああ、ゴムもちゃんとしましたよ」

と聞いてもないのにゴムのことを言う高木。

「連絡先は?」

「ちゃんとどっちも消しました」

「疑ってるわけじゃないけどさ、確認してもいいか?」

「ああはい。もちろんです」

高木の携帯には、メールも含めて嫁関連のものは何もなかった。

その日のことについて、高木から詳細は聞かなかった。

というより聞けなかった。

責める気にもなれなかった。

高木に対しては、劣等感というか、敗北感だけしかなかった。

それで高木宅を出て家に向かった。

泊りで出張ということになってるので、帰れなかったが、外から家を眺めていた。

そんな時、嫁からメール。

「今日もお疲れ様。気をつけて帰ってきてね」

その後は、とても寝れそうにないと思って、ネカフェにいって、これを書いてた。

かなり興奮しながら書いたので、誤字脱字は勘弁してほしい。

途中何度か店を出て、家を見に行ったりもした。

出かけたり、誰かが来た様子は一晩中無かったと思う。

翌朝。というか今日の朝。予定を早め、駅に迎えにきてほしいと嫁にメール。

すぐに車で来る嫁。

いつもと変わらない嫁だった。

当然結婚指輪もしてる。

殆ど徹夜だったので、頭が重く、鈍い感情しか浮かばなかった。

「早く終わったんだね」そう屈託の無い、嬉しそうな笑顔。

「帰ってこない方がよかった?」と本気で聞いてしまった。

嫁は冗談だと思ったんだろう。

俺の肩を叩いて、「何言ってんだか」と乾いた声で笑い飛ばされた。

家に帰ると、嫁はやたらとくっついてきたりした。

一人ソファに座ってると、いきなり後ろから抱き付いてきたり、隣に座って腕を組んできたり、猫撫で声で甘えてきたり。

更には飲み物ほしくて席を立つと、袖をつかんで一緒に歩いてきたり。

最終的には、昼間からHも要求してきた。

そして抱いた。

その最中の喘ぎ声は、高木に聞かしていたような、甘く切羽詰ったようなものではなかった。

今までは気にならなかったけど、俺へのそれは、高木へのと比べると、無味無臭というか、明らかにどこか事務的な声だった。

卑屈になってた俺は、ゴムをつけようかと自分から提案してしまったのだが、嫁は生で、中に出して欲しいと言ってきた。

俺は要求に応じた。

もちろん、その意味もわかっている。

俺が嫁の中で果ててる間、嫁はずっと俺の目を覗き込んでいた。

それはとても優しい目だったが、、どこか憐憫というか、可哀想なものを見るような、そういう目だった。

そして嫁は、ふっと表情を和らげ、「すごい、良かったよ」と微笑みながらそう言った。

その後、隠れて嫁の携帯をチェックしたが、やはり高木の連絡先などは全て消えていた。

ただ、偽高木メールを確認すると、昨日の晩に一通だけ来ていた。

連絡先を消す前の最後のメールだったんだろう。

「今までありがとう。色々とごめん。向こうでも頑張ってね。これを最後に約束どおり全部消すね。君には色々と伝えたい気持ちがあるけどそれは心にしまっておきます。さよなら」

これで終わり。

今は興奮状態が続いているけど、なんとか嫁の前では平静を取り繕えてる感じ。

これからどうするのか、全然考えが纏まらない。頭真っ白。

ただ一つはっきりしているのは、頭がおかしいと思われるだろうが、以前より確実に嫁を好きになっている。

ずっと嫁のことを考えて、好きで好きで仕方なくなっている。

誰を責める気にもなれない。当然自業自得だし、こうなる可能性も、もちろん考えてはいた。

ただ嫁から離婚はないって保険があっただけ。

当然俺からもない。

覚悟はしていたつもり。

少し落ち着いてきた今、吐き気と眩暈がすごい。

意味もなく、落ち着き無くぐるぐると歩き回ってしまう。

でも最初に書いたとおり、こうなることを望んでいた気もする。

その辺は自分でもよくわからない。

一人になると、すぐに泣いてしまいそうになる。