理恵の浮気に興奮

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僕は妻の理恵と幸せな新婚生活を送っていました。

結婚してから理恵を想う気持ちは冷めるどころか、日毎に深くなっているのを感じていましたし、ほぼ毎晩、お互いの心と体で愛を確かめ合い、二人の気持ちが一つであることを実感していました。

その日も、十分に愛を確かめ合った後、ベッドで余韻を楽しんでいました。

いろんな会話をしているうちに、話題は同僚の浮気のことに移っていました。

「もし私が浮気してたら、どうする?」

人差し指で僕の乳首を弄りながら、理恵は冗談っぽく訊いて来ます。

「そんなことがあったら、怒り狂うだろうな」

僕は天井に目を向けたまま、笑顔でそう答えました。

理恵が他の男と浮気をするなんて、今まで考えたこともありません。

しかし、あまりにも現実とかけ離れているそんなシーンを想像してみると、激しい嫉妬を感じるその先に、別な感覚があることに気付きました。

一見嫉妬とは正反対であるように思え、実は嫉妬の延長線上にある。

その奇妙な感覚・・・僕はその感覚が頭の中ではっきりとしてくるにつれ、今まで理恵に感じていたのとは違う興奮を覚えました。

「でも・・・理恵がもし浮気していたら、俺興奮しちゃうかも」

今の気持ちを正直に口にします。

「あはは。何それ?私に浮気して欲しいってこと?」

理恵が悪戯っぽく笑います。

「まさか。愛してるよ、理恵」

僕はその奇妙な感覚を頭の中から消し去ろうとしながら、理恵と濃厚なキスをしました。

しかし、奇妙な感覚は消えるどころか、ますます僕の頭の中で大きくなっていました。

理恵の浮気を想像しただけでこんな気持ちになるなんて、どうかしている・・・

そう思う気持ちと、理恵の浮気を目の当たりにした時のことを想像して興奮する気持ちとが頭の中で激しく入り乱れていました。

ある日、理恵とテレビを見ていると、浮気を題材にしたドラマが始まりました。

理恵は何も考えずにドラマを見ている様子でしたが、僕は登場人物を自分と理恵に置き換え、とても興奮して見ていました。

そして、たまらなくなった僕はつい口にしてしまいました。

「理恵が・・・こんな風に浮気してくれたら俺・・・興奮するかも」

「え?」

理恵が驚いたような表情で、僕を見ました。

「どういうこと?」

「い、いや・・・あの」

「この前もそんなこと言ってたよね?」

理恵が険しい表情で僕に詰め寄ります。

「私のことどう思ってるわけ!?」

「あ、愛してるよ!愛してるからこそ」

「からこそ、何よ?」

理恵は仁王立ちしています。

しかし、表情は既に崩れ今にも泣き出しそうです。

「信じて・・・たのに」

「いや・・・だから」

僕はしどろもどろになっていました。

「雄治さんなんて・・・もう、知らないっ!」

「あ!待てよ!」

理恵は僕の制止も聞かず、泣きながら家を飛び出して行きました。

マンションの外に出ても、既に理恵の姿はどこにも見えません。

(とんでもないこと言っちゃったな・・)

僕は不用心に発した一言を後悔していました。

もちろん今までに些細なことで喧嘩になったことは何度もありましたが、理恵が家を飛び出していったのは今回が初めてです。

(もう変な想像するのは止めよう。理恵が帰って来たら謝ろう)

僕は自分にそう言い聞かせました。

愛する理恵を傷つけてまでも、変な妄想を膨らませることは出来ません。

僕には理恵が居てくれることだけで、幸せなのだから・・・

しかし、すぐ帰って来ると思っていた理恵は、いつまで経っても戻って来ません。

もう夜の0時を過ぎていました。

さすがに心配になった僕は、理恵の友達に片っ端から電話をかけました。

「理恵ですか?来てませんけど・・・どうしたんですか?」

「ちょっと喧嘩しちゃってさ」

何人にかけても、同じやり取りの繰り返しです。

僕はますます焦りました。

(理恵・・・お願いだから戻って来いよ・・)

そう祈るしかありませんでした。

空がうっすらと白みを帯びてきた頃、玄関のドアが開く音がしました。

テーブルに顔を伏せていつの間にか眠っていた僕は、その音にはっと気付くと急いで玄関に向かいました。

そこには、理恵が立っていました。

「理恵」

僕は涙が出そうになるのを必死で堪えながら、理恵を叱りました。

「こんな時間まで・・・どれだけ心配したと思ってるんだよ!」

「雄治さんのお望みどおりにしてきたんだから、怒んなくていいでしょ?」

「!?」

僕は言葉を失いました。僕の望みどおりとは・・・つまり・・・!

「理恵」

「あー疲れちゃった。私もう寝るから」

理恵は僕の脇をすり抜け、ベッドルームへと消えました。

理恵が・・・僕の理恵が・・・そんな・・・そんなこと・・・!

僕は混乱していました。自分が妄想し、興奮していたことを、あの理恵が本当にやったというのか!?

(言わなきゃよかった・・・あんなこと・・)

僕は理恵が浮気をするという妄想をしていたことを、心から後悔していました。

それが現実のものとなってしまったことで、今までの幸せな新婚生活が音を立てて崩れていくような気がしました。

僕の不用心な一言で、全てが想像もしない方向に動き始めたのです。

僕はもう一睡も出来ませんでした。

正午少し前にやっと理恵が起きてくると、僕は再度問いただしました。

「俺の望みどおりって・・・何して来たんだ?」

理恵は全く躊躇せずに言いました。

「だから、雄治さんの望みどおりよ。浮気してきたの」

今までの、僕に甘えているような感じの理恵ではありませんでした。

理恵本人から浮気という言葉を聞いた僕は、ますます動揺していました。

そんな僕の気持ちを察したかのように、理恵は話を続けました。

「あなたと結婚する前に告白してくれた後輩がいてね、その子と会ってたの」

「いったい・・・何をしていたんだ?」

僕は尚も動揺していました。

愛する理恵が・・・理恵に告白した後輩と会っていたなんて・・・

激しい嫉妬に襲われていました。

「何をしていたって・・・決まってるでしょ?」

理恵は愉快そうに笑っています。

僕は目の前が真っ暗になりました。

昨日まで幸せな新婚生活を共に送っていた理恵の表情は、欠片も見えません。

改めて、自分の禁断の妄想を後悔していました。

しかしそれと同時に、嫉妬の延長線上にあるあの感覚も再び沸き上がって来ているのでした。

「決まってる・・・って」

僕は言い返すことが出来ませんでした。

「私の口から聞きたいの?」

理恵はますます愉快そうでした。

僕を嫉妬させて楽しんでいる様子でした。

「そ・・・んな」

「聞きたいのかって聞いてるの。どうなの?」

妻に浮気をされたというのに、いつの間にか僕ではなく妻が主導権を握っているのでした。

そんな自分の情けなさと、妻の開き直りぶりにますます興奮していました。

自分自身との葛藤の末、僕は口を開きました。

「き・・・・聞きたい・・・よ」

それは実の夫としてはあまりにも情けない一言です。

しかし、その一言を発した僕は興奮を隠せずにいました。

「ふーん、聞きたいんだ」

妻は僕の気持ちをすっかり察したかのように言いました。

「セックスしてきたの。セックス」

その一言は、僕を打ちのめすに十分なものでした。

理恵の口からセックス・・・しかも、僕以外の男と!

でも僕は、それを叱ることすら出来ないのです。

何故なら、僕が望んだことなのだから・・・

妻を叱るどころか、僕は夫としてあってはならない事を聞きました。

「どんなセックスしたのか・・・教えて」

「はあ?」

理恵は呆れた顔をしていました。

「あなたって人は・・・自分の奥さんが、他の人としたセックスのこと聞きたいの?」

「う、うん・」

僕はもう興奮を隠せずにいました。

決して、理恵を愛していない訳ではないのです。

むしろ、愛して、愛しすぎているからこそ、理恵の他人とのセックスに恐ろしいほど興奮してしまうのです。

そのことは、最初に妄想した時から気付いていました。

「理恵のこと・・・愛してる。すごく・・・だからこそ聞きたいんだ。理恵の・・・他の男との、セックスのことを・・・!」

今の気持ちを口にしました。

理恵の表情が少しだけ穏やかなものになった気がしました。

理恵も、僕の複雑な気持ちを分かってくれているようです。

「私も、愛してる。雄治さんのこと」

そう言った後、理恵はまた僕に見せたことがないような嗜虐的な表情に戻りました。

「彼・・・孝史君って言うんだけど、すごく上手だった」

それを聞いただけで、僕は自分のペニスがむくむくと勃起していくのを感じていました。

本当に・・・したんだ・・・理恵が他の男と・・・!

少なくとも結婚してからは僕だけしか知ることの出来ない筈の妻の身体。

そんな妻の身体が、僕の知らない男のものになった事実・・・

それに興奮する僕・・・

そんな禁断の勃起は、最近に無いほど激しいものでした。

「興奮してるんでしょ?」

理恵には、僕の気持ちが全てお見通しのようです。

「興奮・・・してるよ」

僕はもう理恵の為すがままです。

今まで僕が完全に理恵のことをリードしてきたのに、今では理恵のほうが主導権を握っています。

理恵は楽しそうに今朝の出来事を僕に話して聞かせます。

「孝史君ね、雄治さんのよりすごく大きかった。スゴいアレで、私を愛してくれたの」

僕のより立派なペニスが・・・理恵を、愛した・・・

一言一言が、僕にはものすごく刺激的です。

「しかも孝史君、私のこと2回も愛してくれたの。いつも1回で終わっちゃう雄治さんとは大違い」

「そ・・・・んな・・・!」

僕よりも立派なペニスで、僕よりも精力的に理恵を愛したというのです。

目の前に座っている妻、理恵。

心も体も僕のものである筈なのに、今ではもう僕だけのものではありません。

天使のような笑顔、豊かなバスト、くびれた大きなヒップ、透きとおるほどに白い肌・・・このTシャツとショートパンツに包まれている理恵の全てが、僕の全然知らない男のものになってしまったのです。

そして、そんな現実を突きつけられて、僕は怒り狂うどころか頭が痺れるような興奮を覚えているのです。

「浮気は旦那の希望だよって教えてあげると驚いてた。

そういうことならいつでも僕のところにおいでって言ってくれたの」

妻が嬉しそうにそう話すのを聞いて、僕はますます嫉妬で興奮していました。

僕はたまらなくなり、真っ昼間であるにもかかわらず、妻の後ろから手を伸ばし、Tシャツ越しに乳房を愛撫し始めました。

「あ・・・・何?」

「俺、我慢出来なくなっちゃったよ・・・いいだろ?」

「ふふふ・・・・だーめ」

理恵は僕の手を退けました。

「そんな・・・どうしてだよ」

「だって朝までしてて疲れちゃったし、それに」

「それに?」

僕は生唾を飲み込みました。

「実は今夜も、会う約束しちゃったんだあ」

理恵が嬉しそうな表情をします。

「え!そんな・」

僕は言葉が続きません。

セックスを拒否されたのも初めてですが、それよりも今夜また理恵がそいつと会うということを聞かされたことのほうがよほどショックでした。

「あなたのお望みどおりにしてあげてるんだから、もっと喜んだら?」

胸に沸き上がる複雑な感情でいてもたってもいられないような気分でした。

理恵はあくまでも嬉しそうな顔をしています。

それは僕が理恵と付き合い始めたばかりの頃、理恵が僕に会える嬉しさからよくしていた表情です。

そんな表情を、僕の知らない男に対してするなんて・・・

でも僕には、そんな理恵の全ての行動について、止める資格は全然無いのでした。

時間は瞬く間に過ぎ、夕方になりました。

理恵は白いノースリーブのシャツと、膝上までのオリーブ色のスカートに

着替えて、部屋から出て来ました。

僕と週末デートするときに、いつも着ていた服です。

結婚後、落ち着いた色合いの服装をするようになった理恵ですが、その白い肌とセクシーなボディラインはますます色っぽさに磨きをかけ、男性の目を引きつけるのには十分過ぎるものです。

そんな身体を、理恵は僕に見せつけています。

「どう?」

夫である僕以外の男に会う為に着た服の感想を、夫である僕に求めてきたのです。

「あ・・・・ああ・・・綺麗だよ」

そう言うしか無かった自分に興奮する僕。

「ふふ・・・・ありがとう」

ノースリーブのシャツに包まれた豊かな乳房が、理恵の歩調に合わせて上下に揺れます。

この身体が他の男のものになった事実。そして、これからまた他の男のものになる事実。

昨日までの夫婦関係からは考えられない事でした。

「じゃあ、行ってくるから」

そう言うと、理恵はハンドバッグを掴み、玄関へと歩き始めました。

そんな理恵の後ろ姿を見送る夫・・・堪らない気持ちがこみ上げて来ます。

「待って!」

僕は思わず、理恵の後ろ姿に声をかけました。

「え?」

理恵が振り向きます。

「あの・・・・もう、こんな事止めよう・・・謝るから。俺が悪かったから・・・俺、俺・・・理恵の後ろ姿見送るなんて・・・辛くて、出来ないよ」

僕は顔を顰めながら言いました。

しかし、理恵は僕が苦しそうな表情をすればするほど嬉しそうでした。

「ふーん、でも約束しちゃったから仕方ないでしょ?諦めてね。もともとあなたが悪いんだから」

「ああ・」

「あ、約束の時間に遅れちゃう。じゃあいってきまーす」

理恵は僕が次の言葉をかける前に、玄関から出て行きました。

そこには、閉じられた後のドアを呆然と見つめる僕が立っているだけでした。

時刻は夜9時。

理恵が出ていってからの数時間は、僕にとってとてつもなく長い時間に感じました。

室内が異様に静かに感じます。

時計の秒針の音だけが聞こえます。

僕は椅子に腰掛け、テーブルの上で両手を組み、色んな想像を巡らせていました。

今ごろ理恵は・・・と想像するだけでいてもたってもいられない気分になります。

まだどこかで食事でもしているのだろうか。

それとも、そろそろ男の部屋に入ったのだろうか。

それとも、既に男と・・・

苦しい嫉妬の時間は続きます。

しかし、同時に激しく興奮もしているのでした。

あのノースリーブのシャツとスカート、そして下着が僕以外の男によって脱がされるのです。

僕は、そんな妻を制止することも出来ずに送り出してしまったのです。

もう、男の前で一糸纏わぬ姿になってしまっているのだろうか。

もしかしたら明るい室内で、隅々まで鑑賞されているかもしれない。

もしかしたら僕より立派な男自身を、理恵のあの可愛い唇で慰めているかもしれない。

もしかしたら既に男自身を、理恵の淫らな女自身と交錯させているかもしれない。

もしかしたら・・・

目の前に携帯電話があります。

迷った挙げ句、それを手に取りました。

理恵の番号を表示し、発信ボタンを押します。

理恵に電話をかけることでこんなに緊張するのは久しぶりです。

呼び出し音が鳴ります。1回、2回・・・

心臓が激しく打っているのが自分でも分かります。

実の夫なのに、どうして妻に電話をかけることでこんなにドキドキする必要があるのでしょうか。

頭では分かっていても、体は緊張したままの僕。

ベルが4回鳴ったところで、ブツッという音がしました。

ツー、ツー、ツー・・・電話が切れました。

留守電に繋がるのでも、電波が届かない所にいるのでもありませんでした。

彼女自身が、僕からのコールを切断したのです。

何故なんだ・・・

男と既にいい状態になっているからなのか・・・

もう肉体的に結びついている最中だからなのか・・・

電話をかけたことは、苦しい想像にますます拍車をかけるだけの結果に終わってしまいました。

眠るどころか目はますます冴えて来ています。

時刻はもう深夜2時。

僕はテーブルの上で両手を組んだ姿勢のままでした。

この時間にもなれば、もう一戦くらいは交えた後であっても不思議ではありません。

激しい嫉妬と、興奮。

ズボンに包まれた僕のペニスは、苦しそうに勃起しています。

いつもは僕の勃起を優しく、そして淫らに鎮めてくれる理恵。

しかし、そんな理恵は今日はいません。

僕以外の男の勃起を鎮めているのです。

どんな想像よりも強烈な、現実として・・・

もう僕は我慢出来なくなり、遂にズボンとパンツを降ろしました。

脈打つペニスを右手で握りしめます。

今の理恵を想像して自分自身を慰めることは、理恵の浮気を完全に認めてしまうような気がして、出来なかったのです。

しかし、僕は禁断の性欲に負けてしまいました。

右手を、ゆっくりと前後に動かします。

ほとんど毎晩、理恵と身体を重ねていただけに、自ら慰めるのは本当に久しぶりです。

夫が自ら慰めているというのに、妻は別の男のペニスを楽しんでいるのだろうか。

そう考えると一層激しく興奮し、右手の動きも早くなります。

現在の理恵を想像しながらの自慰は、信じられないくらいの快感を僕に与えてくれます。

苦しいのに、ドキドキする。

そんな複雑な気持ちが、僕にこれほどまでの快感を与えてくれているのでしょう。

理恵はもう二回目を楽しんでいるのだろうか・・・

いや、既に三回目かも知れない・・・

僕のペニスでは味わえなかった快感を貪っているのだろう・・・

僕の知らない男の前で・・・大股を開きながら・・・!

理恵・・・!

・・・!

快感で朦朧としていた意識が、次第にはっきりとしてきます。

フローリングの床に、僕がたった今射出したばかりの精液が大量に付着しています。

精液は床に縦長く付着していて、射精時の勢いがいかに凄かったかがよく分かります。

僕は実の妻が、僕の知らない男のペニスを大股を広げて受け入れ、腰を動かしているというほぼ現実に近いと思われる想像をしながら、自慰で果ててしまったのです。

夫としてのある一線を越えてしまったような気がしました。

虚しい余韻に浸りながら、自分自身がどんな世界に踏み出してしまったのか、冷静に考えます。

「理恵」

理恵のことを考えると、再びペニスは正直に勃起を始めようとしていました。

そんなペニスを、僕は正直に握りしめました。

もう、後戻りは出来ないと実感しました。

理恵が帰って来たのは、正午過ぎてからでした。

「おかえり」

僕は玄関まで迎えに出ました。

ズボンの前ははち切れそうなほど膨張しています。

理恵はそんな僕の股間を見ると、クスクスと笑いました。

僕達は、黙ったまま椅子に座ります。

まだ理恵は、帰って来てから一言も喋っていません。

理恵の服装は、もちろん昨夜出ていった時と同じものです。

しかし彼女が身に付けている全ての衣類が、外出先で一度は脱がされた筈です。

今まで、どこでどうやって過ごしていたのだろうか。

一睡もせずにその想像だけをしていたにもかかわらず、本人を目の前にすると再び興奮が呼び覚まされます。

理恵はまだ黙ったまま、妖しく微笑んでいます。

沈黙に耐えられなくなった僕が、ついに口を開きました。

「あの・」

すると理恵は、僕が何を聞きたいのか全て分かっているという表情で、ハンドバッグから封筒を取り出し、テーブルの上に置きました。

僕は訳が分からないまま、封筒に手を伸ばします。

中には十枚ほど、写真が入っていました。

僕は思わず「あっ!」と叫んでしまいました。

その写真には、理恵と浮気相手との一部始終が写っていたのです。

「孝史君がデジカメで撮ったの」

理恵が帰って来てから初めて、口を開きました。

「あなたに見せてあげてって」

写真用の光沢紙にカラープリンタで印刷されたものでした。

本物の写真と全く区別がつかないくらい鮮明に印刷されています。

理恵と浮気相手が唇を重ねている写真・・・

前から撮られた理恵の全身ヌード写真・・・

後ろから撮られた理恵の全身ヌード写真・・・

僕よりはるかに大きい浮気相手のペニスに、理恵がキスしている写真・・・

理恵がその亀頭を口に含んでいる写真・・・

理恵がその根元までを口に含んでいる写真・・・

理恵の性器が大きく写し出されている写真・・・

正常位でのハメ撮り写真・・・

後背位でのハメ撮り写真・・・

騎乗位でのハメ撮り写真・・・

僕は、脳が痺れるような感覚を味わっていました。

たった2回の浮気で、もう浮気相手にこんな写真を撮らせるまでの関係に発展しているのです。

どれだけ濃密な時間を過ごしていたかが分かります。

そして、理恵がかなり乗り気であることも十分伝わって来ます。

そんな現実を画像として突きつけられたからには、もう理恵の口からの説明は一切必要ありませんでした。

理恵は、写真を見て狼狽している僕の表情を見ながら、相変わらず妖しく微笑んでいます。

どの写真も、アダルト雑誌やインターネットではよく見かける構図のものばかりで、何も特別なことをしている訳ではありません。

しかし、この写真に写っている女性は、紛れもなく僕の妻である理恵なのです。

理恵が、昨夜家を出てから、帰って来るまでの間に実際に浮気相手としてきたことなのです。

僕が家で一人、自慰をしていた頃、妻である理恵は浮気相手のペニスを口に頬張り、様々な体位でセックスをしていたのです。

僕のズボンの前は、破れるのではないかというくらいに激しく勃起しています。

「怒ってるの?」

理恵が口を開きます。

「そんな訳ないよね。興奮しちゃってるんだもんね?」

やはり全てお見通しです。

僕は、もう自分の気持ちに正直に言いました。

「興奮・・・・してるよ」

そう言って立ち上がり、ズボンのチャックを下げて、カチカチに硬直しているペニスを妻の前に露呈しました。

「あはは。何やってんの?」

理恵は冷たく笑います。

「孝史君のと比べると、ちっちゃいよね~」

勃起したペニスがびくんと大きく上下に動きました。

浮気相手のペニスと比べられて、敗北したことに興奮したからです。

「ほらほら、これもっとよく見てよ」

理恵はまるで小悪魔のような妖しい笑みを浮かべながら、浮気相手のペニスにキスしている写真を僕の目の前に翳します。

「あああ・」

愛おしそうに大きなペニスにキスしている理恵が写っています。

「すっごく硬かったんだから」

浮気をする前までの理恵とは違っていました。

僕が屈辱を感じるのを見て、喜んでいるようです。

しかし、そんな理恵に僕は今まで以上に興奮していたのです。

「夜2回して、起きてからまた2回したの」

僕が自分で慰めている間に、4回も・・・!

性交回数が理恵からどんどん引き離されている情けないペニスを露呈していることが、ますます恥ずかしくなります。

「興奮するよ」

僕のペニスからは我慢汁が溢れ出していました。

「あなたってそんなにMだったっけ?」

理恵が笑いながら言います。

言われてみれば、確かに理恵が浮気を始めてから、僕はその屈辱に興奮するマゾになってしまったようです。

そしてそれに比例して、理恵はみるみるうちにサドになっていくような気がします。

僕達の心の奥で眠っていたものが、浮気がきっかけでそれぞれ呼び覚まされたのでしょう。

「あのね、孝史君と決めたんだけど」

「な・・・・何?」

ごくりと唾を飲み込みます。

「雄治さん、これからは私がいいよって言った時しか精子出しちゃダメっ!」

「そんな・・・・!」

「あはは。何て顔してんの?Mだから嬉しいんでしょ?」

僕の知らない所で、僕の体のことを実の妻と浮気相手に勝手に決められてしまったのです。

何という情けない夫でしょうか・・・

しかし、理恵の言ったとおり、

そんな情けない自分に興奮してしまっていたのです。

「嬉しいよ・・・理恵・・・妻と知らない男にオナニーを管理されて・・・・興奮してしまっているんだ」

「やっぱりねー」

思ったとおりというように、理恵はクスクスと笑います。

「じゃあ、決まりね」

「う、うん」

これで僕は、実の妻が浮気相手とセックスしている時も、自分で慰めることすら出来なくなってしまいました。

「さっそく明日、孝史君に報告しなくちゃ」

「あ、明日も会うのか!?」

「うん。何か言いたいことでもあるの?」

理恵が冷たくそう言います。

「な・・・・ないよ」

僕はそう答えるしかありません。

「でしょうねぇ。私が浮気すると興奮しちゃうんだもんねぇ?」

僕達の夫婦関係はますます予想もしていなかった方向に動き出していました。

その日以降、理恵は2~3日に1回は浮気相手の所に出かけていました。

時間帯も様々で、僕が仕事に行っている間に会っていることもあれば、夜出かけていって朝帰りすることもしばしばです。

僕が深夜に仕事で疲れ果てて帰って来た時も、

夕食の作り置きなど無く、理恵は出かけていました。

きっと浮気相手と美味しいものでも食べているんだろう・・・

そんなことを想像して、実の妻に忘れ去られたかのような自分の存在にいたたまれない気持ちになりながら、暗い部屋で一人、カップラーメンを食べました。

デジカメで撮影した写真も、理恵は毎回僕に見せつけました。

もう僕の手元には、理恵と浮気相手の愛し合う写真が50枚近くにまで増えていました。

それら一枚一枚に激しく興奮する夫・・・

しかし、射精すら許してもらえずに悶々と過ごす夫・・・

ある日、我慢出来なくなった僕は、眠りについたばかりの理恵のベッドに潜り込み、後ろから抱きつきました。

普通に夫婦生活を送っていた頃に、よくそうしていたように・・・

そしてその頃は、理恵もすぐに僕に抱きつき、幸せなセックスへとなだれ込んでいたのです。

しかし、今は違います。

「何してんの?」

不機嫌そうに理恵は言います。

「俺もう我慢出来ないよ・・・今日だけ、俺の相手してもらえないかな・」

実の妻に情けないお願いしか出来ない僕。

しかし、そんな僕のお願いにも理恵はそっぽを向きます。

「何であなたの相手しなきゃいけないの?」

実の妻からそんな言葉を聞くとは思ってもいませんでした。

「お、お願いだよ」

「私は眠いの。明日また孝史君と会うんだから。じゃあね、おやすみ」

そう言うと反対を向いて眠ってしまいました。

明日、理恵はまた浮気相手に体の全てを許すのに、夫である僕には何もしてくれないのです。

それどころか、射精さえも許してもらっていない僕は、その日も悶々とした気持ちを必死で抑えながら自分のベッドで朝まで耐えました

一ヶ月ほどが過ぎようとしていました。

今となっては、理恵が浮気をする前、僕と普通の夫婦生活を送っていたことが信じられません。

あれからセックスは一度たりともさせてもらっていません。

必死で頼み込んで、やっとでオナニーを二回許可してもらっただけです。

その二回のオナニーとも、服を着てソファに座っている妻の前で、全裸になった僕が自分のものを必死でしごいたのでした。

「つくづく、情けないおちんちんだよねえ~」

「もう私に触ってもらえなくても、そんなに興奮しちゃうんだぁ」

「あーあ床汚しちゃって。綺麗に拭いといてね」

僕の射精が終わると、理恵はあっさりとその場を離れます。

理恵にとっては、浮気相手のセックスと比べてみれば、気持ちよくも何ともないことなのです。

僕にとっては滅多に許されない、性欲を解消出来る機会なのに・・・

そして自分で、床を綺麗に拭くのです。

あの日、理恵と最後にセックスをしてから、僕は理恵の生身の裸すら見せてもらっていませんでした。

以前はよく一緒に風呂にはいったものです。

今では、理恵は入浴する時にバスルームの鍵を閉めています。

夫である僕に見られないようにそうしているのです。

そんな妻、理恵も、浮気相手の前では大胆なポーズを取っていました。

写真はもう200枚近くにまで増えています。

理恵が四つんばいになり、足を大きく開いているところをお尻のほうから撮影されたものもありました。

夫にはヘソすら見せてくれないのに、浮気相手には肛門まで見せているのです。

そして妻のそんな大胆過ぎる写真を見せつけられて興奮しても、僕には自分の意志で射精することさえ出来ないのです。

「孝史ったらね、すごく体逞しいんだけどね、子供っぽいところもあってカワイイの」

夕食時の話題も、最近では理恵の浮気相手のことばかりです。

いつしか、相手のことを呼び捨てにしていたことに僕はますます疎外感を覚えました。

「そうなんだ・」

「けっこうお金持ちだしね。いろいろ買ってもらっちゃったし」

理恵は実の夫に対して、すごく嬉しそうに話して聞かせます。

事実、最近では僕が見たことがない服装をしていることが多かったのです。

次第に、愛する妻が他人のものになっていっていることに胸が押し潰されそうになっていました。

理恵の携帯電話から着信メロディーが流れます。

「あ、孝史からだ~♪」

浮気相手からの着信の時だけ、特定の着信メロディーを設定しているのです。

食事中であるにもかかわらず、理恵はお喋りに夢中になります。

「え、出張なくなっちゃったの?じゃあ明日会えるね!嬉しい!」

もうすっかり交際している男女、といった感じの会話です。

電話している間は、僕のことなど眼中にありません。

「ダンナったらねー、昨日もオナニーさせてくださいって泣きついてきたんだよぉ。笑っちゃうよね」

たまに僕の話題が出たとしても、夫の情けないことばかりしか話しません。

「えっ・・・・うんうん・・・面白そう!」

理恵がひときわ目を輝かせています。

「分かった・・・うん。じゃあ明日ね」

電話を切った理恵が、にこにこしながら僕のほうを向きます。

「明日ね、孝史がここに来るって」

「えっ!?」

「嬉しい~。掃除しなくちゃ」

理恵は張り切っています。

「おいおい、さすがにそれは・・・浮気相手が僕の家にだなんて」

「なぁに?せっかく孝史があなたに会いたいって言っているのに」

「そんな」

家主の僕が認めてもいないのに、理恵の浮気相手がここに来ることに決まったのでした。

そして、次の日・・・・

ピンポーン。

チャイムが鳴るや、理恵はすぐさま玄関に迎えに行きました。

遂に、理恵の浮気相手が我が家にやって来たのです。

僕は、リビングでソファに座ったまま心臓をどきどきさせていました。

(しっかりしろ・・・ここは俺の家なんだ・・)

自分にそう言い聞かせ続けました。

理恵が、浮気相手の孝史と腕を組んでリビングに入って来ました。

「あ、どうも」

孝史は無表情のまま、僕に軽く会釈をしました。

「どうも・」

僕も会釈をしました。

孝史は長身で、肌も浅黒く、がっしりとした体型をしていました。

夫である僕の目の前で、理恵はそんな孝史と腕を組んだままです。

「紹介するね。彼氏の孝史だよ」

「孝史です。理恵がいつもお世話になっています」

孝史は勝ち誇ったようにそう言いました。

彼氏・・・理恵が・・・お世話に・・・

普通妻と浮気相手が、夫に対して使う言葉ではありません。

僕がどれだけ二人に見下されているかが痛いほど分かります。

それでも、何も言い返せない情けない僕でした。

「ねえ、何してんの?」

いきなり理恵が、僕にそう問いかけます。

「えっ・・・・?」

訳の分からない僕は、聞き返すしかありません。

「せっかく私の彼氏が来てくれたんだから、お茶くらい用意してよ」

理恵は当然だと言うように、僕に指示します。

「どうぞお気遣いなく」

そう言っている孝史も、ニヤニヤと笑っています。

夫であるという自信を無くしかけている僕には、既にそれを拒否することさえ出来ませんでした。

「すみません。すぐ準備します・」

僕が慌てて台所に向かう後ろ姿を見て、理恵と孝史は大笑いしていました。

屈辱に打ち拉がれながら、妻とその浮気相手の為にアイスコーヒーを作ります。

(なんで俺がこんなことを・・・)

妻の浮気相手を目の前にして、会うことを止めさせるどころか、お茶を出してもてなそうとしているのです。

最低の夫です・・・

アイスコーヒーをお盆に乗せ、リビングに戻ると、孝史はソファに深々と腰掛け、大きく足を組んでいました。

まるでこの家の主人であるかのように・・・

そしてその横に座っている理恵は、孝史に寄りかかっていました。

「どうぞ・」

そんな二人の前に、震える手でアイスコーヒーを置きます。

孝史も理恵も、僕に礼も言わずに楽しいお喋りに夢中になっていました。

僕はこの場から逃げ出したい気持ちでいっぱいになっていましたが、浮気相手に甘えている最愛の妻から目を離すことも出来ないのでした。

そのうち、二人はキスを始めました。

夫の僕が見ている目の前で・・・

最初は軽いキス。そしてだんだんと、舌を絡め合っていきます。

情けない僕には、二人を引き離すことも出来ません。

ただ突っ立って、口を半開きにしたまま、二人のキスを眺めていることしか出来ませんでした。

最愛の妻が、浮気相手と目の前で行っているキス・・・

唇と唇、舌と舌を重ね合い、啜り合い、舐め合っている姿・・・

夫の前だというのに躊躇の欠片も感じられない妻と浮気相手・・・

そのどれもが、気が遠くなるほど屈辱的なことです。

そして、そんな二人のことを見せつけられているのに、僕のペニスはむくむくとズボンの前を押し出して来たのです。

そんな僕の存在自体忘れてしまっているかのように、孝史は服の上から、理恵の胸をまさぐり始めました。

「あっ・・・・な、何を」

僕が躊躇しながらやっとで声を出しても、もう孝史は完全に無視したまま、理恵の豊かな胸を揉み続けます。

「あぁ・・・ん・」

理恵も孝史の手の動きに合わせて、喘ぎ声を漏らします。

僕の目の前で、何の遠慮も無くこんなことをするなんて・・・

信じられないことを二人は本当にやっているのです。

世の中で、これほど馬鹿にされている夫が他にいるでしょうか。

悔しくて涙が出そうでした。

屈辱は更に続きます。

「あ、孝史いまお腹鳴ったよ~」

孝史に寄りかかっていた理恵が言います。

「そーいや腹減ったな。なんかある?」

「うーん・・・・何が食べたぁい?」

僕も聞いたことが無いような甘えた声を出す理恵。

「隣町にうまいたこ焼き屋が出来たらしいよ。一緒に食わないか?」

「うんうん、食べる食べる~」

理恵が僕のほうを向きます。

「たこ焼き二人前ね。あなたも食べたかったら好きにして」

僕にお使いを命じたのです。

お使いを頼んだという言い方ではありませんでした。

明らかに、命じたのです。

「ちょ・・・・ちょっと待ってくれよ!」

さすがにこれは、夫としてのプライドが許しませんでした。

ソファに深々と腰掛けている孝史と、それに寄り添っている理恵が僕のほうを見ます。

「なあに?」

理恵が不機嫌そうに言います。

その瞬間、僕は急激に自信を失いました。

「いや、その・・・・ここは俺の家だし・・・理恵の旦那なんだし・・・・目の前で・・・あの、そんなことするなんて・・・・しかも俺がお使いだなんて」

自信を失った僕はしどろもどろでした。

「何言ってんの?興奮してるくせに」

僕の股間は相変わらず勃起したままでした。

それを見られてしまうと、もう何も言い返せません。

そんな僕に、孝史がにやにやと笑いながらとどめを刺します。

「雄治さん。俺の彼女のお願い聞いてやってもらえませんか?彼氏の俺からもお願いしますよ」

「そ・・・・んな・」

再び目の前でキスを始める二人に、僕はもう何も言い返せませんでした。

隣町まで車を走らせます。

(何で俺が、理恵の浮気相手の為に買い物しなきゃいけないんだ・・・)

そう思う悔しさで胸がいっぱいでした。

それと同時に、早くお使いを済ませて家に戻らなければという気持ちで焦っていました。

いま、家には理恵と孝史の二人きりなのです。

あの雰囲気だと、この後家の中で何をされるか分かりません。

せめて自宅だけは、僕と理恵だけのくつろげる場所にしたい・・・

他人と卑猥なことなんてさせたくない・・・そう強く思っていました。

たこ焼き屋に着きました。

人気のあるたこ焼き屋ということで、店の前には行列が出来ています。

僕はますます焦ります。

僕がこうして行列待ちをしている間にも、二人は・・・・僕の家で・・・

いてもたってもいられません。

こういう時に限って、待ち時間が異様に長く感じられるのです。

太陽がぎらぎらと照りつけます。

全身から汗が滲みます。

二人が家で甘い時間を過ごしているのに、何故夫である僕が・・・

待っている間じゅう、悔しさだけがこみ上げてきます。

やっと、順番が来ました。

たこ焼きを二パック包んでもらい、車を飛ばして家に戻りました。

しかし、家を出てから既に30分近く経過していました。

急いで玄関のドアを開け、リビングに戻ります。

「ただい・・・・!」

理恵と孝史は服を着ていましたが、まるでスポーツをした直後のように荒い息をしながら抱き合っていました。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・ほら、言ったとおりだったろ?」

「はぁ、はぁ・・・本当、30分ぴったりだったね!」

二人は荒い息をしながら笑っています。

床の上には、理恵のパンツが脱ぎ捨てられていました。

孝史に抱きついている理恵のミニスカートの下は、何も履いていないのです。

「何・・・やってたんだ」

僕は唖然としながら、二人に問いかけます。

二人はまだ肩で息をしています。

「別に~」

理恵はそう答えましたが、何事も無かった筈がないことは、二人の様子を見れば一目瞭然でした。

そうです。二人はセックスをしていたのです。

僕の家の、ソファの上で・・・

僕にわざと、遠い所まで買い物に行かせて・・・

「孝史ぃ、愛してる」

理恵が孝史の首に抱きつき、キスをします。

僕が30分かけて買って来たたこ焼きなど、二人は見向きもしません。

もともと、たこ焼きなどどうでもよかったのです。

僕がたこ焼きを買って戻ってくるまでの間にセックスを済ませようとして、スリルと快感を楽しんでいたのです。

僕は完全に弄ばれていたのです。

妻と、その浮気相手に・・・

ふとゴミ箱の中を見ると、白濁した汁がたっぷりと詰まったコンドームが捨てられていました。

もちろん、僕には覚えが無いものです。

僕が帰宅する直前に、理恵とのセックスを終えた孝史が投げ捨てたものでしょう。

その生々しい使用済みのコンドームは、ついさっきまで、ここで性行為が営まれていたことを物語っていました。

夫の僕にはオナニーさえ許していないのに、浮気相手の精子は、誰にも遠慮することなくたっぷりと放出されたのです。

僕がコンドームを見つけたことに気付いた二人は、ますます満足そうにディープキスを再開します。

そんな理恵と孝史の横で、僕はただ一人愕然としていました。

その日以降、理恵はますます浮気相手の孝史と頻繁に逢うようになっていました。

「カレのとこ行ってくるね」

夫の僕に対して平気でそのような言葉を残し、家を出ていく妻を、僕はいつも黙って見送ります。

先日、目の前で二人の親密ぶりを見せつけられた僕には、もう二人を止めることなど出来ません。

しかし悔しいという気持ち以上に、実の妻と浮気相手が自由に身体を求め合っているという現実に興奮していたのです。

そんな気持ちはなかなか表に出せないものでした。

世の中の常識から大きく逸脱している変態的で自虐的な気持ちを表面に出すことには、常識人として人生を過ごして来た僕には尚も抵抗があったのです。

そんな抵抗感も、連日のように逢っている二人の親密ぶりを見せつけられているうちに、次第に薄れて来ているのが分かりました。

(二人は堂々と浮気をしている。僕もマゾとしての気持ちを隠す必要は無いんだ・・)

そう思えるようになっていました。

そして、ある日・・・

理恵はいつものように、孝史とデートをする為に身支度を整えていました。

「あのさ・」

理恵に声をかけます。

「何?」

化粧台に向かったまま、理恵が返事をします。

「彼氏のとこ行くんだろ?送っていこうかと・・・・思って」

理恵が化粧の手を止め、僕のほうを見ます。

「ふーん」

理恵はにやりと笑っています。

「奥さんが浮気している人の家まで送りたいの?」

「う、うん・」

「じゃあ送らせてあげる。もう終わるからエンジンかけといて」

浮気相手の為に選んだ高い服を着て、浮気相手の為に美しく化粧を施した理恵が助手席に座っています。

いま僕は自分の意志で、そんな妻を浮気相手の家まで送っているところです。

助手席の理恵は携帯電話で浮気相手と話していました。

夫である僕が理恵を浮気相手のところまで送っているということと、それを僕のほうから言い出したということを楽しそうに話しています。

「こんなこと自分から言い出して興奮してるんだから。

かなりMはいってるでしょ?」

そんな会話を真横で聞かされながら、僕は運転を続けたのです。

孝史の住んでいるマンションが見えて来ました。

孝史がマンションの外まで迎えに出ています。

「ちょっと待ってて」

マンションの前に車を停めると、僕はすぐに外に出ました。

そして、孝史に深々と頭を下げた後、助手席のドアを開けました。

理恵は車から降りるや否や、孝史に抱きつきました。

「おまえのダンナ、急にマゾの自覚出てきたんじゃない?」

「でしょー?なんか情けなくて面白いのー」

二人のそんな会話を背中に聞きながら、僕は運転席に戻ります。

「明日の正午に迎えに来てね」

理恵が僕に言います。

「あ、はい・」

思わず敬語を使っていました。

「はいだってさ。マジでマゾ夫だな!」

僕が運転席に乗り込み、車を発進させるまでずっと、孝史は愉快そうに笑い続けていました。

その夜、僕はいつものように家で一人きりのまま、二人のことを想像しながら悶々と過ごしていました。

最後にオナニーの許可が降りたのは、もう三週間ほど前のことです。

僕が数週間に一度、自慰でしか性欲解消出来ないのに、理恵はその間に何十回、性交で性欲解消してきたんだろう・・・

以前は性欲解消の質と回数は全く同じであった僕と理恵が、今では大きく差を開けられている・・・そのことに激しく興奮します。

プルルル・・・プルルル・・・家の電話が鳴りました。

「はい」

「あっあぁぁあ~ん!あんっ!あんっ!あぁぁぁ」

突然、電話の向こうから激しい喘ぎ声が聞こえて来ました。

忘れるはずもない、数ヶ月ぶりに聞いた妻の喘ぎ声でした。

「・・・・!?・・・・り、理恵・・・?」

「孝史のおちんちん・・・・大きくて・・・・あんっ!・・・・き、気持ち・・・・いい・・・・っあぅ・・・・最高!はぁん・・・・っ!」

(あああ・・・!理恵・・・!)

今この瞬間、妻の秘めたる箇所に浮気相手の怒張した一物が遠慮もなく挿入されているのです。

そして、その快感に淫らな喘ぎ声をあげる妻・・・

「り、理恵・・・そんなセクシーな声聞かされたら・・・俺」

三週間射精をしていない僕のペニスは、はち切れそうなほど膨張していました。

「あはぁん・・・・あんっ!あんっ!はぁはぁはぁ、はぅぅぅ・・・・!」

僕とのセックスの時よりも、一段と凄い喘ぎ声をあげています。

「我慢出来ないよ・・・理恵・・・出しても・・・・いい?」

セックスの快感に酔いしれている最中の妻に、自慰のお許しを請う情けない自分にますます興奮していました。

「あぁぁあぁ・・・・あふぅ・・・・っく!んあぁっ・・・・・・んふっ!あぁ、ああん!ああん!ああん!」

更に凄い喘ぎ声が聞こえて来たかと思うと、電話はそこで切れてしまいました。

理恵はあんなに気持ちよさそうだったのに、結局射精の許可がもらえなかった僕・・・

三週間射精をしていないペニスを膨張させたまま、僕は頭の中で理恵の喘ぎ声を何度も繰り返しながら想像に想像を重ね、その日も眠れない夜を過ごしたのでした。

興奮で一睡も出来ないまま、朝を迎えてしまいました。

もちろんオナニーはしていません。

昨夜からペニスは休むことなく勃起したままです。

孝史は理恵と、ペニスが起たなくなるまで何度も充実したセックスをしていたに違いありません。

そんな孝史の立場が、僕には神々しく見えてしまいます。

正午近くになったので、昨日理恵に指示されたとおり孝史の家まで車で迎えに行きました。

太陽が燦々と降り注ぐ広い道を走ります。

大きい交差点で、信号停車。

幅の広い横断歩道を、幾多の人々が右へ左へと行き交います。

夫婦やカップルらしい男女も、幸せそうに歩いています。

唯一のパートナーとの、充実したデートを楽しんでいることでしょう。

それに比べて僕は、妻が浮気相手とセックスして帰宅する為の足として車を走らせているのです。

僕は、目の前の横断歩道を行き交っているどの夫婦よりも異質な夫婦生活を送っているのです。

ほんの数ヶ月前までは、僕も横断歩道を行き交う夫婦と同じ立場だったのに・・・

形作られてきた常識の底に眠っていたものは、驚くほどの精神的自虐心を持った真の自分自身だったのです。

それに気付いてからは、今日まであっという間でした。

幸せそうな夫婦やカップルの姿を羨望の眼差しで眺めながらも、僕は今の自分の情けない立場に、これまでにない喜びを感じているのでした。

孝史が住むマンションの前に車を停めました。

時刻はちょうど正午です。

まだ、理恵の姿はありません。

マンションから、理恵が出てくるのを待ちます。

この大きいマンションの一室で、実の妻がその浮気相手と一夜を共にしたのです。

いや、一夜どころではありません。

この数ヶ月間、何度も何度も・・・

このマンションの中で、理恵は何度、孝史と身体を重ねたのでしょうか。

夫である僕以外のペニスの侵入を幾多も受け入れた理恵の裸体は、僕が見ていない間に一段とセクシーになっているかも知れません。

女はセックスを重ねる度に美しくなると聞いたことがあります。

事実、最近の妻は以前と比べても更に美しくなったような気がします。

ということは、その身体もきっと・・・

どこに居ても、結局頭の中はいつも理恵のことでいっぱいになります。

そして、いつも股間を膨張させてしまっています。

理恵と孝史がセックスを繰り返して来た建物のすぐ横で、理恵とのセックスを夢にまで見ている情けない夫が、数ヶ月間で数回しか射精していないペニスを膨張させて、妻が出てくるのを大人しく待っているのでした。

しかし、三十分ほど経っても理恵が出てくる気配はありません。

僕は恐る恐る、理恵の携帯に電話をかけてみました。

「何?」

理恵の面倒臭そうな声が聞こえました。

「言われた時間になったから・・・・迎えに来たんだけど・」

「あ、忘れてた」

理恵はあっさりとそう答えました。

夫に迎えに来させるようになっていたことすら、理恵は忘れてしまっていたのです。

「あのね、今からもう一回するの。だからそれが終わるまでそこで待ってて」

あっさりとそう言い捨てて、理恵は一方的に電話を切ってしまいました。

「え?ちょ、ちょっと!」

しかし電話からはもうツーツーという音しか聞こえませんでした。

夫を待たせたまま、もう一回セックスをするなんて・・・

以前の理恵からは想像もつかないくらい、大胆で遠慮のない行動です。

夫の自虐性を見抜いた妻もまた、以前は知らなかった自分自身の性格に気付き、それを遠慮なくさらけ出しているのでした。

妻のそんな気ままな行動にいつでも合わせられるように、僕は車の中で待ち続けました。

(仮にも夫である人間を待たせているのだから、早く切り上げて出てくるのではないだろうか・・)

真横の建物内で行われている妻の浮気姿を惨めに想像しながらも、僕はそう考えていました。

しかし、一時間経っても、二時間経っても理恵が出て来る気配はありません。

(いったい、いつになったら・・)

車の中で僕を延々と待たせておいて、今ごろ理恵は思う存分にセックスを楽しんでいるのでしょう。

その焦れったい気持ちと妻の自由奔放な行動との対比が、待ちくたびれている筈の僕を興奮させていました。

結局、理恵が出て来たのは午後4時を過ぎてからでした。

理恵の姿が見えた途端、僕はぱっと運転席から外に出て、助手席のドアを開けました。

「おかえり・・・・理恵・」

「ただいまー。あー気持ちよかった」

理恵はにこにこしながらそう言います。

その表情から、理恵がどれだけ満ち足りたセックスをしていたかがよく分かります。

「あと一回のつもりだったんだけど、結局二回しちゃった。それから二人でお風呂はいって、テレビ見て」

僕を車の中で4時間以上も待たせていたことへの悪びれた様子は欠片もありません。

それどころか、また次回の送迎も指示される始末です。

こうして僕は、妻と浮気相手の「都合の良い夫」という立場を次第に強くしていくのでした。

家に帰り着くなり、理恵が言いました。

「ねえ、裸見せて」

「え?」

僕には訳が分かりませんでした。

ついさっきまで浮気相手と思う存分にセックスをしていた理恵が、どうして僕の裸が見たいなどと言い出すのでしょうか。

「早くぅ」

最近に無い甘えた声で、僕を急かします。

その声に僕も欲情してしまい、彼女の目の前で服を一枚ずつ脱ぎ始めました。

最後にパンツまで降ろし、勃起しっぱなしのペニスを理恵の前にさらけ出します。

ソファに座ったまま僕の姿を見ていた理恵が、突然笑い始めました。

「久しぶりに見たけど・・・相変わらず情けないおちんちんしてるね」

妻の容赦無いその一言で、ペニスはますます血を漲らせていました。

そうか、そういうことか・・・僕はやっとで気が付きました。

理恵は、見て来たばかりの孝史のペニスと比較していたのです。

もちろん、写真で見た孝史の立派なペニスには遠く及びません。

理恵もそれを十分に知っているのに、改めてわざと僕を屈辱的な気分にさせて喜んでいるのです。

僕は情けないペニスを目一杯膨張させて、理恵の前にその姿を晒していました。

三週間射精をしていないペニスの先端には、既に我慢汁が滲み出ています。

そんなペニスを、理恵が冷たい目で見つめ続けます。

「ねえ、いつから勃起させたままなの?」

「昨夜から・・・・ずっと・・・・です・」

僕はまた敬語になっていました。

「夜から!?あなた何歳だと思ってんの?中学生じゃないんだからあ」

理恵が笑います。

「す、すいません・」

何故か謝る僕。

三週間も射精をしておらず、しかも妻が浮気相手と一夜を過ごしていたのですから無理もないことでした。

「いつから射精してないんだっけ?」

意地悪そうに目を輝かせながら、理恵が尋ねて来ます。

「三週間前」

「すっごく溜まってるんでしょ?」

「は、はい」

「出したくて仕方ないんでしょ?」

「はい」

そんなやり取りの後、突然理恵が着ているものを脱ぎ始めました。

「!?」

あっという間に、理恵は僕の目の前で全裸になりました。

数ヶ月ぶりに見ることが出来た、妻の裸・・・

以前にも増してスタイルが良くなっているのは明らかでした。

より豊かになったように感じる乳房と、つんと上を向いた乳首。

括れたウエストと、弛みが無く形の良い大きなお尻。

繊細かつ豊かに茂る陰毛。

数ヶ月間見たくて見たくて仕方がなかった、憧れの妻の裸体です。

しかも、数ヶ月前より一層美しくなった裸体です。

浮気相手と繰り返して来たセックスで、彼女は更に美しく成長したのです。

そんな裸体を見せつけられると、全く成長していない自分のペニスを露呈していることが急に恥ずかしくなりました。

しかしペニスは、久しぶりに見た理恵の全裸のせいでこれ以上にないくらい勃起しています。

我慢汁がペニスの先端から滴り落ちます。

「どう?綺麗になったでしょ?」

理恵が得意気に言います。

「は、はい・」

「孝史といっぱいセックスして、あなたより大人になっちゃった。あなたのおちんちんは全然成長してないのにねっ」

そう言って笑う理恵。

悔しさと惨めさが僕を興奮を高めます。

でも理恵が言ったことは間違いではなく、事実なのです。

僕が自慰を数回しかさせてもらえずに、数ヶ月前のままの身体なのに対し、その間理恵は孝史とセックスを繰り返して、よりレベルアップした大人の身体に成長を遂げていたのです。

結婚後のセックスの経験で、妻に先を超されてしまった夫・・・

全く成長していない惨めなペニスは、もう限界寸前でした。

理恵は全裸のまま、ソファに寝そべり大きく足を開きます。

夫であるにも拘わらず、想像して憧れて夢にまで出て来た妻の外陰部が僕の目の前に全てさらけ出されました。

目眩を起こしそうなほど魅力的な理恵の全て・・・

その部分も数ヶ月間使い込んで、更に厭らしくセクシーになったように見えます。

以前は毎日のように、何の苦労もせずに見ることが出来ていた理恵の陰部が、今では遠く手に届かない存在になってしまったのです。

しかしその部分が、目の前に・・・

今の僕には刺激が強すぎる光景でした。

以前には考えられないことに、妻の全てを目の前にしただけでもう僕のペニスは射精欲の限界にまで達しているのです。

複雑そうな顔をしている僕を見ながら、理恵が甘えた声を出します。

「ねえ・・・・久しぶりに入れてぇ」

「え・・・・!」

あの憧れの妻の中に、挿入させてもらえるお許しが出たのです。

よりによって、こんな爆発寸前の時に・・・!

「早くぅ」

理恵が思い切りセクシーな声を出して、大股を開いている腰を振ります。

そんな理恵のほうに、一歩、また一歩と近づいて行きます。

脳が痺れそうです。

ソファのすぐ横まで歩み寄りました。

理恵の厭らしい陰部が間近に見えます。

「いいん・・・・だね・・・・?」

僕は震える声で尋ねます。

「いいよぉ・・・あ、ちゃんとゴム付けてね」

あまりの興奮に忘れていました。

僕は理恵とする時は今まで必ずコンドームを着けていたのです。

安全日であっても妊娠の可能性は大いにあり、結婚後しばらく子供は作らずにセックスライフを楽しみたいという僕達二人の考えがあったからです。

棚から久しぶりにコンドームを取り出します。

ソファの真横に戻り、自らの硬いペニスに被せようとします。

目の前で、妻の陰部が僕のペニスを待ち受けています。

そんな状況なのに、僕はもう限界でした。

三週間射精を我慢しているペニスには、この状況は我慢出来ないものでした。

コンドームを被せようと亀頭にくっつけた瞬間、その刺激で僕は大量の精液を放出してしまったのです。

「あ!あ!あああ・・・・!!」

ビュッビュッと音を立てながら、精液がまだ被さっていないコンドームの先端に射出されていきます。

「すごーい!入れてもいないのに!ホント中学生みたい!」

理恵が大笑いしながら言います。

「孝史の想像って絶対当たるからすごーい。孝史の言うとおりにあなたを挑発してみたら、本当に孝史の想像どおりに入れる前に出しちゃってるんだもん!」

笑いながら僕を罵倒し続ける理恵。

(そんな・・・!)

三週間ぶりの射精の快感よりも、妻への挿入前に果ててしまった情けなさと、それが浮気相手の想像どおりだったことへの屈辱に、僕は身体を打ち振るわせていました。

あまりにも情けない夫です。

しかし僕は、そんな自分に喜びを感じていたのです。

二人の掌の上で完全に泳がされていたことで、僕には到底適わない二人の大きな存在に屈服し尽くすことへの快感・・・

自分が妻や浮気相手の足元にも及ばないことへの快感・・・

そんな自虐的な喜びで胸がいっぱいになっていました。

「射精させてあげたんだから、お礼でも言ったら?」

ソファに寝そべったまま、理恵が言います。

僕はそんな理恵の前で、頭を床に擦り付けて土下座しました。

(ああ・・・・理恵には適わない・・)

そんな気持ちが、僕を自然とそんな姿にさせたのです。

「理恵様・・・・僕に射精をさせて下さってありがとうございました・・・!そして、挿入も出来ない情けないチンポで申し訳ありません・・・・!」

夫のあまりにも情けないそんな姿を、満足そうに見下ろす妻・・・

その瞬間、僕達夫婦の今後の関係がはっきりとしたのです。

土下座している僕の顔の左右に、理恵様の足が降りて来ました。

「なんて情けない格好してるの?あなたこの家の主人でしょ?」

理恵様が、僕の遥か頭上でクスクス笑いながら言います。

「あなたがそんなに情けないMだったなんてねっ」

「お許し・・・・下さい・」

僕は土下座をしたままです。

理恵様と、その彼氏・・・・孝史様に僕は到底敵わない・・・

この土下座は、そんな僕の気持ちを理恵様の前に素直に現したものでした。

この時、僕は自分がマゾであることをはっきりと自覚していたのでした。

もう僕なんかには遠く及ばない存在になってしまった理恵様と、浮気相手の孝史様。そのお二人が、夫である僕でさえ許されない性交を心ゆくまで楽しんでおられる・・・

夫である僕は、性交どころか射精すら管理されてしまっていて・・・

射精するにしても、お二人の許可をいただかないと出来ない僕・・・

普通の男性であれば、到底我慢出来ない状況でしょう。

浮気相手を追い払い、妻に猛然と抗議をするのが、普通の夫の姿でしょう。

でも僕は、こんな情けない立場に置かれた自分にもの凄く興奮していたのです。

「今度孝史を家に呼んで、あなたにたっぷりと見せつけてあげるからねっ!」

妻のそんな屈辱的な台詞も、僕は自らの意志で土下座したまま聞いていたのです。

理恵様が予告していたとおり、数日後に孝史様が我が家へとやって来ました。

孝史様が玄関のドアを開ける前から、僕は土下座をしたまま孝史様を迎えます。

「いらっしゃい、孝史」

理恵様が孝史様とキスをする音が頭上から聞こえました。

「おや?旦那さん土下座なんかしてどうなさったんですか?」

孝史様はわざとらしく、土下座を続けている僕にそう尋ねて来ました。

もちろん、僕のことは理恵様から全て聞かされている筈です。

「ほらぁ、私の彼氏がわざわざ来てくれたのよ。ご挨拶はどうしたの?」

理恵様が片足で土下座したままの僕を軽く蹴って、挨拶を促します。

「孝史様いらっしゃいませ。どうかゆっくりとおくつろぎ下さい」

実の妻の浮気相手に、僕はそう挨拶をしました。

リビングのソファで二人は戯れています。

僕は前回と同じように、二人の前に飲み物を出しました。

そんな僕なんかには目もくれず、二人は戯れ続けています。

この家の主である筈の僕が、もはや家政婦・・・・いやそれ以下の存在としか認識されていないのです。

理恵様は孝史様の膝の上に跨ったまま、激しいキスを繰り返しています。

遠慮の無いキスの大きな音の一つ一つが、僕の耳に突き刺さります。

この艶めかしい音が聞こえて来る度に、妻は浮気相手と唇を重ね、舌を絡め合い、唾液を吸い合っているのです。

以前は僕が毎日のように繰り返していた行為を、妻は今、浮気相手と平然として行っているのです。

僕の脳裏に、妻の柔らかい唇の感触、舌を絡め合った時の感触、唾液の味が思い出されました。

しかし、僕にはもう二度と、その感触を味わうことは出来ないのです。

格の良い孝史様は、理恵様を軽々を抱き上げてそのままベッドルームへと向かいました。

そう、僕と理恵様のベッドルームです。

今では、僕がソファで眠り理恵様が一人でダブルベッドを使用しています。

しかし、僕と理恵様の甘い思い出がたくさん詰まったベッドルームです。

そんなベッドルームに、孝史様が理恵様を抱きかかえたまま、遠慮も無く入って行きました。

僕は、そんな二人の後を、二人の飲み物を運ぶ為に後から付いて行きました。

枕元の小さなテーブルに、二人の飲み物を置きます。

孝史様は、既にベッド上で理恵様に覆い被さっていました。

そして、理恵様の衣服を一枚ずつ脱がして行き、孝史様自身も手早く着ているものを脱いで、二人とも裸になりました。

(あ・・・理恵・・・・様・・)

二人は、実の旦那、そして恋人の旦那という立場である僕の目の前で、驚くほど自然に、裸体を重ね合わせ愛撫を楽しんでいるのです。

まるで僕などこの部屋に存在していないかのようです。

孝史様は、理恵様の半開きの口に舌を入れながら、片手で乳房、片手で腰をまさぐっています。

人の妻であることの遠慮など欠片もありません。

キスの合間に、理恵様が口を開きました。

「ねえあなた・・・・コンドーム持って来て」

理恵様は愛撫の快感に目を細めながら、そう言ったのです。

「わ、分かりました」

僕は妻とその恋人がセックスをする為のコンドームを、隣の部屋へ取りに行きました。

棚の中に、まだ理恵様と普通の結婚生活を送っていた頃に買い込んでおいた沢山のコンドームが入っています。

これほど沢山買い込んでいたのに、当時の結婚生活をそのまま続けていたのなら、きっともう全て使い果たしていたことでしょう。

そんな理恵様と使う為に買い込んでいた筈のコンドームを一つ、理恵様とその浮気相手とのセックスの為に、夫である僕がベッドルームまで持って行きました。

ベッドの上では、理恵様が仰向けのまま足を開き、孝史様が理恵様の股間に顔を近づけていくところでした。

孝史様の顔が理恵様の太股に遮られて見えなくなるとほぼ同時に、理恵様がセクシーな喘ぎ声を漏らしました。

「あ・・・・あんんうぅ」

理恵様の上半身が大きく仰け反りました。

股間からは、孝史様が妻の陰部を執拗に舐る艶めかしい音が聞こえます。

浮気相手のクンニに、理恵様は身体を仰け反らせながら快感を楽しんでいます。

もう僕には一生抱けないであろう妻の身体が、やけに眩しく、やけに色っぽく見えます。

(もう僕には一生抱けない・・)

頭の中に浮かんだその一文に、自分自身でどきっとしました。

そうなのです。

二人のマゾになり下がってしまった僕にとって、実の妻とのセックスなどという贅沢な行為は、もう一生望むことが出来ないのです。

気が付くと、妻が浮気相手のクンニに身体を捩らせている姿を見ながら、僕はペニスを勃起させていました。

いくら勃起させようと、決して妻の膣内には挿入出来ないペニスを・・・

孝史様のクンニが終わると、今度は孝史様がベッドの上で大の字になって寝ます。

勃起した立派なペニスが、天井を向いています。

それは、写真で見るよりもさらに立派に見えました。

そんなペニスに、理恵様が顔を近づけて行きます。

「あなた。こっちに来てよく見ててね」

理恵様が僕を呼びました。

僕も孝史様のペニスに顔を近づけます。

間近で見る孝史様のペニスは、ますます立派に見えます。

ちょうど孝史様のペニスを挟んで、僕と理恵様が向き合っているようになっています。

「すごく大きいでしょ?」

「あ、はい・」

「私が大好きなおちんちんなの。これ以外のおちんちんなんて欲しいと思わない」

「そ・・・・そうですか・」

妻にどれだけ煽られても、僕には我慢するしかありません。

「孝史、いっぱい舐めてあげるね」

理恵様が孝史様のペニスの根元を握りました。

そして、僕の目の前で、浮気相手のその立派なペニスを亀頭から口に含んでいきます。

「あ・・・・り、理恵様・・・!」

現実に目の前で始まったフェラチオに、思わず言葉が出てしまいました。

理恵様はそんなことにはお構いなしに、孝史様の大きなペニスをあっさりと根元まで口に含んだかとうと、すぐに顔を上下に動かし始めました。

「じゅるっ・・・・じゅるっ・・・・んく・・・んくっ」

妻が浮気相手のペニスを美味しそうにしゃぶる音が、間近で聞こえます。

音だけでも、嫌々舐めているのではないことが簡単に分かってしまいます。

理恵様の小さめな筈の口に、いま信じられないくらいに勃起している孝史様の太いペニスが根元までくわえ込まれているのです。