私は40歳の関西在住の自営業を営む者です。 二年前に私の好奇心と悪戯心が10歳年下の妻を変えてしまった出来事について書きたいと思います。 拙い文章でしょうがしばしお付き合いの程をお願いします。 それは10月のある日にクラス[…]
妻は色香を持つ女になった・・・
男達からのエキスを養分にでもしているのでは?と感じてしまう程に艶を増し、相変わらずの日々を送っている。
妻は週2ペースで、セフレ達と遊んで来る。
そして快楽の余韻の中、ハメ撮りした映像を持ち帰り、私を楽しませる。
今夜の妻も、先程、逞しいペニスから体内に送り込まれたザーメンをヴァギナから滴らせながら【自身のハメ撮り鑑賞】という後戯を楽しんでいる・・・
この夜に、妻が私に言った言葉が、今回の始まりだった。
「ハプニングバーに行ってみたい」
セフレ達から伝え聞くハプニングバーの内容が、妻を熱く刺激したらしい。
私は、妻が見ず知らずの男達から視姦され、淫らに回される姿を想像し、その事による不安やジェラシーよりも好奇心が勝ってしまった・・・
「ハプニングバーかいな?大丈夫なんかい?」
「何か、おもろいらしいで。ピンキリあるみたいやから、エエ店探してぇなぁ・・・なぁ・・・エェやろ? 」
ポッテリとした唇を尖らせながら、甘えた声でねだる妻に、私は恩着せがましく言った。
私は思案するふりをしつつ
「しゃあないなぁ・・・西島ハンに聞いてみたるワ。」
妻は屈託ない笑顔で、
「ホンマ??エェの?めっちゃ楽しみやわぁ。」と熱を帯びた視線を向けて来た。
数日後の夜、私は西島氏と行きつけの小料理屋で待ち合わせていた。
今や西島氏は、私にとって、すっかりその道の師匠と言った感だった。
西島氏は、相変わらずツヤツヤと血色の良い顔色で
「どや?最近は?」
「ボチボチですワ・・・今夜は、宜しゅう頼んますワ」
そう・・・今夜は西島氏の旧知の仲間が経営に参加している、評判のハプニングバーに下見に連れて行って貰う段取りなのだった。
一応、事前に店のシステムや雰囲気、客層などの説明を受けて、頃合いを見てその場所に向かった。
そのハプニングバーは以外な場所に存在していた。
賑やかな繁華街にある物とばかりに考えていたのだが、その店は静かなオフィス街にあった。
人気の無い、閑散としたビル・・・おそらく他のテナントさんも
【そこにハプニングバーが営業されている事など知らないのではないか?】
窓から疎らに洩れる薄っすらとした非常灯・・・人の気配を感じないこのビルで
【淫靡な世界が存在する事など】とても信じられなかった。
ビルを見上げる私を、西島氏は促した。
「さぁ、行くデ」
西島氏の言葉に促された私はビルのエレベーターに乗り込み、ハプニングバーの入居する階に向かった。
西島氏は、完全会員制のその店のカメラ付きドアホンを押した。
内部からカメラが捉える姿を確認したのだろう・・・しばらくして重く頑丈そうなドアが開けられた。
中からは30代の独特の雰囲気を持つ女性が出て来て私達を招き入れ、西島氏に軽く会釈した。
西島氏は私にその女性がママであると告げた。
入口からすぐの場所に応接セットが置かれていて、私はそこでハプニングバーZ(略してZとする)の規則の説明を受けた。
完全会員制であり、紹介者が居なくては会員になれないシステムである事に始まり、プライバシーの保証、その他の細かい規則を丁寧に説明された。
丁重な説明を受けながら、私はここなら安心して妻を遊ばせる事が出来そうに思えた。
誓約書にサインし、晴れて会員となった私は西島氏と供に奥へ通された。
店内は想像以上に奥行きがあり、かなり広々としている。
そして何よりも背筋にジワリジワリと這い上がって来るような・・・異様な雰囲気が漂っている。
二間あるベットルームや格子状の入口のSMルームなどを案内され、私と西島氏は先客の座るカウンターに腰を降ろした。
ビールで乾杯し、私は改めて店内を観察した。
店内のカウンターには、私達以外に単独さんが2名、私の座るカウンターからは死角になっているリビングに数名の男女、そしてベットルームにも数名の男女が居るようだった。
全体的に木目を基調として、所々に黒と赤をあしらったインテリアと、薄暗い照明、BGMに流れる気怠いボサノバ調の音楽が妖しい空間を際立たせている。
やがてベットルームから切ない喘ぎ声が聞こえて来て、西島氏が目を細めながら
「お盛んやな。ママの話しではエライええ女みたいやで」
私も西島氏の言葉に興味津々で中の見えぬベットルームに目を向けていた。
「あうっ・・・あぁ・・・あぁ・・・ひぃィ・・・うぁぁ・・・ん」
姿見えぬ声の主に私は圧倒されていた。
その声は店内の人間全ての心を引き付けるような官能的な声だった。
「あぁ・・・イィ・・・あぅっ・・・あぁ」
カウンターに座る、私と西島氏は顔を見合わせ、どちらともなく言った。
「凄いな・・・ 」
官能的な喘ぎ声とともに
ギシッ・・・ギシッ・・・ギシッ・・・
軋むベットの音
店内全ての意識が、その音に向けらていた・・・
私は【Z】のベットルームから響くエロティックな喘ぎ声に妄想を掻き立てていた・・・
【一体どんな女性が、どれほどのセックスをしているのだろう? 】
そしていつしか、喘ぎ声の主の姿を、妻に置き換えていた・・・
この一種異様な空間で、多くの人々の興味を引き付け・・・何人もの初対面の男達から体を弄ばれ、歓喜に奮える声を上げる妻の姿を想像して・・・
そしてその姿を映像などでは無くして、リアルタイムで目の当たりにしたい!!
その空間に一緒に身を置き・・・妻の歓喜に奮える姿・・・女から牝に切り替わる瞬間を・・・そして、温度、匂いまでを体感したかった・・・
私は西島氏に
「ホンマ凄いですやん?こんな感じでウチのやられてしもうたら・・・アイツ良くて、良くて狂うてしまうんやないやろか? 」
「癖になる思うデ。しかし・・・アンタも変わったなぁ?ワシと初めて会うた頃のアンタは嫁ハンの劇的な変化に苦しんで・・・自分の願望の理不尽さに戸惑うて・・・それが今では夫婦で一緒に楽しむ方向に足並みを揃えたんやからなぁ」
「ホンマですなぁ・・・ 」
私と西島氏はベットルームから洩れ聞こえる官能的な喘ぎ声をBGM代わりに盃を重ねた。
どれぐらいの時が流れただろうか?・・・
不意にガチャリッ・・・ガタカタッ・・・
ベットルームのドアが開かれ、興奮覚めやらぬといった顔を紅潮させた3名の男達が熱気を帯びて出て来た。
ん?男だけやんか・・・
あの声の主はどないしたんやろ?・・・
私はまだ出てこぬ女性の姿を想った。
やがて半開きになったドアが開かれ、その人は出て来た。
イイ女だった!!
傍らに座る西島氏が、思わず溜め息混じりに呟いた
「ほぉ~・・・エェ女やなぁ」
やや俯き加減に恥ずかしそうに出て来た女性は、強烈なエクスタシーを得た女性特有の蕾が開花して一気に匂い立つ様な」オーラを纏いながら、薄桃色に顔を上気させ、心地良い怠さを感じさせる足取りで我々の座るカウンターに近づいて来た。
期せずして誰ともなく、その官能の声の主に拍手が起こった。
私も、そして西島氏までもその女性に拍手を送っていた・・・
照れくさそうなアンニュイな表情の女性の視線が私に向いた時に、何故だか喜悦を帯びていた筈の女性の顔が一瞬強張り、固まった・・・
ん?どうしたんや・・・何なんやろ?
そして明らかに動揺した感じの女性は奥のボックス席に消えてしまったのだ・・・
何で私を見て急に表情が変わったのだろうか?
傍らに座る西島氏も、
「知り合いかいな?・・・ 」と怪訝な顔をした。
「ホンマ知りまへんわ。あんな美人、一回会うたら忘れませんやろ? 」
「まぁ知り合いでも、知らなくとも、ここではプライバシーに関してはご法度や・・・ワシかてここに来たらコレや」
西島氏は首から下げたにしやんと書かれたネームプレートを指差し笑った。
私も西島氏の首に掛けられたネームプレートと、私の首にも掛けられたたろうのネームプレートを見比べて苦笑いをしてしまった。
カウンター越しにママさんが私に「今度奥様連れて来られるん?」
「はい・・・そのつもりですワ。 雰囲気エェし、ここなら安心ですワ 。」
「ここはな、来店予告ってあるんや。会員専用のホームページに書き込みしてくらたらエェんですよ。何月何日の何時ってな・・・きっと混み合いますよ。ウチも美人人妻来店って宣伝しときます 。」
「宜しゅうお願いしますワ・・・ 」
私は笑顔で答えた。
「ワシちょって遊んで来るワ・・・ 」と西島氏は立ち上がりリビングの方へ行ってしまった。
ママさんは私に「たろうさんは行かんでエェの?」と聞いて来たが、
私は「しばらくはココでノンビリ見させて貰いますワ。」とカウンターで飲み続けた。
その間にママさんがアルバムを出して来て見せてくれた。
そこにはSMルームで縛られ恍惚の表情の女性や、リビングで二本の逞しいペニスを美味しそうに頬張る女性、ベットルームで後背位から太いペニスを串刺しにされる女性、他にはコスプレを楽しむ女性の姿もあった。
無論全ての写真に写る顔には、目の部分にマジックで斜線が入れられ誰か分からぬようにされていた。
「凄いですやん・・・ 」
私は写真に写る女性達の淫靡な姿に目を奪われた。
アイツもこんな風に楽しむんやろな・・・
そう考えて想像すると、ムズムズとした感覚が体を走っていた。
リビングからは嬌声が聞こえている。
大分盛り上がっているのだろう。
私はご法度と知りながらママさんに、先程官能の声を上げていた女性の事を当たり障り無く聞いてみた。
月に数度遊びに来る人妻さんらしい・・・
それ以外の事は知らないとの事だった。
私はその女性の顔を思い返しながら、心の中に妙な引っ掛かりを感じていた。
その違和感はなかなか消える事は無かった。
ハプニングバーに来て、すでに2時間半が経過していた。
下見という当初の目的は十分に果たしたので私は西島氏に声を掛けずに先に帰る事にした。
楽しんでいる西島氏に水を差すのも不粋だった。
私はママさんに帰る旨を伝え、西島氏の代金も合わせ支払い、店を出た。
自宅に戻ると妻が私の報告を待ち侘びていた。
妻は私からハプニングバーZの詳しい説明を受け安心したようだった。
事細かに店舗の造り、雰囲気、客層、従業員の事など熱心に聞いている。取り分けSMルームには非常に興味を持った様子で私に「アレ着て行ったらどうやろ?」と例のボンデージを着て行く提案までする始末だった。
「コスプレして楽しんでる方も多いようやし、エェんとちゃうか?」
「ホンマ?ドMの人居るやろか?ウチそんな中で女王様してみたいわぁ」と嬉しそうに話す妻。
来店予告の事を話すと妻は「じゃあウチのボンデージ姿を載せてエェか?パパが嫌なら止めるけど」そう話すと妻は、悪戯好きの小悪魔のような表情で私の反応を伺っていた。
「エェで・・・好きにしたらエェ・・・でな・・・提案なんやけど、ワシは当日にお前より先に行ってるワ。単独としてな。お前も単独女性としてワシとは赤の他人のふりをせいや・・・ママには事情言うておくワ・・・その方が、お前もワシも皆さんも楽しめるんやないか?」
「・・・うん・・・分かったワ・・・パパの言う通りにするワ」
週末は混み合っているとの事だったのでZには来週の木曜日に行く事にした。
私はZでの酒が、したたかに回り始めてホロ酔いになっていた。
ソファーに横たわりながら、心の中に引っ掛かるあの事を思い返していた。
「しかし一体誰なんやろ?・・・何故、あんなリアクションだったのか?」
酔いの回る頭で、そんな事を考えているうちに私は眠ってしまっていた。
【Z】に下見に行った翌日の正午過ぎに西島氏から電話が入った。
「昨日はスマンかったなぁ。カウンターに戻うたらアンタ帰った言うから悪い事したワ。」
「エェんですワ・・・盛り上がってるのに、声掛けるのも何や場を壊すようやったんで・・・。
十分見せて貰うたし、あそこなら安心して遊べそうですワ。
ホンマエェとこ紹介して貰いました。」
「喜んでくれたなら良かったワ・・・来週の木曜日なんやろ?ワシも行ってエェんやろか?マズイか?」
「もちろんエェですワ。一緒に行きましょ。」
「じゃあ水曜日にでも、一度連絡入れるワ。 宜しゅうな。 」
この日から週末にかけて慌ただしい日々が続き、明けて月曜日の事だった。
夕方に仕事場に戻ると私宛てに郵便物が届いていた。
何処からやろ?
ワープロで打たれた差し出し人を確認した。
まったく覚えの無い個人名だった。
仕事柄、様々なDMや勧誘の郵便物が大量に来る為に注して気にもせずに後で確認すれば良い程度の感覚で私はその封書を机の引き出しに放り込んだ。
この日は、急遽明日までに片付けねばならない仕事が起きて、一人静まり返る事務所に残り一段落したのは10時頃になってしまっていた。
私は不意に私宛ての郵便物の事を思い出し、机の引き出しからそれを取り出して開封した。
何だ?・・・これは?・・・
やや大振りの封筒の中にはビニール袋に入れられ綺麗に折り畳まれた黒っぽいハンカチのような物が入っていた。
手紙は入っていなかった。
良く見ると、そのビニール袋はジップロックだった。
少し気味が悪かったが、私はジップロックを開封して中身を取り出した。
エッ?これは・・・
恐る恐るジップロックから抜き出されたソレは一見光沢のある素材の黒いレースのハンカチーフのようでもあったが、ジップロックから引き出された瞬間に焚ちこめた牝の特有な匂いが、私の鼻腔を刺激し、それがハンカチーフでは無い事を告げていた。
私は鉛のように固まり、ぎこちない動きになってしまっている指で、その折り畳まれた物を開いた・・・
そう・・・それは黒色の高級そうなショーツだった。
今思えば不可思議な事なのだか、それを手にした私は、薄気味悪さよりも好奇心の方が先に湧き起こってしまっていた。
黒地にゴールドを基調にした精巧な刺繍をあしらっている、品のあるデザイン。
濡れて張り付いていたのであろうか?
それとも食い込んでいたのであろうか?
外側からでもラビアの盛り上がり、形が、浮き出たように固まっている・・・
裏返して見てみると、裏地のタグには流麗な筆記体でMADE IN ITALYと刻印されている。
私は吸い込まれるようにクロッチ部分を見た・・・
黒地のクロッチ部分にはクッキリとその印しがあった。
縦長で濃度の濃い牝の印し・・・
白く染み付いたそれは、ラビアの大きさ、形まで分かるようだ。
妻の物とは明らかに違う牝の匂い、そして印し。
姿見えぬ強い意思のような物に包まれたそのショーツ。
鼻腔をその染みに近付けなくても牝のフェロモンに満ちた匂いが溢れている。
どんな女性が身に着けたか知れない代物なのに、しかしその牝の強い意思を染み込ませたショーツは私の中の牡を刺激した。
ズボンので私のペニスはカチンカチンに痛い程に固くなってしまっていた。
その姿見えぬ主に引き寄せられる様に、私は小刻みに震える指でショーツ掴み、汚れた・・・牝の印しの染み付いたクロッチ部分を鼻腔に押し当てていた。
マッタリとして刺激的な濃厚な牝の匂いが脳を麻痺させていった。
何かに憑かれたように私は無人の事務所で自慰に耽り、背信にも似た妻に対する気持ちの中で、勢い良く射精してしまった。
快感の余韻が残る中で、不意に携帯が鳴った。
妻からであった。
着信音が鳴り続く中で、私は冷や水を浴びせられたように我に帰り、言いようの無い罪悪感と虚しさを感じ、私を引き寄せたそのショーツをジップロックの中に放り込み、封筒に入れて机の引き出しにしまい込んだ。
私は咄嗟に携帯をドライブモードに切り替えてしまった。
そうなのだ・・・私は情けない事に、この時に初めて、一体誰が、何の為に、私にこんな物を送りつけて来たのかを感じ、背筋に悪寒にも似た感覚を覚えた。
誰が・、 一体、何の為に・・・
「アンタ遅くまで大変やったな。
ご苦労さん。」
「あぁ・・・さっきは電話すまなんだ。
運転中で出れんかったワ」
妻の顔をまともに見れない。
浮気した訳でも無い・・・
しかし先程の私の行為が背徳感を募らせている。形の無い罪悪感が自分自身を責めていた・・・
一体誰が?・・・何の為にあの牝の欲望の滲みたショーツを私に送りつけて来たのか?
誰が穿いていた物なのか?
その得体の知れない物に欲情し、自慰してしまった自分自身に怖さを感じてしまった。
しかし呆れる程に、牡を惹き寄せるフェロモン臭だった・・・
妻の牝の匂いも痺れるような匂いなのだが、あの送りつけられて来たショーツに染み込んだフェロモン臭・・・
妻の物とは明らかに違う匂い・・・
人それぞれ持つ匂いは微妙に違う。
あのショーツに染みた香りは私の脳を揺らした・・・
何故か懐かしさすら感じる匂いだったのだ。
まだ鼻腔の奥に残り香がこもっている。
そして私の想像を掻き立てるショーツに浮き上がったヴァギナの形・・・
クリフットからラビアの形まで正確に浮き出していたのだ。
そう・・・あそこにはヴァギナの分身があったのだ。
「なぁアンタ、木曜日楽しみやなぁ・・・
今日な、藤田ハンから明日どうや?って電話来たんやけど断ってしもうた。
藤田ハンの誘い断ったの初めてやで。
ウチ、自分自身が意外やった・・・あれほどナ、ウチの体に合うペニスを今回欲しい思わないねん・・・
それ程木曜日の夜が楽しみなんやろね?
ウチの本能が何かが起こるって言ってるんやろね・・・
体を満たさず乾かしておけなんかね?」
妻は苦笑いしながら木曜日の【Z】に対する期待を話した。
「せっかく念願叶ってハプニングバーに行くんやから楽しめるとエェな。」
私は、木曜日の【Z】での妻の狂態を想い、そして心の中に蔓延る背徳感を悟られぬように明るく答えたのだった。
翌日の火曜日の夜、私は早めに帰宅し木曜日の為に【Z】のホームページに妻の来店予告を告知した。
例の藤田のペニスを模った巨大でリアルなディルドを内側に装着された【魔性のボンデージ】を着て、せつなそうな表情で股間を押さえる姿の写真を載せてコメントを入れた。
「木曜日の9時に行く予定です。私を満足させて!!」と。
傍らに座り、私が打ち込んだパソコンの画面を熱を帯びた目で覗きこむ妻は、期待と興奮を隠しきれないようだった。「メチャ楽しみやわぁ」妻が明日を想い欲情しているのが伝わって来る。
毛穴が開き体中の穴という穴から沸き立つように発情した牝のフェロモンが溢れ出ているのだろう。
甘酸っぱい男を狂わせる香りが妻を包み込んでいた・・・そして水曜日の夕方に取り決めた通り西島氏から明日の段取りについて連絡があった。
私と西島氏は夜8時に待ち合わせて【Z】に向かう旨を確認した。
妻が来店する1時間前に着いていれば問題は無いだろう。いよいよ明日だ。 妻の新しい引き出しを見れるかも知れない。 私の知らない想像を超えた妻の姿。この2年間で更に培われた男性遍歴・・・あの伝説の巨根竿師藤田に、そして様々な性達者達に開発され艶を増し女っ振りを上げた妻。
性の悦びによって肉体とは、性器に至るまでここまで変わるのか!?と思わせる程に変貌した妻なのだ・・・
明日の夜が待ち遠しい。
この時点で私はあの送りつけられて来たショーツの事など忘れ去っていた。
しかし・・・あのショーツの持ち主は、私の事を忘れてはいなかったのだ。
明日の夜【Z】での出来事が、私を驚かせ、そして苦しめる事になる事など、この時私は知る由も無かった。
「何や緊張してるワ・・・まだ朝やのに・・・ドキドキするワ」
「緊張?よう言うやんか?朝っぱらからマムシ(鰻)にトロロに生卵・・・
やる気マンマンやないかい」
「えぇ~・・・ こ、これは・・・仕事に疲れとるアンタの為やないのぉ」
私は朝の食卓に並んだ気合い十分の?膳の数々に呆れ返り、苦笑いした。
「朝はコレで栄養を採り・・・夜はアレでタンパク質を補給かいな?
明日の朝、顔がツルツル、テカテカになるんやないかい?」
「ホンマやなぁ、アハハッ」
屈託なく笑う妻。
「ワシは夕方に一度戻って来てから先に行くさかい、お前は8時半頃に出ればエエよ。
【Z】には9時に行くって書き込んであるんやからな。」
「うん・・・分かっとるよ。準備しておく。」
仕事に出た私は夜の事を思うと気持ちが高揚して、仕事が手につかなかった。
【一体、どれぐらいの様々な表情を見せるのだろうか?
どんな強物達が妻の新たな引き出しを開け・・・快楽に導くのであろうか?】
私はそんな妄想を繰り返しながら、時が経つのを待った。
3時過ぎに、これまた気合い十分の西島氏から電話があった。
「ママさんからワシんとこに連絡があったでぇ・・・アンタの書き込み見て問い合わせが殺到しているらしいんや。
相当な事が起こるナ。 ワシも楽しみや・・・ガッハッハッハ」
豪快に笑う西島氏。
「そないに問い合わせあるんでっか?
何や楽しめそうですやん?
しかし・・・ウチの大丈夫やろか?
まさかそないな反響あったなんて思うとらんですよ。
現場で事が始まる前にテンパってしまうんやないかな?」
「う~ん・・・ そやなぁ・・・
でもその辺は、あのしたたかなママさんが上手くやってくれるやろ。
じゃあ後で迎えに行くさかいな」
「はい、待ってますワ」
仕事が捗らないまま時は過ぎ、私は一旦、7時頃に自宅に戻った。
自宅では、すでに準備万端の妻が待機していた。
綺麗にセットされた栗色の髪・・・
入念に施された顔立ちを引き立たせる化粧。
深紅のルージュが妻の妖しさを強調しているようだ。
「ホンマ、ドキドキするわぁ・・・後はボンデージに着替えて完了やわ」
「何やアノ書き込みに大反響みたいやで。
大変な事になりそうやな・・・ 」
「えぇ~っ??そないに!?・・・ どないしよう」
しかし、そんな言葉とは裏腹に、妻の瞳は妖艶さを増していた・・・ 。
リビングの壁に掛けられた時計は7時30分を指していた。
「ほな、先に行ってるデ・・・タクシーでなら場所もすぐ分かる筈や。」
「うん・・・後でな。」
熱を帯びた目で私を見送る妻。
私は西島氏との待ち合わせ場所に出向いた。
そして西島氏と合流した私はタクシーに乗り込み【Z】へと向かった。
車中で西島氏は「嫁ハンどないや?緊張しとるんやないかい?」
「ハハッ・・・そうですなぁ、緊張通り越して楽しみでいっぱいみたいですワ」
「たいした嫁ハンやなぁ・・・ 」
西島は目を細めた。
私達の乗り込んだタクシーはオフィス街にある【Z】の入居するビルの前に到着した。
閑散としている筈の夜のオフィス街。
しかし冷え切っているように見えるそのビルから言いようの無い熱が感じられた・・・
【性の宴の館】
長い夜が・・・ そして衝撃的な夜が始まろうとしていた。
ピンポーン・・・ピンポーン・・・
カメラ付きのインターホンを鳴らした。
10秒程の沈黙が流れ
ガチャ、ガチャガチャ・・・
開鍵する音が聞こえて冷たく重い扉が開けられた。
「いらっしゃっい」
ママーさんの出迎える声とともに店内からは、ざわめきにも似た異様な熱気が伝わって来た。
「平日のこの時間やのに店の中はエライ事になってるわよ・・・カウンター空けてあるからどうぞ」
西島氏と私は目を見合わせ、店内の様子を悟った。
入口横にあるネームプレート置場から、各々のネームプレートを探し出し首に掛けた私達は廊下を通り、ざわめく店内に入った。
店内に入る私達の目には信じがたい光景が広がっていた。
10席あるカウンターは、私と西島氏の為の2席意外は埋まり、ボックス席、リビングともに人影が見える。
ムワッとむせ返る様な雰囲気だ。
当然、男性客が圧倒的に多い。
私達を一瞬見る視線は一見穏やかであるが、強い意思だけは伝わって来る。
【負けない・・・】
【獲物は絶対に渡さない・・・】と。
ママさんが続けた。
「ホームページの来店予告の効果にしても凄いわぁ・・・こんなに居っても皆がたろうさんの奥様に相手して貰える訳やないのになぁ・・・この間、説明した思うけどココは男性客から強引な誘いはご法度やし・・・相手の女性の承諾が無い限り、触ったりも出来ないし、性交位も覗き見たり出来んのやからね・・・事が始まったらエライ雰囲気になる思うわぁ・・・ 」
ママの言葉を受け、西島氏が「あぶれた連中が触発されて、他の単独女性と盛り上がるやろ?
けどワシも木曜日のこの時間にこんなに盛況なんは初めて見るワ 」と呟いた。
カウンターに座り、ビールを注文し、改めて店内を見回すと店内には20人を越える客が入っているようだった。
カップルが2組、単独女性も2人来ているようだ。
リビングから聞こえる女性の嬌声が、これから始まるであろう【性の宴】のイントロのようであった。
インターホンが鳴る度に皆が入口を注視していた。
店内は更に数名の客が来ていた。
そして3杯目のビールを注文した頃に再びインターホンが鳴った・・・
時計を見ると9時を少し回ったところだった。
受話器を受けるママさんが私に合図をくれた。
【妻が到着したのだ!!】
ママが妻を出迎えに行く。
なかなか中に入って来ない。
店内の客の意識は統一されたように店内に続く廊下を注視している。
ある者は横目でチラ見し、またある者は堂々と、これから入って来るであろう妻を・・・来店予告の女を確認すべく体を向けて見ている。
西島氏が私に小声で、
「会員規約やら誓約書にサインやらしとるんやろ・・・しかし・・・怖いぐらいの雰囲気やな」
私も重苦しい雰囲気を感じながら、無言で頷いた。
やがてママと妻の談笑する声が廊下から聞こえ、ついに妻が店内に入って来た・・・
【性の宴】の扉は開かれた。
ついに妻が【Z】にやって来た。
ママに付き添われるように現れた妻。
ボサノバが流れ、顔見知り同士が賑やかに語らっていた【Z】の店内が一瞬、例えようの無い静寂と緊張感が走り、時間が止まったようになった。
男性客の刺すような視線が妻に集中してる。
妻もやはり緊張しているのだろう・・・表情が強張っている。
妻はカウンターに座る私を見つけて、瞳に安堵を浮かべた。
首に掛けたネームプレートを見ると
【ゆきみ】
と書かれている。
どうやらここでは【ゆきみ】らしい。
ママがカウンターの客に「ホームページに来店予告してくれた当店で遊ぶのは初めての方で、ゆきみさんです。
仲良くしてあげて下さいね」と紹介してくれた。
妻はカウンターに向かって微笑み、ペコリとお辞儀した。
この瞬間、【Z】を支配していた奇妙な緊張感がスゥーッと消え去り前回、下見に来た時に感じたままの【Z】に戻ったようだ。
ママさんが笑顔で
「ラウンジのほうで、ゆきみさんと飲みながら話しませんか?」 とカウンターに座る面々に話しかけた。
初老の品の良い髭の紳士を初め、カウンターに座る私と西島氏以外の人、全てが、各々のグラスを持ち、ゾロゾロとラウンジに移って行ってしまった。
「フゥ~・・・凄いな・・・ 」
ため息混じりの私の一言に西島氏も
「これはアンタの嫁ハンの争奪戦が見物やな・・・
アレかい?【例の新しくオーダーしたボンデージ】を着て来ているんかいな?」
「着て来てますワ・・・何せ、女王様してみたい言うてたんやから・・・
間違い無いんとちゃいますか 」
「あの中にMが居るんやろうからなぁ・・・ワシからママには言うてあるから上手くチョイスする形にはなるやろ・・・
アンタの嫁ハンの梃子になってくれる経験豊富なSの女性も呼んでくれとるらしい・・・
縛りから何から中級程度の事までは出来る女性みたいやから大丈夫やろ」
「ホンマすいませんなぁ・・・何から何まで西島ハンに頼んでばかりで」
私は西島氏に頭を下げて西島氏の空になったグラスにビールを注いだ。
「しかしどの女性なんですやろ?今来てはるんですか?」
私はキョロキョロと店内を見回した。
私の位置から確認出来る女性はカップルを含めて4名。
この中にその女性が居るのだろうか?
「まぁママさんが戻って来たらワシに話しがあるんやないかい?
今回はワシもアンタも傍観者や」
「今夜はワシもアンタも傍観者や」
私は逸る気持ちを抑えながら、西島氏の言葉に頷いた。
「そう、そう・・・今回アンタの嫁ハンのボンデージ、エライ凝ったモンにしたらしいやないかい?
山田が言うとったデ。
作るの大変やったてナ。」
「そうなんですワ・・・ウチのが海外のボンデージファッションのサイトから気に入ったデザインを数点選んで山田君の所へ行って採寸し直して、素材から、細かい事から、アイツの好み通りに作って貰ったんですワ・・・
山田君にエライエグいモン出来けたデ。これじゃ採算合わへんワ・・・って、ぼやかれましたデ。」
西島氏は好色そうな目で「ほぉ~ぉ・・・そら凄いナ・・・前回のタイプよりエェモン出来たんやろな?さぞ似合ってるんやろな?」
「それがですな、ワシまだ見てまへんのや・・・
ちょうど今回のハプニングバー行きの事が決まる前後で完成したもんやから、ウチの奴、当日見てのお楽しみやデなんてニヤつきながら吐かしよりまして・・・
まったく、誰が一体あないに高い銭払うとる思ってるんやろか?」
私は、苦笑いしながら話した。
「なら、益々、今夜は楽しみ尽くしやないかい?ワシはアンタより、その新作ボンデージの件は情報持ってるんやで。
山田から色々と海外から引っ張ってくれ頼まれて調達したんやからナ。」と、悪戯っぽい笑顔を私に向けた。
「えっ?何を頼まれたんでっか?」
「そら例のリアルなディルドを含め、この辺りじゃ用意出来んモンだらけやろ?想像してみぃな・・・なっ・・・分かるやろ?」
私は今回のボンデージに装備された様々なモノを想像しながら頷いた。
やがてママさんがラウンジスペースから戻って来た。
「奥様、大分緊張が解れてきて・・・楽しそうに皆さんと話してますよ・・・
気に入った相手が決まったら、私の所に来て伝えてくれる段取りになってるんで・・・そして私の方から相手の男性に選ばれた事を伝えるようにしてます。」
西島氏が「梃子になってくれる女性は、もう来てるんかいな?」と尋ねると、ママさんは
「さっき電話があって、もう少し時間がかかるって連絡ありましたわ。
家庭持ってる女性やから仕方無い思うわ。
だからもう少し待ってて下さいね」
「あっ・・・そうそう・・・これでも見て時間潰していて下さいナ。
特別な常連さんにしか見せないモンやけど」とママさんは、カウンター奥から一冊のアルバムを取り出し私達に差し出した。
ラウンジスペースからは妻を交えての賑やかな談笑が洩れている。
しかし、事が始まるまでは暫く時間がかかりそうだ。
私と西島氏はママさんから手渡された《特別なアルバム》を見ていた。
驚く程にエロティックで官能的で刺激溢れる写真が整然と並べられていた。
それは前回に下見に来た折りに見せて戴いた写真の数々より、明らかにクオリティの高い物だった。
【数人の男から穴という穴に怒張した逸物を差し込まれ、苦悶の表情を浮かべる女性の姿】
【SMルームで肉感的な美しい女性がボンデージを身に纏い・・・貧相な体型の男を縛り上げ、ピンヒールの踵ど勃起したペニスを踏みにじる姿】
【肉に食い込むぐらいに縄で縛り上げられた女性が、吊り上げられ苦悶と快楽の入り混じる表情をし、好色そうな男達に囲まれた姿】
【3対3で男女が絡み合う乱交プレイ】
【巨根がバックからヴァギナを押し拡げて、その巨大さにアナルの皺までが伸びてしまっている局部のアップされた写真】
【様々なコスチュームを楽しむ女性達の姿etc・・・】
どれもこれも素晴らしいコレクションだった。
そして・・・アルバムの残り枚数が少なくなったその時に私のアルバムをめくる手が止まり、凍り付いたようになってしまった。
そ一枚の写真が貼られていた。
綺麗にV字型に刈り揃えられた恥毛・・・発達したラビア・・・縦長な陰裂からは大量の愛液が溢れ流れている。
そして何よりも私の目を引かせたのはクリフットに施された【3連のピアス】であった。
ピンクゴールドの3連ピアス・・・クリフットに大きいピアス、そしてその中側に中サイズのピアス、その中に更に小さいピアスが3連になりヴァギナの猥褻さを際立たせている・・・
私は思い出していた。
忘れ去っていた遠く忌ま忌ましい過去。
妻と知り合う以前に便利に使っていたヤルだけの女の事を。
当時の私には複数の遊び相手が居た。
その中の一人の女性・・・
20台前半の目立たないタイプのその女性は、容姿はお世辞にも良いとは言え無かったが体だけは抜群に肉感的であった。
何でも言う事を聞く都合の良い女。
私は当時から自分のペニスにコンプレックスを抱いていた。
その女性とのセックスでも自分のサイズを棚に上げ、言い易いが為に数々の暴言、侮蔑的な言葉を彼女にぶつけ、自分のストレス、欲求のはけ口にしてしまっていたのだった。
朧げな記憶が徐々に覚醒されていた・・・
そう・・・かつて便利に使っていたヤル為だけの女
そんな彼女に吐いた暴言の数々・・・
【お前・・・可愛く無いんやしアソコも緩いんとちゃうか?】
【何や・・・ガバガバやんか?】
そんな酷い言葉にもメゲずにいつも明るく私に嫌われまいと振る舞っていた。
デートといっても、オシャレなスポットに行く訳でも無く、一人暮らしのそいつの部屋へ行き、好き勝手にやりたいようやっていた私。
そして妻と知り合い、女性関係を、ある程度精算せねばならくなって、1番最初に切った女。
ラブホテルで別れ話を切り出し、泣いてすがる彼女が「何でもするから・・・何でも言う事を聞くから・・・だから棄てないで」
その言葉に面倒臭くなった私は、彼女が絶対にやる筈の無い事を言って諦めさせようと思い、当時見た裏ビデオの中にあったヴァギナにピアスをした女性を思い出して言った。
「じゃあ次に会う時までに、アソコにピアスしてこいや・・・だったら考え直してもエエ・・・
この間一緒に見た裏ビデオにあったやろ?
同じようにしてこいや。分かったナ」と彼女のクリフットの皮を摘んだ。
表情を固くして、悲しげ目をしながら
「えっ・・・ そんな・・・出来る訳無いやん・・・ 」
「無理か?・・・ならエエでこれで終わりや」
私は彼女を置き去りにしてラブホテルを出た。
それから数日は後ろめたさと罪悪感に苛まれたが、新しい恋の楽しさがそれを忘れさせた。
しかし終わってはいなかった。
10日程が過ぎた頃に電話連絡が入ったのだ。
私は煩わしさを隠さずに受話器を握っていた。
「何なんや・・・もう終わってる筈やで 」
「何言うてるん?終わってないで。
アンタに言われた通りにピアスしたんや」
今度は私が絶句する番だった。
「えっ・・・嘘やろ?」
「ホンマや。後で見て確認してや。」
「わ・・・分かったワ」
彼女の声が、普段の弱々しい声ではなく、何やら自信に満ちた様に感じさせる声色が私を不安にさせた。
その夜、私達は会っていた。
ラブホテルのバスルームからバスタオルを体に巻いて出てきた彼女を、私はベッドに押し倒して、タオルを剥ぎ取った。
ウァギナには痛々しさの中で、綺麗に輝くピンクゴールドの3連ピアスが施されていた。
そのピアスを食い入るように見詰め、固まる私に彼女は言った。
「メッチャ痛かったけどこれでアンタと別れないで済むなら安いモンや。」
私はヴァギナのクリフットに輝くピンクゴールドの3連ピアスを見詰めたままて彼女の言葉を聞いていた。
「コレ着けて初めてアンタの女として認められたような気がしているんや」
確かに、お世辞にも可愛いいとも言えない顔が自信に満ちた顔になり、数日前とは一変している。
おいおい・・・勘弁してくれよ・・・本気でするかよ?ピアスなんて?・・・このままじゃ完全に取り憑かれてしまう・・・
私は彼女の一途さに恐怖感を覚えた。
私が彼女と離別したい一心で安易に言った一言が、収拾のつかない流れに突き進み始めていた・・・
この時、私の中で大切な女性は、当然、現在の妻である由香利だったのだ。
私は、コイツの存在が疎ましかった。今、考えれば酷い事なのだが、私は身勝手極まりない悪魔と化した。
ヴァギナのピアスを見て固まる私を、満足気に見つめる彼女に私は言った。
「あのな・・・ピアスしろ言うたのは、お前と本気で別れたいが為の口実や・・・ワシは面食いなんやデ。お前みたいなブスじゃ無理なんや。お前はただヤリたい時だけの為の女や!!」
私の豹変した態度と言葉に絶句した彼女は、唇をワナワナと震わせ、その瞳からは涙がボロボロと零れ落ち始めていた。
「ヒドイ・・・ヒド過ぎや・・・誰の為に恥ずかしい思いまでして、こんなモン付けたと思うてるん?
ブス?ブスかて心はあるんやで。
よくも・・・よくもそんな酷い事を・・・
絶対に許さへん!!
絶対にアンタを見返したる!
覚えとき!!」
彼女は無造作に着て来た服を羽織り、私を般若と見紛う表情で一瞥し、ラブホテルを出て行った・・・
それからの10数年間、彼女とはリンクする事は無かった・・・
やがて私は彼女の事も、当時の自分の身勝手さも、その惨たらしい行為も、それらの事全てを都合良く忘れ去ってしまっていた。
しかし今、【Z】のカウンターで見るアルバムに貼られた一枚の写真が忘れていた記憶を・・・思いを・・・鮮明に思い出させようとしていた・・・
単なる人違い・・・否、ピアス違いかも知れない・・・
しかし私の直感は、あの写真がアイツである事を告げている。
果たしてここの常連客なのだろうか?
もやもやとドス黒い、嫌な予感が私を覆い始めていた。
その一枚の写真を見て固まる私に、西島氏は
「どないしたん?
そのピアスに何かあるんかい?」
「・・・ いや、何もあらしまへん・・・見事なモンやなと思うただけですワ」
相変わらずラウンジスペースからは妻を交えた賑やかな声が聞こえている・・・
カウンターの中でインターホンが鳴った。
ママさんが受話器を取り、私と西島氏に合図をくれた。
どうやら妻の梃子になってくれる女性が来店したようだ。
小走りに入口に向かうママさん。
やがてママさんが、一人の女性を連れ立って戻って来た。
えっ!?・・・
何とその女性は前回、私が下見に訪れた時に、その官能的な声で店内全ての男性客の魂を揺さぶったその人だったのだ。
そして・・・私を見て不可思議なリアクションをした女性・・・。
「この間いらした時に、お二人共会っていますよね?」
ママさんは彼女を私と西島氏に【しの】さんだと紹介した。
私は軽く会釈して私と西島氏の間に席を空けた。
「今日は宜しくお願いします・・・ 何か無理をお願いしてしまって・・・ 。」
【しの】さんは、意味あり気な視線を私に向けながら、その容姿から想像出来ぬ、驚く程のハスキーボイスで、
「・・・ 事情はママから聞いてます・・・
ご主人は奥様と他人の振りをして楽しみたいんですやろ?
大してお力にはなれん思いますけど、ウチも楽しみながらやらしてもらいますね・・・
その前にウチも何がご馳走になってエエですか?アルコール入った方が、気持ちも入りやすいさかい」
「勿論ですワ・・・何でも好きなモン頼んで下さい。」
【しの】さんはバーテンにスパークリングワインを注文し、私と西島氏、そしてママさんと乾杯し、美味しそうに杯を重ねた。
スパークリングワインによってアルコールが回り始め、ほんのり頬を染めた【しの】さんからは大人の女性特有の濃密なフェロモン臭が立ち登っている。
私や西島氏も心地良い酔いが回り始めていた・・・
私は、どうしても気になっていた事を、心の中に引っ掛かるあの夜の事を【しの】さんに尋ねた。何故、先日私を見て、怪訝な表情をしたのか聞いてみた。
【しの】さんは私の問い掛けに
「ん・・・ 昔な・・・酷い目に合った男にたろうさんが、ソックリだったんで驚いてしもうたんです・・・気にせんといて下さい。他人の空似ですから」
【しの】さんは、グラスを傾けながら答えた・・・
私は【しの】さんの言葉を聞いて形の見えない不安を感じていた。
あの忌ま忌ましい過去の記憶にリンクするような【しの】さんの言葉・・・
まさか・・・隣に座るこの女性・・・【しの】と名乗る彼女がアイツなのか??
しかし容姿も声も違い過ぎる・・・。
これから始まるであろう妻の淫靡な狂態に対する楽しみより、【何か良からぬ事が起こるのでは?】
そんな不安が私を包み始めている・・・
ラウンジスペースや、奥のボックスからの嬌声は増していき、BGMで流れる、気怠いボサノバが私の不安を掻き立て重くのしかかる様だった。
時計の針はすでに10時半を回っている。
賑わいを増す【Z】の店内。
やがてママさんが私の横に立ち耳打ちした。
「奥様、お相手を決めたようですよ・・・ボンデージに着替えたいって言うてますから更衣室にご案内しますわ・・・
先に【しの】さんにお相手と絡んで貰ろうていた方がスムーズやと思うんで準備しますね」
ママさんはラウンジスペースに向かった。
その言葉を聞いていた【しの】さんも
「じゃあウチもトイレ済まして、準備しますね」と、席を立つ【しの】さん。
そしてママさんに連れられて妻も明らかにテンションが上がりスイッチの入りかけた表情で大振りなバッグを抱えて更衣室に向かった。
この動きに店内の雰囲気は一変して牡達から放射される行き場の無い毒々しい欲求が支配し始めていた・・・
熱く・・・重苦しく・・・息苦しい・・・
むせ返るような【Z】の店内・・・
ママさんに連れられて先程本楯でカウンターに座っていた品の良い初老の髭の男性が格子状のSMルームに入って行った。この男性が妻の相手なのだろう・・・
ラウンジスペースからは選ばれなかった男達の怨みにも似たエナジーが洩れ伝わって来る・・・
やがてトイレから【しの】さんが戻って来た。
「さて・・・たろうさん、ソロソロ始めますわ」
その言葉が終わるか終わらないうちに【しの】さんは、呆気に取られる私や西島氏を尻目に、その場で着ている物を脱ぎだした。
見事なまでのプロモーションを黒赤のコンビのスリーインワンが際立たせている・・・
バックシームの入ったガーターストッキング・・・
バッグから黒いピンヒールと二の腕までの長さのグローブを取り出して身に着けた。
そして脱いだ服を綺麗に畳み、バッグと共にカウンターの中のバーテンに手渡した。
【しの】さんは、一旦席に座り、黒色のビロード地のグローブで残されていたグラスを持ちスパークリングワインを気持ち良く飲み干した。
【しの】さんもこれから始まる【性の宴】での悦楽を予見し、興奮し始めているのだろう。
アルコールだけでは無い高揚した表情をして私に向き直り無言で私を見詰めて再び立ち上がった。
【しの】さんが立ち上がった時に【しのさんの牝のフェロモン塗れの芳香】が、フワッと私の鼻腔を刺激した。
ん、ん・・・この匂いは・・・
私は自分の鼻腔奥底に染み付いて残る、この匂いに覚えがあった・・・
しかし記憶を辿る間も無く、私と西島氏は【しの】さんに連れられ格子状のSMルームに連れて行かれていた。
SMルームの中では先程の老紳士が手持ちぶたさと、これから起こる事への期待を入り交えた様子で待っていた。
【しの】さんは初老の男性に
「ママから聞いてます?【ゆきみ】さんは初心者だから私が助けてあげながら・・・になってるんやけど・・・大丈夫ですか?
それとこちら二人は私のツレやから一緒に見せて欲しいんやけど・・・
エエかな?」
戸惑い気味の初老の男性に【しの】さんは有無を言わせぬ物があった。
私と西島氏も初老の男性にペコリとお辞儀し
「邪魔しませんよって、宜しゅうお願いします」と挨拶した。
微妙な空気が流れるSMルームの中を改めて見回して見た。
壁には数々の小道具が掛けられ、天井には大掛かりな吊りに使う為の機材がぶら下がっている。
これらの日常から掛け離れた小道具、このエロティックな空間・・・そして淫靡な姿の妻と、しのさん・・・ この全てが私の高揚感そして興奮を極限に導こうとしていた・・・
傍らの西島氏も同じ気持ちでいたようだった。
小声で「こりゃ見物やな・・・えぇ女二人に責められる初老の男・・・しかしワシもアンタの嫁ハンの梃子が、この女性だとは夢にも思わなんだワ・・・楽しみやナ」
「ホンマですなぁ・・・期待十分ですワ」
私達はどちらとも無く顔を見合わせ頷いた。
【しの】さんは初老の男性に「じゃあ【ゆきみ】さん準備しているから、先に始めるね?脱いでもらおか?」と、ぶっきらぼうに言った。
初老の男性がノロノロと仕立の良さそうそうなスーツを脱ぎ、ネクタイ、ワイシャツと脱いで行き、トランクス一枚になった。
SMルームの中で【しの】さんの命令によってトランクス一枚になった初老の男性。
驚いた事にトランクスは呆れる程に隆起している。
西島氏が小声で
「オッサンのデカイわぁ」
私も「これかなりの巨根ですワ・・・由香利の奴、ひょっとして巨根を見分ける特殊能力でもあるんちゃいますやろか・・・怖いワぁ」
【しの】さんはトランクス姿になった相手を横たわらせてヒールの爪先でトランクスの膨らみを弄び始めた。
苦悶の表情をする初老の男性。
「変態やね・・・アンタ・・・イイ歳して・・・こんな事されて気持ちエエなんて」
「はい・・・私は変態です・・・もっと虐めて下さい」
その言葉に【しの】さんは豹変した様にキツイ顔になり
【虐めて下さいだぁ!このエゴマゾがぁ・・・
お前をどう扱うかは私が決めるのだよ!
偉そうにお願いしてるんじゃないよ!!」
と、爪先に力を込めた。
空間の中に広がる異様な緊張感。
初老の男性の呻き声が響く・・・
その時に外から凄まじいウオォォッぉ・・・っという、どよめきと口笛を吹く音が聞こえて来た。
格子の外のカーテンが開かれて【魔性のボンデージ】に着替えた妻が、ママに連れ添われて入って来た・・・
時が止まった・・・。
新しく山田君の所にオーダーされ作られたボンデージ。
私も見るのは初めてだった。
前回の物と基本的には同じデザインだが、ハイレグ度が増している。
胸の谷間が強調されたデザイン。
ガーターの金具が付いていて網タイプのガーターストッキングを履いている。
特殊加工され黒光りしたラバー。
同素材のロンググローブにニーハイのブーツ。
踵は8センチぐらいか?
そして何より驚いた事はボンデージの股間から生えた生々しいディルド!
まるで妻の肉体から元々生えていた物であるように黒光りして血管の浮き上がり起立したペニス・・・
当然クロッチの内側には【伝説の竿師、藤田】の巨根を型取ったディルドがヴァギナ深く挿入されている筈だ・・・一体どんな構造になっているのだろう?・・・
妻は、一歩、歩く事に切ない表情になっている。
ヒップが歩く度にキュンキュンと引き上げられているようだ・・・
瞬時にしてSMルームは【あの匂い】に染まった。
そう・・・妻のヴァギナから溢れ出るフェロモン臭とラバーの混ざり合う匂い・・・
牡を引き寄せ、狂わせるあの匂いに・・・
その異彩を放つボンデージに身を包み、佇む妻。
【しの】さんも、初老の男性も妻のボンデージ姿から視線を外せないでいる。
ママさんが私に耳打ちした。
「見せて欲しいって言う人がいっぱい居るんやけど・・・ どうするん? 」
「う~ん・・・見せてやりたいのは山々やけど・・・
あまりギャラリー多過ぎても・・・ウチのが緊張してまうんやないかい?
状況次第やね・・・ 」
「そやね・・・ 皆さんもウチのルールは分かってるから・・・大丈夫やよ。
ほなウチは戻るから楽しんでな。」
そう言うとママさんはSMルームから出て行った。
妻が一瞬、私の方をチラ見して、【しの】さんに少し緊張した面持ちで「宜しくお願いします」と挨拶した。
【しの】さんもニッコリと微笑んで
「楽しくやりましょうね」と答えた。
【しの】さんは手際良く初老の男性(この後から略して男とする)に目隠しをした。
そして様々な小道具の掛かる壁から縄を手に取り、妻に「ゆきみさん、コイツのパンツ剥いちゃって」と促した。
妻は目隠しされ横たわる男のトランクスを躊躇無く剥ぎ取った。
男は期待と不安に身をよじらせながらも見事なまでの逸物を勃起させていた・・・
それを見詰める妻の目が妖しく潤んでいる。
「ソレ踏んじゃって!」
しのさんの言葉にエッっ?!っとした表情の妻。
しかしこの隔絶されたエロティックな空間のなせる技なのだろう、妻は男の前に立ち、右脚を男の固く勃起したペニスに置いた。
その瞬間から妻の目付きが変わった・・・平然と爪先に体重を乗せる妻の姿があった。
「うおぁ・・・あぁ」
痛みに悶絶する男・・・
その悶絶する姿を上から私が初めて見るような酷薄な目で、男を見下しながら、更に爪先に体重を乗せる妻・・・
顔付きが変わり出している・・・
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ」
妻の吐息が粗くなり、右手は股間から生えた見事なペニスを掴んでいる・・・
まるで牡がマスターベーションをするが如くに・・・
こいつマジにSなのか?単なるボンデージ好きのなんちゃってSでは無かったのか?これに味をしめて矛先を私に向けられたら・・・エライこっちゃ!!たまったもんじゃないぞ・・・
しかしそんな私の思いなど、妻にも、しのさんにも伝わる筈もなく行為は続けられて行った。
やがて、しのさんは手にした縄を使い驚くべき手際で男を縛り上げて行った・・・
それは、感嘆に値する技だった。・・・
しのさんの手によって縛り上げられた男は、更に口輪まで嵌められて、SM専門誌にあるグラビアのM男その物であった。
この手の事に免疫の無い私は、目の前で進み行く行為に、ただア然とするのみであった。
妻は、このシチュエーションに酔い知れ始めているのが見て取れる。
興奮のあまり妻はヴァギナを濡らし、ヴァギナから洩れる牝の匂いが室内を隈なく覆っていた。
その妻の姿を見て取ったしのさんが
「ゆきみさん・・・言葉で虐めてごらんなさい・・・
思ったままを口にすれば良いだけ」
妻は、しのさんの方に振り返りどうすれば?何を言えば良いの?
と目で訴えた・・・
数秒の沈黙の後に・・・
「アンタ・・・イイ歳して・・・虐められたいのかい?
縛られて・・・ペニスを踏まれて・・・ペニスだけは立派やないの? ウチの好みやわ・・・ソレ踏みつけられたいんやろ?」
男は口輪を嵌められている為に、
アウッ・・・ウグッアウッ」と意味不明な返事を繰り返しながら身をよじっている。
「何をして欲しいんだい? アンタの汚いそのアナルに私のペニスを入れて犯して欲しいんじゃないのかい」
「ウグッアウッ・・・ウグッ」
「そんな返事じゃ分からないやろっ!!
どうなん?!!」
男は体をビクッとさせ、首を何度も縦に振った。
私はコイツ何言ってるんや?太くて長いのを入れられるのが好きな奴が逆にソレを男なアナルに入れるんかい?まさか本当にはせんやろ・・・ そんな事を考えていた。
しかし結論としては私の認識は甘かった・・・
目の前に居る妻は、すでに覚醒し始めていたのだった。
傍らの西島氏が、私に肘で合図をして、小声で言った。
「こら覚悟しとかなアカン・・・アンタの嫁ハン底無しや」
私は西島氏の言葉に気が遠くなる思いだった。
この生涯忘れ得ない、長い長い夜は、まだ始まったばかりであった・・・
しのさんは妻の言葉を満足気に聞き、男に言い放った。
「本当に変態だねぇ・・・アナルにあんな極太なペニスを欲しがるなんて」
しのさんは男の体を裏返し、足を開かせた。
そして汚い物でも覗き見るように男のアナルを確認して
「何なん?アンタいつもアナル使ってるやろ?
締まりの無いケツしてるワ」
そう言いながら、しのさんは、手にはめていたビロード地の手袋を外し、変わりにゴム手袋をはめた。
そしてローションの入った小瓶を手に取り、男のアナルにタラリ・・・タラタラ・・・とローションを垂らした。
「ヒィッ・・・ウグッ・・・グムッ・・・ 」
縛られて身動きの利かない体をくねらせる男。
しのさんはゴム手袋をはめた右手で男のアナルに垂らしたローションを掬い上げながらゆっくりと一本・・・二本・・・そして三本と指を入れて掻き回している。
「ウゴッ・・・グムム・・・ウグッウグッ」
SMルームに響き渡る快楽に咽ぶ男の呻き声。
それを見る妻は欲情し、目を妖しく潤ませ、自らの股間に生えた逞しいペニスを両手で支え腰を引き気味にして引き締まったヒップを突き出している。
しのさんがゴム手袋の動きを止めて、妻の股間から生えた本物と見紛うようなペニスを見て言った。
「あの立派なペニスはアンタの汚いアナルにはもったいないわ」
しのさんは、そう言うと右手のゴム手袋を外して立ち上がり、妻の方へ向き直った・・・
しのさんの左手が妻の股間に伸びて、5本の指がペニスに纏わり付いて行った・・・
妻は一瞬、我に返ったようにビクッと体を動かしたが、やがて吐息を荒々しく吐き・・・その疑似ペニスにまるで神経が通っているが如く喘ぎ出した・・・
「あぁ・・・あ・・・あん」
しのさんは妻のその姿を尻目に私の方を横目で挑発的な視線を送って来た。
次の瞬間・・・しのさんは膝まづき、妻の股間から生える黒々としたペニスを音を立ててしゃぶり始めたのだ。
その光景に固まる、私と西島氏。
「ジュルッ・・・ジュルッ・・・ジュルッル・・・ 」
しのさんの唾液が黒いペニスをヌラヌラと光らせて行く・・・
妻は眼下の倒錯的な光景にドップリと浸かり、酔いしれ、しのさんの髪の毛を両手で抱えるようにしている。
「ジュルッ・・・ジュルッ・・・ジュルッ・・・ 」
二人のボンデージを着た美女の倒錯的な絡みを、目の当りにし、私は興奮のあまり目が眩むようだった・・・私は為す術も無くただ股間を固くするだけだった・・・ 。
SMルームの中は、絵になる二人のヴァギナから溢れ出る淫臭でむせ返るようであった。
「チュルッ・・・チュパッ・・・ジュルッジュルッ」
いつの間にか立っていた妻は膝をついていた。
しのさんも四つん這いになり一心不乱に妻の股間から生えた巨大な疑似ペニスをしゃぶり続けている・・・
突き出した、しのさんの形の良いヒップは私と西島氏の側に向けられていた。
黒いTバックは濡れてメコ筋がクッキリと浮かび上がっている。
意図的なのかどうかは分かりようが無いのだが、しのさんは少しづつ我々に近寄っている。
距離にして約1メートル。
その事によって、別人のような表情になっている妻の、細やかな心理の変化、体温までが伝わるような距離だった。
黒いボンデージから生える黒々としたリアルなペニス・・・
西島氏が例のルートでアメリカから取り寄せた物だ。
妻の姿は、さながら性を司る神に造り出されたアンドロイドの様であった・・・
一心不乱に、その黒々と逞しいペニスをしゃぶり続ける、しのさんも欲情がピークに近付いているのであろう・・・突き出されたヒップの割れ目・・・メコ筋部分が変色するぐらいに濡れている・・・
「フンッ・・・フンッ」と
鼻を鳴らし身をよじらせる度に、ヴァギナから妻とは違った淫臭が溢れ出て、至近距離の私の鼻腔を強く刺激する・・・
この匂いは・・・この匂いには覚えがあった・・・
先程もカウンターで、しのさんが椅子から立ち上がった時に私の鼻腔を刺激した匂い。
記憶がリアルな匂いによって、より鮮明に思い出される・・・
認めたくない・・・信じたくは無いが、まるで複雑なジグソーパズルのように重なり合う匂い・・・
この匂いは、あの送りつけられて来た、牝の印しが濃厚に染み着いた黒色の高級そうな刺繍をあしらったイタリア製のショーツと匂いが同じなのだ・・・
あの無人の事務所で、自慰に耽り、背徳感の中で感じた快感・・・射精感・・・
私の体が、見紛う事無くこの匂いを覚えていた。
妻のボンデージ・・・ラバーとPVCを組み合わせて象り、ヴァギナ部分の裏地には、伝説の竿師藤田の巨根を型取ったリアルディルドが特殊加工されて装着されている・・・。
それは、膣壁に一分の隙間無く子宮深くまで挿入され、表地のクロッチ部分には竿師藤田の物程では無いにせよ長さ16センチ、太さ4.5センチのカリが張り、血管がいくつも浮き上がり、力強く筋張ったリアルディルドが生えている・・・
そのディルド・・・否、黒光りしたペニスは、しのさんの入念なフェラチオにより命を吹き込まれた如くに生命感が滲み、ヌラヌラと光っていた・・・。
ボンデージと同素材のロンググローブに、ニーハイのブーツ・・・
それは、正に、全身黒づくめの性の戦闘服だった・・・
このハプニングバーZのSMルーム・・・
隔絶された倒錯の空間・・・
その姿でいる妻のペニスを発情した牝と化して、しゃぶりあげる、しのさん・・・
その姿は不思議な程に違和感は無い・・・
SMルームの中に焚き込めるように香る淫臭・・・
欲情し、スイッチの入った、しのさんのヴァギナから溢れ出る愛液・・・
それは、癖のあるフェロモン塗れの淫臭・・・
私は、この淫らで倒錯した空間の中で自身のペニスが痛い程に固くなり、その先端からは牡としての堪えきれない歓喜の涙が流れ出していた・・・
そして今、それに輪を架ける様に私の記憶に染み着いたアノ匂いが鼻を突く・・・
あの送り付けられた牝の印しで汚れ、濃密なフェロモン臭の染み着いたショーツの匂い・・・
記憶と重ね合わされた、目の前のその匂いにペニスの根元は、はち切れんばかりになっていた・・・
「ハァ・・・ハァ・・・アァ・・・何やの・・・コレをしゃぶられて感じてまうなんて・・・
神経が通ってるみたいや・・・ハァ・・・ハァ」
妻は、まるで男がするように、しのさんの頭に腕を回し腰を緩やかに動かしている・・・
「アウッ・・・あぁ・・・辛抱たまらん・・・ウチ・・・もう、立ってられへん」
潤んだ目の妻は、尻餅を付くように座り込んでしまった。
それでも、しのさんは妻のペニスを口から外さない・・・
上半身を俯せ気味にし、グイッっとヒップを我々の方に突き出してフェラチオを続けている。
「フン・・・ウフンッ・・・フンッ・・・ウグッ・・・ウフン」
鼻を鳴らし、突き出したヒップを揺らしている。
やがて、しのさんは左手を体の下側に通して、自身の濡れてショーツが張り付いたヴァギナを二本の指で捏ねくり始めた・・・
「フンッ・・・アグッゥ・・・フン・・・ウグゥッ・・・ 」
しのさんのヴァギナを捏ねくり回すスピードが上がる。
しのさんの指が、邪魔とばかりに、ビチョビチョに濡れて張り付いたショーツを脇にずらした。
【アッ!!・・・ 】
剥き出しにされたそこには、愛液で濡れて妖しく輝くピンクゴールドの3連ピアスが!!
興奮・・・そして激しい困惑・・・
この、しのと名乗る女性はアイツなのか!? しかし、あまりに容姿が違い過ぎる・・・
そんな私の困惑を嘲笑うように、しのさんは妻のペニスから口を外し、妖しく輝く瞳で私を一瞥し
「ゆきみさん、辛抱出来へんわ・・・挿入てぇな」
と仰向けになり、スラリと綺麗な脚を高々と上げ、これ以上は無いぐらいに大きく広げた。
分厚いクリフットに妖しく光るピアス・・・
綺麗にV字型に刈り込まれたヘアー。
使い込んでいるのであろう・・・発達したラビア。
そして大きく口を開け、濡れた赤黒い欲望の入口・・・
妻も、しのさんの繰り為す発情した牝の挑発的な行為に吸い込まれるように体を入れ替え、声を上擦らせながら
「エェか?挿入るで」
と自身の股間から生えた見事なペニスの根元を掴み、欲情の源へ押し当てた。
ズブズブッ・・・ズブッ・・・
黒々と発達したペニスが、しのさんのヴァギナに深く吸い込まれて行く・・・
「あうっ・・・あぁ・・・あっ」
妻の顔が別人のように変化して行くのが分かる。
男顔になっている・・・。
馴れぬ行為の筈なのに、自然な動きで腰を入れている。
「あぁ・・・固いのぉ・・・いぃ・・・もっとよ・・・もっとぉ」
しのさんの発情の声に応えるように激しく腰を打ち付ける妻。
「ここかい?これがいいのか?あぁ?」
まるで何かに憑かれたような言葉遣いと態度だった・・・。
グチュッ・・・グチュッ・・・ズボッ・・・グチュッ・・・
ラビアを、めくり上げながら出入りする黒い逸物。
黒いペニスが出入りする度に、トロトロした愛液が溢れ、飛び散り、イヤらしく匂うフェロモン臭を撒き散らして行く。
その傍らで、目隠しされ縛られて放置されたままの男は、体温や匂いを感じられるこの距離で繰り広げられる妻としのさんの倒錯のプレイに欲情し壊れかけている。
悦楽に身をよじりながら、口輪をされている為にグモッた声で「ウグゥゥ・・・ウグゥ・・・グゥ・・・ウオッッ」唸り声を上げている・・・。
横に居る西島氏も、額が汗ばみ、驚く程に呼吸が荒くなっている・・・
甘酸っぱい匂いが充満し、牝と牝の体液が入り混じる中で、西島氏は興奮の余り譫言のように
「エライこっちゃ・・・エライこっちゃ」
と呟き、年齢を凌駕するような力強い隆起をズボンに表している。
私は私で、この倒錯的な情景に、体験した事の無い量の我慢汁がパンツを濡らしていた。
妻に腰を打ち突けられ、快楽に浸る、しのさんが下から妻の首に手を回し、妻は妻で自然な形で、しのさんの腰に手を回して起き上がらせて、結合したままで体を密着させ抱き合う型になった。
「クチュッ・・・クチュッ・・・クチュッ・・・ 」
お互いが、ゆるやかに腰を動かしながら官能のツボを探り当てている。
しのさんが妻の顔に自分の薔色の唇を近付けた。
一瞬、見つめ合う、妻としのさん・・・
次の瞬間、何の躊躇いも無く口を半開きに開けて自分の唇をしのさんの唇に合わせる妻。
「チュルッ・・・チュルルッ・・・チュッ、チュッ」
舌を吸い合い、舌を絡ませ、互いの唾液を啜り合う二人・・・
妻も、しのさんも、目が虚ろになっている。
ジュブッ・・・ニチャッ・・・ジュブッ・・・ジュブッ・・・ニチャッ・・・
抱き合い体を密着させながらではあるが、互いの腰の動き、ペニスの長さに慣れた二人の腰を出し入れする幅が明らかに大きく激しくなり始めていた。
「あおぁ・・・おおぅ・・・たまらないわぁ・・・ハァ・・・ハァ・・・うぅ・・・もっと・・・もっとぉ」
その感極まる姿と声を、耳と肉体で聞く妻。
それは、男が女の反応に酔いしれて弄ぶようだった。
顎を、やや上げ気味にし、しのさんを見下し、口元を緩ませた表情のまま腰を打ち突ける妻・・・
私はぼぉーっとハウリングするような耳鳴りがする感覚の中でそれを見ていた。
余りに刺激的過ぎて、間近で行われている筈の、この行為が遠くで行われているような錯覚に襲われていた。
その刹那、放置されていた男が興奮の余り「ぐぁ・・・うおっ」っと一際大きい呻き声を上げて
ビクッビクッ・・・ビクッビクッと痙攣し、数度に分け大量のザーメンを射精した。
私は、男のアクションに反射的に我に返った。
西島氏も同様だった。
しかしそんな静寂などは一瞬に過ぎなかった。
グチョッ・・・グチョッ・・・グチョッ・・・
「あっ・・・あぁ・・・イクッ・・・イクッ・・・突いて・・・もっと・・・もっとぉ」
むせ返る様な甘酸っぱい匂い・・・
私を嘲笑うように官能的なセックスを続ける二人だった。
「グチュッ・・・グチュッ・・・ジュボッ・・・グチュッ」
しのさんのヴァギナに、埋まっている妻の黒々としたペニスが、ラビアをめくり上げながら、動きを増している。
倒錯の空間には男を虜にする淫臭が隅々まで満ちている。
目の前で繰り広げられるアブノーマルな世界。
私は混乱の中に居た。
リンクし始めた疑念・・・
あの日に送り付けられて来た濃密な牝の印しの付着したショーツ・・・
そして【Z】のアルバムに貼られていた一枚の写真・・・そう・・・私自身の封印されていた忌まわし過去、あの女と別れる為に仕向けた非道。
クリフットに施されたピンクゴールドの3連ピアス。
何故【Z】のアルバムにあの女?のヴァギナの写真が貼られているのだ?
本当にあの女なのか?・・・
この隔絶された空間の中で、妻と絡んでいる相手・、
【しの】と名乗るこの女性のヴァギナのクリフットには、あの写真に写っていた物・・・あのピアスと寸分違わない物が付いているのだ。
そして・・・この【しの】と名乗る女性のヴァギナから香る癖のある男を虜にする淫臭。
あのショーツに染み付いた匂いと同じなのだ・・・
だがしかし・・・あの女と、しのさんでは余りに容姿が違い過ぎる・・・しかし有る筈なのだ、あの女との決定的な共通点が・・・
私はこの倒錯の空間の中、痺れ始めた脳を奮い立たせて必死に思い出していた。
《目の前に居る、しのと名乗る女と、あの女の共通点を》
時計の針が逆回りし、時が戻されて行く・・・
何か共通する物は無いのか?
《そう・・・あの女には乳房にとアナルの横にホクロがあった筈だ!!》
では、目の前の、しのと名乗る女には?
妻がピストン運動をしている以上、アナルのホクロは確認する術は無い。ではバストは?
スリーインワンを身に着けたままでプレイしている為に見えそうで見えない・・・
この【しの】と名乗る女が、あの女なのだとしたら一体、何の為にあのショーツを送り付けて来たのか?
何の意味があるのだ・・・
そして今、妻と絡むのも何か意図があるのか?
単なる偶然なのか?
しかし・・・偶然にしては出来過ぎている。
下着を剥ぎ取り、無理矢理にでも裸にし、その体にあるであろう印しを調べてやりたかった。
でも・・・ この状況で、そんな事が出来うる訳も無かった・・・
妻にも説明がつかない・・・
実証出来ない物・・・
私は、答えの見えないじれったさに苛立ち始めていた。
「あぁっ・・・イクっ・・・もう・・・もう・・・アカン・・・アカン・・・あぁぅっあぁぁ」
髪を振り乱して、断末魔の叫びと同時に、しのさんの下腹部に波打つような痙攣が走った。
ビクッ・・・ビクッ・・・ビクン・・・ビクッ・・・
それと同時に全身を汗で光らせた妻も激しく呻き声を上げた。
「ウチも・・・ウチも・・・イッてまう・・・あおおっ・・・あぁぁ」
ガクッガクッと体を揺らして崩れる妻。
しのさんに体を重ねるようにして動かなくなってしまった。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ」
息苦しい空間の中に快楽の後の荒々しい吐息だけが聞こえていた。
これを見続けていた西島氏は、興奮のあまり焦点の定まらぬ視線で、口を半開きに開けて、呆けたようになっている。
先程射精した、縛られたままの初老の男性も、この異様な淫靡な世界に、微動だに出来ず、固まってしまっている。
「ハァ・・・ハァ・・・ 」
中々、荒い呼吸の収まらない妻が、ノロノロと起き上がり、結合されたままのペニスを抜き取った。
ズルッ・・・ズルリッ・・・シュポッ・・・
抜き取られた瞬間に広がる、更なるムッとする様な強烈な淫臭・・・
黒いペニスの表面は、しのさんの白濁色の愛液で覆われていた。
後頭部が痺れるような興奮を感じながらも私は、当初からの疑念を晴らすべく、しのさんのアナルのホクロの有無を確認するべく、ポッカリと口を開けたベトベトになっているヴァギナの下を注視した。
汗と愛液で濡れて光っているせいが中々確認出来ない・・・
覗き込む私の姿を見て、妻は何を思ったのか、私が、しのさんのヴァギナを見たいとでも思ったのであろう・・・
サービスのつもりで、あろう事か、しのさんの両脚を抱える様に持ち上げて開脚させ、その秘めた部分をまる見えにしてくれたのだ。
その部分に顔を近付けてホクロの有無を確認する私。
そこから沸き上がるむわっとする淫臭が後頭部をガツンと刺激し、ペニスの付け根が痛い程に固さを増した。
《あっ!あった・・・見つけた!!
そこには10数年前の記憶通りに米粒大のホクロがあったのだ・・・》
やはり、この【しの】と名乗る女性はアイツなのだ。
いかなる手立てで顔を変えたのか?
当時の面影などは何処にも無い・・・
一重だった瞼は二重になり、ふくよかだった顔は引き締まっている。
ガタガタだった歯並びは美しく並び白く輝きを放ち、表情は明らかに自信に満ちていた・・・
淫靡で濃密な、妻と《しのと名乗る女性》の、レズビアンショー紛いの行為は終わった。
しかし【Z】の閉ざされた、この空間の中には発情した牝と牝の体液が入り混じり、猥褻さを増した残り香が色濃く漂っている。
そして、その行為の齎した毒を含んだ刺激が、西島氏と初老の男性を侵していた。
虚脱感にも似た物が、二人の男性の力を見るからに奪い取っている。
私にしても《しのさん》に対する一連の疑念が無ければ、同様の状態・・・否・・・それ以上にやられていたであろう。
やがて、気怠そうにしのさんが起き上がり、傍らで縛られたままの初老の男性の口輪を外した。
ハァ・・・ァァ・・・ハァ・・・
この空間の独特の物と合間って口輪をされている事で苦しかったのであろう・・・
大きく息を吸い込みながら肩を上下に揺らしている。
「大丈夫かいな?
シンどくやらへん? 」
「はい・・・大丈夫ですワ・・・興奮しましたワ・・・ 何もせんと射精したのはこの歳にして、初めてでしたワ・・・。
あぁ、びっくりや・・・ 」
照れ混じりの表情で初老の男性は答えた。
「どうする・・・もっと続けるか?」
しのさんは初老の男性に問い掛けながら、横目で妻に視線を投げかけた。
「もっとしたい気持ちありますけど、気持ち良過ぎて、いっぱい、いっぱいですワ・・・ どなたかにもチャンスあげて下さいナ」
妻も、しのさんの視線を感じ、合わせるように答えた。
「ウチも一休みしたいわぁ・・・腰がガクガクやわぁ」
しのさんは、妻に妖しく微笑む返して
「じゃあ、少し休もか?」
と答えた。
「じゃあウチ、トイレして来るわ・・・
コレも一回脱ぎたいねん」
一見、ペニスバンドが装着されているように見えるボンデージを指差す妻。
同時に西島氏も、ヨロヨロと立ち上がり、
「うぁ~エグィもん見せて貰うたワぁ・・・
ワシも一回、クールダウンや・・・ 頭が、ぼーっとしてるワ・・・ 」
そして初老の男性も、しのさんに繩を解かれて、服を着て立ち上がっていた。
SMルームを出る妻につられるように部屋を後にする西島氏と初老の男性。
表からは、先程までこのSMルームから響いていた官能の声に刺激を受けていた人々が、その妻の淫靡なボンデージ姿に喝采の声を上げているのが聞こえた。
この淫臭に満ちたSMルームには、疑念の相手である《しのと名乗る女性》と、私の二人だけになってしまった・・・
ハプニングバー【Z】のSMルームに残されたのは、私と、しのさんの二人だけになってしまった。
黒いスリーインワンは身に着けてはいるが、下半身は剥き出し状態の、しのさん・・・
肉厚の濡れたヴァギナに妖しく輝くピアス。
僅か十秒程の沈黙が、厭に重苦しい。
「フゥ~ッ」
私は、この空気の重たさに耐え切れぬように深々と息を吐き、呟くやくように目の前のしのさんに尋ねた。
「なぁ・・・ 明美なんか? アンタ明美なんやろ?」
しのさんは、私の問い掛けに一瞬、ほんの僅かにだが顔を引き攣らせた・・・
「なぁ・・・その3連のピアス・・・アヌスのホクロ・・・
ちゃうんかい?」
更に重苦しい沈黙が流れた・・・
「ワシの事務所にあんなモン送り付けて来たのもワレの仕業やろ?
どないこっちゃ・・・ 」
「フンっ・・・ 」と鼻を鳴らして
「遅いわぁ・・・ ようやく気付いたん?
まさかこんな場所で再会するとは思わなかったわ・・・ 」
「エライ変わりようやないかい?
あまり綺麗になってるんで驚いたワ 。」
《しのさん》は、私の発したその言葉に眉間に縦皺を作り、目を吊り上げ気味に吐き捨てた。
「アンタに言われたくないわ!!
あの時の仕打ち、一生忘れん。
悔しくて、悔しくて、悲しくて・・・
綺麗になってアンタを見返したくて・・・
出来る事なら何でもしたワ!!」
まくし立てるように吐き捨てた。
そして私を意味あり気に見詰め、口元を歪めながら
「アンタ・・・綺麗な奥さん貰うて幸せそうやな?
今夜はホンマ、長い夜になりそうや・・・
楽しみにしとき!!」と
捨て台詞を吐いてSMルームを出て行った。
【一体、何を企んで、何を仕掛けるつもりなのだ・・・】
私は、一人取り残された淫臭漂うこの部屋で形の見えない、この後に起こる事に、怯えにも似た感情に苛まれていた。
やがて、西島氏が現れ
「いつまでココに居る気や?
アンタの嫁ハンも、しのさん達と、ラウンジで楽しそうに飲んでるデ・・・
ワシらもカウンターで飲み直そうやないかい?」
西島氏の言葉に促されて、私はカウンターに戻った・・・
いつの間にか【Z】は.先程よりも来客者が増えて、談笑する声、切なく喘ぐ声とが、賑やかかに店内を覆い尽くしていた。
薄暗い照明と、ボリュームを上げられたBGMに流れるボサノバが、この【Z】の雰囲気を、より淫靡な物に感じさせていた・・・。
それぞれの思惑が重なり合う【Z】のラウンジは女性達の醸し出す牝のフェロモンが居並ぶ11名の男達の理性を壊し始めていた。
誰ともなく
【ゲームをやろう。王様ゲーム!!】
の声が出て、この場の雰囲気と、程良く回るアルコールが皆を躊躇無く王様ゲームに参加させた。
その時に後ろのソファーに陣取る仲間なのであろうか?彼らに合図を送りながら一人の体格の良い30代半ばぐらいの男性が、「失礼します・・・仲間に入れて下さい」と、にこやかにお辞儀をしながら入って来た。
同時に、ラウンジの入口から背を向けていた、しのさんと、妻が【何?誰が来たの?】とばかりに振り返った。
しのさんも、この男と知り合いなのであろう。
何やら怪し気に目で合図を送り合っていた。
そして、同時に振り返って男を見た妻の表情が強張り、そして固まった。
明らかに動揺して俯いている・・・
横目で、その妻の動揺する姿を真紅のルージュで染めた口元を歪めながら見る、しのさん・・・
何なんだ?妻の知り合い?・・・しのさんの友達を妻も知っているのか??一体、誰なんだ?・・・
私の心に重く暗い影が過ぎった。
首から下げたネームプレートには【りょう】の名前。
【りょう?りょう?・・・誰だろう?・・・】
私は、この時に肝心な事を思い出せないでいたのだ。
妻と、しのさんの共通の知り合い・・・この事に気を取られ記憶の中に在った筈の【りょう】の名前を思い出せなかったのだ。
しのさんの私に対する悪意を念頭に考えれば、可能性の網をもっと広げて、すぐにでも気付く筈なのに・・・
俯いている妻の顔色が心持ち青ざめている。
しかし、テンションの上がったこの空間の人々はそんな事に気を止める様子も無い・・・
「さぁ皆さん始めましょうか!!」
40代ぐらいのカメさんと書いたネームプレートを下げた元気の良い男性が、箸立てに入れられた人数分のくじを持って中央に立った。
そして、皆にナンバーを書いたカードが配られた。
異様な熱気に包まれ出した【Z】のラウンジスペース・・・
その熱気には、あらゆる欲求が入り乱れ・・・どす黒い悪意までもが隠されていたのだ・・・
後戻り出来ない状況の中で、それは始まってしまった。
王様ゲームが始まった。いつの間にか進行役のようになっている【カメさん】と書かれたネームプレートを下げた男性が、皆にくじを引かせて回っている。
「当たったぁ!」
【なみ】と書かれたネームプレートを下げた、ピンク色のナース服にコスプレした20代半ばの可愛いらしい女性が歓声を上げた。
「じゃあ・・・③番と⑨番が下着一枚になってぇ、キス!」
意地悪そうに笑う【なみ】さん。
皆、自分のカードを恐る恐る確認する。
「えっ?③番?俺やわぁ」と誰が相手なんだとキョロキョロと確認する、おでこを脂っこく光らせた30代の禿上がった男性。
その場に居る全ての人間が、相手は誰?ばかり周囲を伺っている。
何しろ相手が女性になる保証なんて無いのだ。
4:1の割合で男の方が多いのだから・・・
「えぇ~俺やわぁ・・・何でやねん」
顔をしかめて自分のカードを見せたのは、進行役として盛り上げてくれていた【カメさん】であった。
割れんばかりの拍手を受けて逃げ場を無くされた二人は、成るように成れとばかりに覚悟を決めてパンツ一枚になり、抱き合い、顔を引き攣らせながらキスをした。
妻を含めた全員が腹を抱えて大笑いし、場の雰囲気が一気に和んだ。
パンツ一枚のままの【カメさん】が口を拭いながら、「さぁ次・・・次行きましょう。前座は終わり~」と、再びカードを集めて配り直し、くじを回した。
やがて「ワシやわぁ・・・ 」 の声。
手を挙げてくじの先端に塗られた赤い目印を見せたのは西島氏であった。
「う~む・・・パンツ一枚になって②番が⑫番の乳首を舐める・・・あっ・・・二人共にパンツ一枚やデ」
周囲を見渡し、ニヤニヤと慢心の笑顔で命令?する王様である西島氏。
先程の男同士の絡みがあっただけに全員が自分のカードを見ながら、周囲を見渡している。
「ウチやわぁ・・・⑫番。
当たってもうた・・・ 」
その言葉の主は【しのさん】であった。
「うおぉぉ」
誰ともなく叫ぶ声と共に男達全員が欲望の目をしのさんに向けた。
皆が自分のカードに目を落として番号を確認する・・・無論、私も・・・
「グッ・・・②番?えっ・・・②番・・・ 」
②番を持っていたのは私だったのだ・・・
よりによって、しのさんの相手が私だとは・・・
私は、手を挙げて②番を持っている事が言えないでいた。
「誰や?誰?勿体つけんと、早よ、誰や?」
本当に勘弁して欲しい・・・
「おいおい・・・一体誰や?それとも、女の子に当たってしもうたんかい?」
西島氏はラウンジに座る皆を見回しながら困り果てたような顔をしている。
・・・ 参ったな・・・もう仕方ない」
私は斜め前に座る妻をチラッと見て、ノロノロと②番と刻まれたカードを挙げた。
「何や、アンタだったんかいナ」
呆れ顔の西島氏の言葉を聞くなり、私を見るしのさんの目が大きく見開き、妖しく光った。
と同時に自分の男遊びはさておき、亭主のこの手の遊びには免疫の無い妻は明らかに困惑の表情で私を見詰め、交互にしのさんの顔をも伺った。
しのさんは、そんな妻の視線を無視するように私に意味あり気な合図を送って来た。
周りからは、囃し立てるような大きな歓声と拍手が沸き起こっている。
しのさんはラウンジの中央で体の線がはっきりと浮き上がる黒色のマイクロミニのワンピースを着たままで、私が来るのを待ち構えていた。
ノーブラで体にフィットするワンピースを身に着けている為にワンピースのバスト部分からは左右にクッキリと乳首の突起が浮かんでいる・・・。
私も、この場の逃げようの無い雰囲気の中、覚悟を決めてしのさんの待つラウンジ中央に向かった。
しのさんは、皆を見回して、真紅のルージュを塗った唇に人差し指を当て、その引き締まったヒップを突き出すようにしてもう少し静かにねとでも言いたげにして、おもむろにワンピースをたくし上げて脱ぎ捨てて、黒いTバック一枚になった。
その姿に男女問わずに、ため息にも似た歓声が漏れた。
しのさんは、そのセクシー窮まりない姿のままで腰をいやらしくクネらせながら私の首に手を回し周りに聞こえぬように囁いた。
「私の好きなようにさせて・・・ じゃないとメチャクチャにするよ?
エェな?」と
私の耳に熱い吐息をかけながら囁くしのさん。
私はギクリっ!としながら過去の負い目と、妻に何かされては敵わないとの思いで、しのさんの申し出を拒否する事も出来ずに立ち尽くしていた。
やがてしのさんは、皆の見てる前で、まるでポールダンスでもするかのように、私の体に纏わり付きながら器用に私のベルトを外しズボンを脱がせ、シャツのボタンも外し、私をTシャツとボクサーパンツ姿にしてしまった。
ラウンジ内は、ヤンヤの歓声に包まれて異様な盛り上がりになってしまっている・・・
私は妻の目が気になり、辛い表情のまま顔色を伺った・・・
そのなまめかしい肢体を私の体に絡ませて悦に浸るしのさん・・・
ペトリと私に密着された、その形の良いバスト・・・
乳首が固く勃起しているのが皮膚を通して伝わっている・・・
しのさんの成熟された肢体からは、芳しく甘酸っぱいフェロモン臭が沸き立ち、私の鼻腔を強く刺激している・・・。
妻のリアクションが気が気で無い私は困り果てた表情を作りながら視線を妻に向けた。
妻は一見、平静を装ってはいたが、その私としのさんを見詰める目は明らかに温度が違っている・・・
妻自身、この瞬間に抱いている感情を理解出来ていないのではないだろうか?
その複雑な心境を・・・
妻には免疫が無いのだ。私が女性と絡む状況に。
自分の遊びに対しては夫の公認であるが為に・・・
夫婦で楽しむ為の材料と位置付けて、永く重ねている間に妻自身の罪悪感が希薄になってしまっているのだ・・・
しかし・・・その立場が代わり、私の事となれば・・・
【ジェラシーと怒り・・・
そして・・・いきなり高所に立ち、足場を外されたような怖さと不安感・・・】
そんな感情が妻を支配している筈だった。
一瞬・・・ほんの一瞬だが妻の視線と私の視線がクロスした。
そして、伏せるように視線を外してしまった妻。
私と妻の間に走った微妙な空気・・・
それは破壊力の計れない時限爆弾を起爆させるスイッチが押された瞬間でもあった。
その微妙な空気を私に密着させた肌で敏感に感じ取る、しのさん・・・
しのさんは嘲笑うように真紅のルージュで塗り込まれた唇を半開きにし、耳元で囁いた。
「さぁ・・・これからが本番やで・・・クスッ」
小さく燻り始めた火種。それを悪意を持って大火にしようとするしのさん。
しのさんの細く伸びた、しなやかな指が私の股間をまさぐり、舌先が乳首を刺激している。
しのさんの視線は妻を挑発している。
このラウンジ内の人々は勿論私達の事情など知る由も無く、盛り上がるゲームの一環として捉え、大いにこの状況を楽しんで刺激を受けていた。
やがて私の股間は、私の意思とは関係無く固く起立し始めてしまった。
しのさんは指に伝わるその感触に満足し呟いた。
「久しぶりやな・・・アンタのコレ・・・
本当ならウチのやったのに」
妻に聞かれてはエライ事になると焦りながら、私は、その言葉に対する答えに窮して無言でいるしかなかった。
それに、乳首とペニスから伝わる快感を堪える事で精一杯であった。
取り敢えず何としてもこの状況から脱したい!!
私は妻から伝わる怒りにも似た刺すような視線と、巧みなしのさんの攻撃による快感に耐えながら、西島氏に救いの目を向けた。
西島氏は私の縋るような視線に、ただならぬ物を感じ取り
「よっしゃ。次行こう、次や、いやぁ凄かった、」
と助け舟を出してくれた。
冷やかすような歓声と拍手。
ようやくしのさんから解放された私は西島氏に軽く会釈し、助け舟を出してくれた事に感謝した。
この私としのさんの絡みをきっかけに【Z】のラウンジスペースは一気に盛り上がり、ヒートアップし始めた。
人数の関係で再び男同士が絡んでしまう事もあったが、それはそれで笑いと共にこの場を盛り上げた。
王様に選ばれた者の注文も、どんどん過激になりながらも、指名された者は隔絶された非現実的な空間の気安さなのか、一瞬の躊躇の後で次々と注文をこなして行った。
異様な熱気を引きずりながらゲームはどんどん進行して行った。
トップレス状態のままでTバック一枚の姿である、しのさんがくじを引き当てた声が響いた。
「ウチが王様や!!」
「なぁ、まだ当たってない女の子居るやんか?
当たってないのは、ゆきみさんだけや。
王様の権限で一人は、ゆきみさんでエェか?」
この雰囲気の中で異存がある者など居る筈も無く万雷の拍手と歓声がこだまして
「いいぞ!」「えぇよ!」
その場に居る全ての男性客の性欲が大きな塊のようになり、この空間を覆った。
「じゃあナ・・・相手もウチが決めてエェか?文句無しやデ」
「じゃあナ・・・相手もウチが決めてエェか?」
この場の雰囲気が王様ゲームのルールを覆す事すら違和感の無い物にしてしまっている。
男性客から当然のように
「エェよ!」「いいゾ!」の声と拍手が鳴り響いた。
この雰囲気に、さすがの妻も動揺している。
我が意を得たとばかりに子悪魔のように微笑んだしのさんは勿体振るようにラウンジを見回して
「相手は・・・そうやな、アンタや、アンタ」と
【りょう】と書いたネームプレートを下げた男性を指名した。
指名された【りょう】さんは人差し指で自らを指し
「俺?俺でエェの?」と大袈裟におどけている。
再び妻の顔色が変わった。
私も先程からの妻の【りょう】さんに対する不可思議なリアクションを思い不安が過ぎった。
彼がラウンジスペースに入って来た時の妻の驚き様・・・
私の心の中で激しく警報音が鳴り出している。
誰だったか?
【りょう?りょう?・・・】
私の頭の中でようやく点と線が繋がった!
あっ!アイツや・・・何で咄嗟に思い出さなかったんや・・・。
妻を少女から女にした男。
そして妻のボロボロにして、妻の心深くに影を落とした相手。
ワシと出会う前の妻のツレや!!
しのさんは、いかなる方法で私と出会う前の妻の男を知り得たと言うのか!?
妻が動揺した表情で私を見ている。
しかしこの状況ではどうする事も出来ない。
しのさんは意地悪そうに私達夫婦の焦りを楽しむ如く言葉を続けた。
「もっと盛り上げなアカンな?
そうやろ?みんな?」
ラウンジスペースに沸き上がる熱気、歓声と拍手。
ラウンジスペースに居る人々の大多数を味方に引き入れてしまったしのさん。
否定する事も逃げ場すら無い状況・・・
まんまと嵌められたのだ。
時は熟したとばかりに悪戯っぽく口元を歪めた、しのさんは続けた。
「さぁ何してもらおかな?」
まんまと、嵌められた妻と私。
王様ゲームが半場強引な物と化してもラウンジスペースの客の大半がこの状況を支持してしまっていた。
しのさんは、ゲームの盛り上がり具合を見て、このタイミングだとばかりに仕掛けた罠を晒し出したのだ。
確実に一度を引くであろう王様の権利。
ラウンジスペースの客の盛り上がりがピークに達しつつある、このタイミングで見事に最強のカードを引き当てた【しのさん】
ラウンジの異様なまでの熱気が、妻の逃げ場を奪い去っている。
この女、一体妻に何をさせるつもりなのだ?
まして相手は、あの【りょう】なのだ・・・
二重の瞼で目を細め、悪意に満ちた微笑みを堪えながら、しのさんは
「ほな・・・二人ともパンツ一枚になって・・・ゆきみさんが、りょうさんのペニスを抜くまでフェラするのはどうや?
メッチャ盛り上がるやん」
しのさんは大きく身振り手振りのアクションを付けてラウンジを見回すように言った。
まるで地鳴りのような歓声と、口笛が鳴り
「いいゾ!!やれぇ!やれ!!」
「イヤァ~ン・・・見たい!、見たい!」
瞬時にしてラウンジの温度が上がった。
「えっ?」と目を見開き青ざめる妻。
とても先程まで、ディルド付きのボンデージを着て、しのさんとの大胆なレズプレイを楽しんでいた同一人物とは思えない程にオドオドとしている。
そんな妻の反応とは逆に満更でも無い表情の、りょうさんは立ち上がり中央まで歩み寄って来た。
正に、ここまでは筋書き通りなのであろう。
「どうしたん?ゆきみさん・・・ ほら、こっちや、こっち」
底意地の悪さを笑顔で隠しながら、手招きするしのさん。
男性客が「ほらぁ、ゆきみさんの番やで。」と腰を押した。
すかさず、しのさんが妻の腕を引いてラウンジ中央に妻を連れて来てしまった。
先にラウンジ中央に来ていた、りょうさんは準備OKとばかりに上着を脱ぎ捨て、ジーンズも脱ぎビキニタイプのパンツ一枚になってしまった。
一瞬、時が止まったように静まり返るラウンジ。
りょうさんの日焼けした鍛え抜かれた逆三角形の肉体美と、クッキリとビキニ越しに映る巨大な膨らみに皆が圧倒されたのだ。
誰かの「ゴクリっ」と喉を鳴らす音が聞こえ
瞬時に静寂は大歓声へと変わった。
立ち尽くす妻は天井を見上げ、「ハァ・・・ァ」と大きく息を吸い込み、チャイナドレスの釦に手をかけた・・・
逃げ場の無い状況に置かれ衆目の中、意を決してチャイナドレスの釦を外し出した妻・・・。
やがて全ての釦を外し終えた妻の手がチャイナドレスから離れた。
ツルリと妻の肌から滑るよりに落ちるチャイナドレス。
男達の視線が妻に集中する・・・何しろ彼らの大半はレズプレイの始まる前と後に妻の淫靡なボンデージ姿を目の当たりにして刺激を受けていた連中なのだ。
まして妻が【Z】のホームページに来店予告をした事によって、妻を目当てに来ている人間も、この中には相当数居る筈だった。
チャイナドレスが妻の足元に落ちて、スポーツクラブで鍛えた色白で引き締まった体があらわになった。
子供を産んでいない為に今だ張りのある形の綺麗なEカップのバストが眩しい。
妻は深い碧色のTバック一枚になった。
沸き上がる声にならない歓声とため息・・・。
妻の前で仁王立ちになるりょうさん。
妻は悲し気な視線を私に投げ掛け、りょうさんとの距離を縮めた。
妻は、りょうさんの匂いと体温が伝わる距離まで近付いて膝まづき、見上げるように、憂いのある瞳でりょうさんを見た。
数秒間の間の後に、視線を目の前のビキニパンツに向け、すでに半起ち状態のペニスの形がクッキリと浮かび上がるビキニパンツを引き降ろした。
ブルン・・・
窮屈な場所から解放されたそれは、所々に真珠程の大きさの突起物で武装した黒々としたペニスだった。
そのあまりに異形な姿にたじろぎを見せる妻。
このペニスに仕込まれた突起物は妻と別れてからの物なのだろう。
妻のそれを見る驚きを隠せぬ表情が、その事を物語っていた。
妻の指がやがて、りょうさんのペニスの根元を掴み、妻のぽってりとした唇が大きく張り出した雁首に近付いた。
半開きの唇が獲物を捕らえる如く大きく開かれてチュポッ・・・と、りょうさんの雁首を加え込んだ。
ヂュルッ・・・ヂュルルッ・・・ヂュルルッ・・・ッ」
見る見る力強さを増して本格的に起立する異形のペニス。
単独女性達も、それを物欲しそうに見ている。
妻の唾液によってヌラヌラと光り、それはペニスと呼ぶよりは牝を狩る道具のようだった。
ジュルジュル・・・ジュルッ・・・ジュルッ・・・
一心不乱に牝を狩る道具をしゃぶり続ける妻。
巧みに右手でシゴキながらしゃぶり上げている。
妻の瞳はいつの間にか、トローンとして顔も紅を差したように染まり始めていた。
はち切れんばかりに怒張し、所々に点在する突起物を色濃く浮かび上がらせた、りょうさんのペニス。
妻はそれを一度、口から外して舌先で入念に舐め上げ始めた。
レロレロ・・・チュルチュル・・・レロッ・・・ッ・・・
仁王立ちのりょうさんも快感で腰をよじり顔をしかめている。
妻も興奮の為なのか、白い肌を朱く染めていた。
りょうさんとの過去を嫌悪する心とは裏腹に体は、昔自分を少女から大人へと変え、巨根でしか感じ得ないヴァギナに仕込まれたペニスをしゃぶり続ける事により肉体の記憶が甦り、体が熱く疼き始めているようだった。
ペニスを通して妻の温度の変化を見て取った、りょうさんは
「立ち続けるのシンドイわ・・・寝そべってエェか?」と、おもむろに床に横になった。
毒々しいまでの牝を狩る道具がエネルギーの塊のように力強く固さを増している。
妻も、それに合わせるように横になりペニスをしゃぶろうとした時に、りょうさんが妻の右肩をスゥーッと押した。
妻は自然と、まったく躊躇する事無く体を反転させ、シックスナインの体勢になった。
それはまるで日々、体を重ね合う者同士の合図のようであった・・・
きっと10年前も、このように無言の合図を送り、体位を変えていたのであろう。
私は言いようの無い不安感に包まれていた。
そんな私の表情の変化を敏感に感じ取った、しのさんは嘲笑うように私を見詰め、私の傍らに近付き囁いた。
「まだ始まったばかりやで・・・アンタ、分かってるな?」 と、フェロモン臭溢れる体を密着させて来た。
シックスナインの形になり、ヒップを私の居る側に向けた妻は再び、熱くその巨大なペニスをイヤらしく音を立ててしゃぶりだした。
ジュルッ・・・ッ・・・ジュルルッ・・・ッ・・・ ジュボッ・・・ッ・・・ジュボッ・・・ッ・・・
ヴァギナに張り付いた碧色のTバックは溢れ流れる愛液で濡れ、その部分の色をより深い碧色に変えていた。
濡れて張り付いたTバックの上から陰裂をなぞるように触るりょうさん。
「アグッ・・・ッ・・・ムフン・・・ッ・・・ウゥ・・・ン・・・ 」
快感を堪えきれないようにヒップを揺らす妻。
しのさんが再び耳元で囁いた・・・
「奥さん、スイッチ入ってしもうたナ・・・
エライ事になりそうや」
しのさんは視線を私の股間に移し
「何やアンタ・・・ギンギンやんか? コレはウチのもんやな。逃がさへんで!」
と熱い吐息を耳元に吹きかけた。
ウグッ・・・ッ・・・ムグッ・・・ッ・・・ウフッ・・・ゥ・・・フン・・・ン・・・
濡れたTバックの上からの執拗な愛撫に、巨根で口に栓されながらも、ぐもった喘ぎ声を漏らす妻。
りょうさんはシックスナインの体勢のままで両腕を伸ばし、Tバックの腰紐に手をかけて引き抜いた。
妻も、りょうさんの意図を感じ取り、不安定な体勢から片足づつ上げて、Tバックを引き抜く作業を協力している。
Tバックを剥ぎ取られ、剥き出しになったヴァギナからは、ムッとする牝の淫臭が漂っていた。
そして、肉厚なラビアはヒクついて、大きく口を開けて涎れを垂れ流していた。
りょうさんが、溢れ出る愛液を啜るようにヴァギナに口を当てた。
「アウッ・・・ッ・・・アウッ・・・アウッ・・・ッ・・・ 」
妻の口から激しい鳴咽が漏れた。
ギャラリー全てが息を飲むようにして二人の絡みを見ている中で、私はこの一連の流れを見続ける事に、強い不安と苛立ちを覚え、先程からトイレを我慢していた事もあり一旦中座した。
薄明かりの照明に照らされた通路を抜けた角にあるトイレ。
私は左側のトイレで用を足そうとノブに手をかけた。
その瞬間、背後に人の気配がして、私の後を追うようにして、しのさんが一緒に中に入って来た。
「逃げるん?見てられんのやろ? 」
「別に・・・そんな事あらへん。小便したらラウンジに戻るつもりや。
邪魔や・・・出て行ってくれへんか?」
「言うやないの・・・。
なぁアンタ・・・ウチが送ったウチの匂いが染み着いたショーツで何したん?アンタの性癖はウチにはお見通しやで。
匂い嗅いでオナニーしたんやろ?
ウチの匂い忘れてなかったんやないの?
アンタのその癖はウチの匂いが始まりやったもんな?」
口元を歪めながら、私を見下すうにし、そして責めるように話すしのさん。
「な、何を言うてるんや・・・ そないな事あるかい。」
狼狽気味に答える私を見て、しのさんはこの狭い空間で、おもむろに穿いていた黒いTバックに手をかけて、腰を妖しく揺らせ脱ぎはじめた。
腰をくねらせながらTバックを脚から抜き取り、右手の人差し指に引っ掻けて、クルクルと回すようにしながら、 しのさんは私の胸をドンッ!!と突き押した。
私はその衝撃でドスン!と、便座に座り込んでしまった。
便座に座り込んだ私の目線には、ヴァギナに光るピンクゴールドの3連ピアスが見えた。
しのさんは、私の視線がピアスに向いている事を見て取り、向かい合う私の右太腿に左脚を乗せて、左手の人差し指と中指でラビアを左右に開いて濡れ光るヴァギナに輝くピアスを見せつけた。
「どうや?アンタのあの言葉でピアッシングしたもんやで・・・
これ見る度になウチは」
しのさんの私を見詰める瞳から、一瞬だが憎悪が消えたように感じられた。
しのさんは、ゆっくりと手にしていた裏返しになったTバックのクロッチ部分を私の鼻腔に近付けてきて、何かを・・・そう・・・何かを確認するように私の鼻腔に牝の印しと淫臭の染み付いたクロッチ部分を押し当てた。
「どうや?・・・ エェ匂いやろ? アンタの奥さんよりウチのアソコの匂いの方が感じるんやろ?」
凄まじいまでに発情した、牝の淫臭が鼻腔を通じて全身に染み入り、一旦は大人しくなっていた私のペニスは、あっという間に勃起してしまった。
ボクサーパンツ越しに私の勃起を確認したしのさんは「続きは後や・・・
アンタの奥さんと、りょうさんのショーが終わってまうワ・・・ さぁ戻るデ。」
しのさんからは一瞬感じた優しさも消え去り、元の憎々し気な表情と物言いに戻っていた。
私自身もその言葉で我に返り、ラウンジの妻に思いを馳せ、慌てて用を足して、ラウンジに戻った。
僅か10分余りの間にラウンジ内の状況は激変していた!
ラウンジからはBGMに流れるボサノバと、妻の喘ぎ声しか聞こえない。
その行為を・・・妻とりょうさんの絡みを息を殺して見入る参加者達。
淫靡な空間を包み込む、ムワッとする、怖いぐらいの熱気。
妻のなりふり構わぬ必死の舌戯にも、鎮まる事の無いりょうさんの怒張・・・
攻守は明らかに、りょうさんが優勢だった・・・
正にその瞬間に、私はラウンジに戻ってしまったのだ・・・
「あぁ・・・もうアカン・・・ハァ・・・ハァ・・・辛抱出来へん・・・挿入てぇなぁ」
「もうアカン・・・挿入てぇなぁ・・・ 」
妻からの、りょうさんに懇願するようなこの言葉・・・。
聞きたく無い言葉だった。
確かにハプニングバー【Z】に妻を連れて来た目的は、衆目の中様々なシュチュエーションでのセックスを楽しませてやりたい、そして本能を剥き出しに快楽を貪る妻の姿をリアルタイムで楽しみたい・・・
そんな気持ちで【Z】に来たのだが、今事情は変わった。
私が、かつて傷付け棄てた女、明美。
その明美が私に対する復讐心から様々な努力を重ね変身した姿、しの。
そして妻が、私と出会う以前に長く付き合い、妻の心も体もボロボロにした男、りょうの登場。
とても楽しめる筈などない。
最悪の組み合わせがリンクしてしまっている・・・
しのさんが仕向けた巧妙な罠・・・。
まんまと引っ掛かってしまった私。
快感の波に揉まれ溺れる妻の懇願に、りょうさんは白々しく言った。
「えっ?こんな場所でエェんですか?
ほな遠慮無く挿入させて貰いますワ 」
しのさんは、満足そうにこの状況を見ている。
りょうさんの言葉を聞き、シックスナインの体勢から反転した妻は、自らの意思でりょうさんの巨大なイボマラに跨がった。
妻の細くしなやかな指が、りょうさんの巨大なイボマラの根元を掴み、すでに堪えきれない牝の本能で滴り落ちる程に濡れたヴァギナに押し当てられた。
「ウンッグゥ・・・ッ・・・ウゥ・・・ッ」
眉間に深い皺を寄せて苦悶の表情を作る妻。
張り出した雁首がズリュッ・・・ズボッ・・・ッと、埋没した。
そして妻は、更にいきむようにして腰を深く落とし始めた。
「ンッ・・・アァ・・・ヒィッ」
ズリュ・・・ズリュッ・・・ッ
元々、巨根の部類に入る見事なまでのペニスの胴体に埋め込まれた無数の玉。
「アァ・・・ンッ・・・ハァ・・・ハァ・・・ウフンッ・・・ハァ~」
顔を上気させた妻は、意識を、その巨大なイボマラを根元まで受け入れようとするヴァギナにだけ集中させている。
「アアッ・・・ウン・・・ッ・・・フゥ・・・フゥ」
その見事なまでに巨大なイボマラは、妻の膣壁を擦り上げながらヴァギナ奥深くまで達した・・・。
その凶器のようなペニスを根元までヴァギナの中に納めた妻。
頬を朱色に上気させ、虚ろな目を細めて、半開きの口からフゥ・・・ッ・・・と、息をゆるやかに吐き出しながら、自分を少女から大人の女へと導き、淫放な女へと変えた、その馴染みに馴染んだペニスの感触を粘膜で確かめるかのように、しばらくの間、身じろぎもせずにいた。
ズン・・・ッ!
りょうさんが妻に動きを促すように軽く下から突き上げを入れた。
ビクッと妻の体が揺れて
「ア・・・ッア・・・ッ・・・ 」の切ない声が洩れた。
緩やかに腰を回し始める妻・・・
ヌチャッ・・・ッ・・・ヌチャッ・・・ッ・・・
その凶器が妻のラビアをめくり上げながら出入りを始めた。
妻のヴァギナから溢れる愛液が、その凶器をヌラヌラと濡らし、無数の突起物をより鮮明に見せている。
妻も突起物で擦り上げられる官能の刺激に歯を食いしばるようにして堪えながらリズミカルに腰を動かしていた。
グチョッ・・・ッ・・・ヌチヤッ・・・ッ・・・グチュッ・・・ッ・・・グチョッ・・・ッ
飛沫を飛ばしながらヴァギナを出入りする巨大なイボマラ・・・
その擦れ合うヴァギナからは滴る愛液と共に濃厚な淫臭が洩れている。
ラウンジ内の参加者達は妻とりょうさんの淫靡な行為と室内に広がり始めた淫臭に刺激を受けて、一人の女性に数人の男性が絡む絵が出来上がりつつあった。
性の宴の幕は上がった。
【Z】のラウンジスペースは、まるで映画、カリギュラのワンシーンの様相であった。
ラウンジ中央での、妻とりょうさんの絡みが、参加者全てを刺激し欲情させていた。
グチュ・・・ッ・・・ジュボッ・・・ッ、グチュッ・・・ッ・・・
上下に激しいストロークを打ち込む、りょうさん。
雁首が抜けてしまうのでは?と思ってしまう程の長大で激しい突き上げに妻は悶絶し、唸り声のような声を上げて、自らも腰を捏ねくり回すようにりょうさんの突き上げに動きを合わせている。
「アオウッ!!・・・ッ・・・アウッ!・・・ッ・・・ウオッッ!・・・ォ」
妻のヴァギナは、りょうさんの凶器のようなイボマラに早くも順応し出している。
ラビアのヒダヒダをイヤらしくヒクつかせ、決して逃がすまいと締め付けていた。
ペニスを通して伝わるその感触に、頃合いとばかりに、りょうさんは上に跨がる妻の向きを反対に向けて、参加者全員に見てくれとばかりに背面騎乗位の体勢になり、後ろから妻の両腿を抱えるようにして脚を大きく全開に広げさせ、ワレメに突き刺さるその凶器を・・・そのイボマラをグチュッ、グチュッっと出し入れさせ始めた。
参加者の視線が、グチュッ・・・グチュとイヤらしい音を立てる結合部に集中する。
荒い吐息で欲情し、男性客に身を任せる単独女性達・・・。
りょうさんの凶器に突き上げ続けられ、喘ぎ声を漏らす妻の視線が正面に立つ私を捉えた。
私と目が合い、はっと我に返り、狂おしいような快楽の世界から瞬時に引き戻された妻・・・。
私を見詰める瞳にはごめんなさい・・・赦して・・・体が・・・体が言う事を聞かないの・・・とでも言っているような哀しみが写し出されていた。
私に向き合う形でりょうさんの凶器のようなイボマラを突き上げられ、疼き痺れるように込み上げる快楽を抑え込むかのように眉間に皺を寄せ、歯を食いしばる妻。
それは妻の最後の良心のようでさえあった。
しかし、妻の意思とは別に妻の体は歓喜の滴を大量に流し、イボマラは確実に妻のヴァギナのツボを・・・Gスポットをきつく擦り上げて妻の抑え切れない本質を覚醒させようとしている。
性に貪欲で淫乱な牝を・・・
グチュッ・・・ズボッ・・・ッ・・・グチュ・・・ッ・・・ズボッ・・・ッ・・・
妻のラビアをめくり上げながら上下に長いスパンで出入りする凶器のようなイボマラ。
ヴァギナから滴る愛液でイボマラをヌラヌラと黒光りさせながら、妻の沸き上がる淫臭を掻き出している。
私と視線がクロスして、快楽の世界から現実の世界に瞬時に引き戻された妻ではあったが、この【Z】の空間の持つ淫靡な世界と、周りでも始まった参加者達の複数プレイによる刺激、そして何よりも破壊力溢れる痺れる様な快感へ誘う、りょうさんのイボマラに道義上の理性が吹き飛びかけていた。
眉間に深い皺を寄せ、歯を食いしばりながら歓喜の声を漏らす事を堪え続ける妻。
しかし、恨みつらみや憎しみすら淘汰してしまう快感の波が再び妻を襲い、妻を一個の性に貪欲な牝に引き戻そうとしていた。
「アヒィ・・・ッ・・・アァ・・・
イイのぉ・・・擦れるぅ・・・擦れるぅ・・・ダメぇ~ 」
妻のその言葉に更にイボマラを打ち込むストロークのピッチを上げるりょうさん。
ラビアをイボマラがめくり上げる度に飛び散る飛沫と漂う淫臭。
そして失われて行く理性。
「アヒィ・・・ッ・・・アヒィッ~アカン、アカン!!
凄いのぉ~擦れる・・・擦れる・・・当たる・・・当たる・・・ウチ・・・ウチ・・・変になるわぁ」
「どこに何が擦れるん?言わんと止めるデ」
ギャラリーを刺激する言葉を妻に投げ掛けるりょうさん。
ピッチを上げていた腰のストロークをゆるやかに、ゆるやかに落とし始め、そして意地悪そうに妻の左右の太腿をグイッと持ち上げて、その凶器の様なイボマラを引き抜くそぶりを見せた。
「イヤぁ・・・イヤぁ・・・抜かんといて・・・擦れて・・・るん・・・は・・・当たってるんは・・・アンタの・・・大きいイボマラ」
その言葉に妻を支配するまで、後一押しとでも感じたのであろう。
「声が小そうて聞こえんわぁ・・・何が何処に擦れてるん?何が好きなん?正直に皆さんに聞こえるように大きな声で言わんと」
そして、再びイボマラを抜くそぶりを見せた。
髪を振り乱し、イヤイヤをする妻。
「アンタの・・・アンタのイボマラ・・・ごっつぅデカイチンポが・・・ ウチのGスポットを擦り・・・擦るんや・・・当た・・・当たるん・・・や・・・ 」
引き出した言葉に満足し、持ち上げた妻の太腿をグイッと引き寄せながら、下からズンッズンッとイボマラを打ち突け出すりょうさん。
妻はその動きに合わせるように自らの腰を回し、絶叫するように喘ぎ始めた・・・
正直、自らの性癖が招いた事かも知れなかった・・・
妻と楽しむ形。
利害の一致・・・。
しかし今、目の前で繰り広げられている光景。
これは私にとって受け入れ難い物だった。
あの伝説の竿師である藤田と妻の性交位を目の当たりにした時ですら、これ程のショックは無かった。
妻のトラウマを作った相手。
妻が、憎しみを抱いて嫌悪し続けた男である【りょう】
その男と妻の10数年に及ぶ時を経てのこの場面でのセックス。
ぽってりとした唇を半開きにし、髪を振り乱しながら歓喜の声を上げる妻。
自らも更なる快楽を引き寄せる様に腰を使い、互いの体液を絡ませながら【淫乱な牝】になっている妻。
ラウンジ内に広がる乱交プレイ・・・
蒸せる様な複数の牡と牝の発情臭が入り交じり、鳴咽と喘ぎ声がこだまする空間・・・。
私は力が抜けて、ラウンジ内の喧騒の音が徐々にフェードアウトし、視界が狭く暗くなって行く様な錯覚に陥っていた。
妻とりょうさんの絡みに気を取られ、その存在を忘れかけていたしのさんがいつの間にか私の傍らに立ち、勝ち誇ったように囁いた。
「どんな気分や?・・・
まだ終わってないんやで。
ウチのアンタに対する復讐は・・・。」
そう囁きながらしのさんは、私の右手を掴み、自身のクリフットに施された3連ピアスに持って行った。
力無く、されるがままの私・・・。
そこは、朱々と燃えるように熱く濡れていた。
「アヒィッ・・・ッ・・・!!
当たるぅ・・・当たるぅ・・・
ウチの・・・ウチのアソコの中で・・・あぅッ・・・あぅッ・・・ッ・・・あぁ」
背面騎乗位での激しい突き上げに、顔を上気させ、虚ろな目で悶絶する妻。
妻の粘膜を通して伝わるリアルな肉襞の反応と狂おしいまでに感極まった鳴咽。
りょうさんは、頃合いとばかりに3名の単独男性に目配せした。
示し合わせていたように阿吽の呼吸で妻に群がる下半身剥き出しの単独男性達。
毒々しく血管を浮き上がらせ、いきり起つペニス。
その一本が妻の唇に捩り込まれた。
「グゥォッ・・・ッ・・・オェッ・・・ッ・・・ 」
いきなりの口内への侵入に、えづく妻。
それに追い撃ちをかけるように、もう一本のペニスが僅かな隙間をこじ開けるように妻の唇に押し込まれた。
苦しさに苦悶の表情を作る妻。
もう一人の男はハァハァと息を荒げながら、自ら怒張したペニスをしごいている。
あまりの光景に私は血が上り、妻から男達を引き離そうとラウンジ中央に駆け寄ろうとした・・・その瞬間・・・しのさんの指が私の腕を掴んだ。
とても女の力とは思えぬ程の力強さだった・・・。
振り返る私に、しのさんは
「アンタの奥さん、嫌がってなんか無いやん・・・
見てみぃ・・・イボマラでアソコから白く泡が立つぐらいに濡れて感じてるやないの・・・。
女なんて本当に嫌なら泣き叫んで、力ずくでも逃げれる。
嫌ならペニスも噛み切れる・・・。
でもな・・・受け入れてエエ思うから・・・感じてしもうてるからそこまでせんのや。
みんな・・・アンタの蒔いた種やろ?
ウチの事も・・・奥さんが、こないなってるのも・・・
女をナメ過ぎやないの?」
しのさんは、憎しみも、哀しみも、憂いも無い、冷めた表情で私に語りかけた。
私は、その言葉を振り払うように妻に向き直った。
そこには恍惚の表情をして、背面騎乗位のままで、りょうさんのイボマラでヴァギナを擦り上げられ、ニチャ・・・チュパッ・・・ッ・・・と、一本のペニスをしゃぶりながら両サイドに単独男性を立たせて、左右の手に一本ずつのペニスを握りシゴキ上げる妻の姿があった・・・。
形の見えぬ苦しみが、私に重くのしかかっている様であった・・・。
女の恨みの怖さ、女が牝へと変化する怖さ・・・。
頭では理解しているつもりであった。
痛みを伴うからこそ心底伝わり、理解出来る事もある・・・
先人達の教えてくれたその言葉が、私の中で耳鳴りのように重く繰り返し響いていた・・・。
全てが・・・そう全てが私の思惑を外れ空回りし、イレギュラーし始めていた。
二年前に私の欲望から、あの魔性のボンデージを妻に着せてから、ゆっくり、ゆっくりと歯車は回り始めていたのだ・・・
「女を舐め過ぎやないの?」
この淫靡な空間の中、複数の男女が欲求の赴くままで絡み合う空間で、しのさんから発せられた言葉が全てを物語っていた。
私の中では【妻と様々な事を経て話し合い、認め合い、理解し、その結果、妻が望む事なのだと。私自身の性癖とも一致するのだからと・・・】何の不安も感じていない気持ちがあったのだ。
【二人で楽しめるのだからと・・・。】
しかし、過去から連なる【女の怨み】の重さ、根深さを意に介さずに甘く見ていた私は用意周到にしのさんに、そう・・・私に対する生涯消える事の無い怨みを抱き続け、その怨みを晴らすチャンスを窺っていた明美に見事なまで巧妙に嵌められたのだ。
私にとって耐え切れない、我慢出来ない屈辱。
それは妻が忌み嫌う相手に抱かれ、よがり狂う姿。
それを見抜き、調べ上げたのがしのこと明美なのだ。
いかなる方法で、いかなる手管で妻と妻の元カレである、りょうさんの事を調べ上げ、りょうさんとコンタクトを取ったのか・・・。
深く、深く息を潜めて、その調べ上げた事をネタに、私に復讐するチャンスを窺っていたのであろう。
その怨みの深さと執念が先日、西島氏に連れられてこの【Z】に下見に来た折りに偶然、私と引き合わせたのであろう。
妻とりょうさん、そしてりょうさんの仲間と思われる3名の単独男性達の乱交プレイはエスカレートしながら続いていた。
事情を把握していない西島氏は、私の困惑を余所に単独女性に覆いかぶさり、「エェ、オメコやァ」と額に汗を滲ませながら、腰を使っていた。
他の単独女性やカップルさんも、ラウンジ内の雰囲気に触発されて濃厚な絡みを続け、この魂を揺さぶるような刺激に酔いしれていた・・・。
今この熱気溢れる【Z】のラウンジで、この宴に参加していないのは私としのさんだけであった。
私の傍らに立つしのさんが私の右手に指を絡ませ、手を引いた。
振り向く私に囁いた。
「さぁ・・・ウチらも始めよか?」
しのさんはラウンジ内で繰り広げられている乱交プレイを尻目に私の手を引き、隣接されている個室へと誘ったのだった。
個室の扉に掛けられた、七宝焼きで出来た美しい札を手慣れた様子で使用中の合図である裏返しにして、私の手を引き室内に入る明美(しのさん)
【Z】の個室は室内を、茶と黒を基調にしたカラーで美しく統一され、セミダブルのベッドが置かれていた。
オレンジ色の間接照明の緩い明かりに妖しく照らされた黒色のTバック一枚の明美。
とてもあの頃に私が都合良く利用していた【体だけの女】とは同一人物とは思えない程に美しく変貌している。
「アンタはウチの事なんて忘れていたんやろ?」
図星だった。
「なぁ?どうなん?」
口ごもりながら私は答えた。
「あぁ・・・すっかり忘れとったワ・・・。
仕方無いやろ?好きになった女と一緒になり、幸せになる為に、家庭を守る為に仕事に打ち込んで・・・。
それに、もうあれから10年や・・・。」
ベッドに腰掛ける私の前で腕組みしながら立ち、上から見下ろすように睨み据えながら私の言葉を聞いていた明美。
「10年・・・ そやね・・・10年や! その10年もの間、ウチはアンタにされた酷い仕打ちを忘れた事は無い!! 人づてにアンタの奥さんの事を聞いて、美人だって聞かされて・・・ 余計悔しくなったワ! 調べて見にも行った・・・。ホンマ綺麗で可愛い人やった・・・。
あぁ、この人に負けたんや・・・アンタを盗られたんやと思うとナ・・・。
・・・ウチは、悔しくて、悔しくて、アンタを見返したかった。
アンタがウチをポイ捨てした事を後悔させてやりたかった。
水商売で働きながら、嫌な客や酔っ払いを相手に愛想を振り撒き我慢しながらチャンスを窺っていた。
そしてウチを磨いてくれるって言う好色なジジィのパトロンを見付けたんや。
整形して、エステに通い、エェもん身に着けて・・・。
確かに綺麗にもなれた。鏡の中の自分を見て震える程に嬉しかった・・・
けどな・・・それは好きでも何でも無い気持ちの悪い父親よりも遥か年上の男の玩具にされた代償によってなんや!!」
声を荒げ、まくし立てるように喋る明美に圧倒される私。
「ウチは事あるごとにアンタの事を色々と調べていた。
アンタの奥さんの事も。世間は狭いワ。
ある人からアンタの奥さんと、あのりょうさんの事を聞いたんや。
ウチは人を介して、りょうさんにコンタクトを取って機会を伺っていた。でもな・・・半場諦めとったんや。」
明美は続けた。
明美は続けた。
「諦めてたんや、今のウチには、アンタとの接点も、奥さんとの接点も無い。
けど、限度を超えた犯罪めいた真似もしとうない・・・。
でもアンタに対する悔しさは消える訳でも無い。気付けば何年も経ってしもうていた。
ヴァギナのピアスを見る度に・・・ピアスに触れる度に想いは募っていたけどな・・・。
で・・・この間や・・・。
ここで偶然アンタに逢うて驚いたわ、巡り会わせやと思うた。
ママさんからアンタが奥さん連れて遊びに来る話聞いて、最初で最後のチャンスやと思うた。
上手い具合いにウチとアンタの事情を一切知らんママさんが、SM経験のある梃子をウチにどうや?って振ってくれた。
二つ返事でOKしたわ!すぐにりょうさんに連絡を取って段取りをつけた。
アンタを悩ましたくて・・・困らせたくて、あんなもんまで送りつけた。
ようやくや・・・ ようやくやで?ようやくここまで来た・・・。」
積年の溜まりに溜まった物を吐き出すように、まくし立てて話す明美。
私は改めて女の怨みの怖さを痛感していた。
そしてある意味で狂気にも似た明美の執念に畏れおののいていた。
「お前なぁ・・・ 何をしたいんや?
エェ加減にせんかい!!こないな事をしてどないになる言うんや?
ワシがお前とよりを戻す事なんてあり得んのやで?」
その言葉を聞き、明美は眉間に怒りに満ちた深い皺を寄せながら、私を睨み据え、吐き捨てるように言った。
「はぁ~? アンタ阿保ちゃう? ウチはアンタとよりを戻したいなんて思うとらんわ。
アンタを傷付けて、アンタを困らせて、アンタの大切な物をメチャクチャにして・・・ アンタをあの時のウチと同じ絶望の淵に落としてやりたいだけや!
勘違いせんといて!!」
「ワシはエェわ、お前が怨むのも分からん訳やない。
けどウチの奴には何の関係も無いやないかい!
逆恨みも大概にせいや!」
「アンタの嫁になったんが運の尽きやろ?
それにな・・・ ウチより、りょうさんがアンタの奥さんに未練タラタラや。アンタの奥さんを忘れられんみたいやで?
言葉じゃ翻意出来ないやろうから体で言わす言うてたで。
あんなごっついイボマラでやられてしもうたら、案外アンタの奥さんも、体が言う事聞かなくなるかもなぁ?
さっきもエェ声出して感じとったし。」
思わせ振りな言い方で私の心を乱す明美。
私の焦りや動揺を見て取った明美はTバックの腰紐に手を掛けながら言葉を続けた。
「アンタの奥さんは、りょうさんのイボマラで責め続けられて、自分に女の悦びを教えてくれたモノのあり難みを嫌って程に思い出してる筈や。
アンタにもウチの体をしっかりと忘れられんぐらいに思い出して貰おか?」
Tバックを脚から引き抜きながら不敵な笑みを向ける明美。
薄暗いオレンジ色の間接照明によって浮かび上がる明美の秘部。
その肉厚なクリフットに妖しく輝くピンクゴールドの3連ピアスは欲望の源から溢れ出る愛液の滴で濡れていた。
クリフットに隠しきれない程に肥大したクリトリスは充血し、ピンク色の大粒の真珠のようだった。
淫烈を囲むラビアは大きく羽根を広げ、剥き出しの淫烈は肉食動物のようにポッカリと口を開け、濃密な男を刺激し狂わせる淫臭とともに、とめどなく溢れ出る涎れを垂れ流していた。
自らの指でクリフットのピアスを摘み上げ
「どうや? アンタの命令で着けたピアスやで?10年・・・ 10年や・・・ アンタがウチに着けた鎖やろ?キチッと落とし前付けてもらわんとな。」
私は罪悪感と複雑な興奮の入り交じる感覚に身動き出来ないでいた。
おもむろに私に跨がった明美は女の子座りの体勢のままで、ジワリ、ジワリと、私の顔に向かってにじり寄って来る。
私の胸に置かれた明美の腕から熱い物が伝わっていた。
明美は私を見下ろしながらハァ~ァッ・・・と深く息を吐き、左膝を更ににじり寄せて腰を上げた。
10年の時を経て私の口を塞ぐようにする明美のヴァギナ。
何かを確かめるように身じろぎもせずに、その姿勢のままでいる明美。
強烈な淫臭とヴァギナから溢れ出る愛液が問答無用とばかりに私の口を開かせた。
チュルッ・・・ッ・・・ レロレロッ・・・ッ・・・ チュルチュル・・・ッ・・・
私の舌がピアスと肥大したクリトリスを突き、舐め上げる。
「ウッ・・・ッ・・・あふ~んっ・・・ 」
そこから伝わる痺れるような刺激に腰を揺らしながら私の口にヴァギナを擦り付けるようにし、鼻にかかった甘い歓喜の声を漏らす明美。
ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・
荒い吐息を吐きながら、グィグィとヴァギナを押し付けて来る。
「もっとや・・・もっとぉ・・・奥まで舐めてぇな・・・
あぁ・・・たまらない・・・ これや・・・これがしたかったんや・・・ 」
私は、明美に顔面騎乗されながら、譫言のような喘ぎ声を聞いていた。
私の顔に跨がり、そのヴァギナを押し付けるようにして悦に浸る明美。
私の両頬は熱く汗ばむ明美の内股に挟まれて身動きが取れぬように固定されてしまっていた。
私の口は僅かな隙間も無く、明美のラビアに塞がれて鼻を通してしか息をつく事が出来ない。
ヌルヌルと水飴にも似たヴァギナから溢れ滴り流れる愛液。
舌先をすぼめながら淫裂をなぞり上げるように舐めると、すぼめた舌先の溝を流れるようにトロミがかった愛液が口内に溢れて来る。
「アウッ・・・っ・・・はぁ・・・ん・・・ あぁ・・・っ・・・いぃ・・・っ・・・もっと・・・もっと奥まで舐めて・・・ 」
顔面騎乗によって口をヴァギナにペチャリと密着させられ、体重を掛けられている為に呼吸が上手く出来ず、息苦しさから顔の位置をずらして逃れようとするのだが、明美はその都度に私を上気させた顔で、意地悪く上から見つめながら巧みに腰をずらしながら私の口をヴァギナで塞いだ。
「あぁ~っ・・・くるっ・・・来てまう・・・イッてまう・・・うぅ・・・っ・・・あぁ・・・くるっ・・・来てまぅぅ~」
舌でヴァギナを舐め上げながら、鼻を使って深く息を吸い込む度に濃密で刺激的な男を狂わせる淫臭が鼻腔をいっぱいにする。
もう私のペニスも痛いぐらいにカチカチになっていた。
酸欠状態でボゥっとして来ている脳までもが明美のヴァギナから焚き込める淫臭で覆い尽くされて痺れ麻痺して行くようだった。
「アッ・・・ッ・・・あぅっ!・・・イクッ・・・イクっ・・・あぁぁぁ!!」
朱色に染めた体を大きくのけ反らせながら、内股で私の頬を締め付ける力が増して、堪えきれない快感を貪り擦り込むように動く腰の動きと共に、ビクン・・・ッ・・・ビクン・・・と小刻みな痙攣が走った。
明美は、ようやく私の顔から乗せていた体をずらし虚ろな目をしながら
「ハァ・・・ハァ・・・相変わらず舐めるのは旨いやん?ウチのアソコの味はどうやった?
美味しいやろ?
アンタの大好きな匂いやもんなぁ」
私は息苦しさから解放されても今だ痺れる感覚のままで頷き呟いた。
「あぁ・・・お・・・美味しいわぁ」
この言葉に勝ち誇るように、明美は淫靡な笑みを湛えながら私のボクサー越しに固くなったペニスをまさぐりながら言った。
「あの女よりウチが上だって教えたるわ」
【Z】の個室の中で、私に対する顔面騎乗によりエクスタシーを得た明美は、その細くしなやかな指で私のボクサータイプのトランクスを引き下ろした。
されるがままの私のペニスは先程から痛いぐらいにカチカチに固くなってしまっている。
明美は、その指を私のペニスに回すようにしながら掴み
「ウフフッ・・・ 小さいなりに頑張って大きくなってるやん?
でもナ・・・コレじゃあアンタの奥さん、よう満足せんやろ?
デカイのとばかり遊んで味をしめてるんやろからなぁ 。」
ようやく顔面騎乗による脳の痺れが治まって来た私は荒い呼吸と共に
「ハァ・・・ハァ・・・余計なお世話や!ワレには関係無いやろ!」と強がった。
明美は、ゆるやかに私のペニスをシゴキながら
「なんや!小さいチンポのくせに偉っそうに!
こんなんウチのオマンコにも要らんワ・・・。」
細めた目で冷たく言い放ちながらも、その指の動きを止めようとはせずに緩やかに、そして巧みにシゴキ続けている。
やがて明美は横たわる私の体の上に密着するように乗り掛かって来た。
自ら右手で濡れたラビアを左右に拡げ、私のペニスにラビアをペトリと張り付けるようにして、ゆっくり、ゆっくりと腰を揺らし始めた。
張り付いたラビアがペニスの胴体とカリ首を絶妙に刺激する。
その体験した事の無い気持ち良さに背筋にゾクゾクとした物が走る。
私は牡の本能で腰の位置をずらしながら明美のヴァギナにペニスを挿入しようとするのだが、上に乗っている明美がそれを許さない。
「ダメや・・・さっきから言ってるやん?
ウチも小っさいチンポは要らんねん。
絶対に入れさせへん。」
そう言いながら明美は、横たわる私に、しがみつくように密着しながら、ゆるやかに腰を動かし、ラビアをペニスに張り付け動かす蛞蝓が這い回るような行為を続けている。
「アンタ・・・自分の事を分かって無いんやろ?
アンタは役立たずな短小・・・ そして誰のとも知れん汚れて匂いの染み着いたショーツの匂いを嗅いで興奮してオナニーする変態や・・・ 分かってるんか? コレや・・・コレに興奮してしまうんやろ?」
枕元に無造作に丸めて置かれた自らの愛液で染まった黒色のTバックを摘みながら、耳元でまるで呪いをかける呪文のように、解ける事の無い暗示のように囁き続ける明美。
私は金縛りにでもあってしまったかのように身動きが出来なくなってしまっていた。
明美の巧みな技巧と囁くような暗示の前に、私は組み伏された訳でも無いのに動く事が出来ないでいた。
ペニスから伝わるゾクゾクするような快感と、明美の口から放たれる私を侮蔑するような呪文の数々・・・。
認めたくは無いが、私の中で形の見えない何かが、うごめき始めていた。
明美は重ねた合わせた皮膚を通して、私の鼓動を、体温を、そして何よりも私の中でうごめき始めた物までを敏感に感じ取っていた。
「嗅ぎな」
そう一言呟いて、唇を歪め、狡猾そうな目で私を見詰めながら左手で摘んだ自らの愛液で汚れたTバックを私の鼻に押し当てて来た。
その瞬間、私は目の前が真っ暗になり、脳が痺れるような錯覚に陥った。
そう・・・余りにもの【屈辱に対して】
しかしそんな意識に反して私の鼻腔は、牝のエキスとフェロモンが染み込んだそれを深い呼吸と共に吸い込み、明美の濃厚な牝の匂いに酔いしれてしまっていた。
「やっぱり変態やな・・・
どうなん? 認めるんか?」
その侮蔑的な言葉に答えを窮して無言でいるの私に明美は
「認めないんか?
何や認めるんやったらウチの中に挿入させたるのになぁ・・・ 」と腰をずらしてラビア中央の蜜壷に一瞬、ペニスの尖端を当てた。
私は情けない事に【ただそこに挿入したい一心】で、大きく頷いてしまっていた。
「認めるんやな?
アハハっ・・・っ・・・認めるんや?
しょーもな・・・
ホンマにアンタは・・・ じゃあご褒美や。」
泣き笑いするような表情で明美は、軽く腰をずらし、ハァ~ッ・・・とため息を漏らし、そして腰を深く沈めた。
ニュル・・・ッ・・・ヌルヌルッ・・・ッ・・・
生温かく包むような感触がペニスの根元までを覆い尽くした。
しかし、見上げて見る明美は蝋人形のように無表情のままだった・・・。
私は下から腰を動かしながら痛い程に固くなったペニスを突き上げた・・・なのに明美は
「えっ・・・っ?アンタ挿入ってるんか?
ちぃとも感じへんやん?抜けてるんやないの?」
「な・・・何言ってるんや・・・挿入ってるやんか!」
「嘘やぁ・・・どこにも当たってへん・・・
何も感じへんわ・・・
冗談は辞めてや・・・せっかくのご褒美なんやで。
早よぉ挿入てぇなぁ・・・
なぁ・・・ウチをペニスで感じさせてぇなぁ・・・
えっ!ホンマにコレで挿入ってんの??
ムリやわぁ・・・絶対にムリやわぁ・・・ 」
無表情だった明美の顔が一変して酷薄で残忍な表情に変わっていた。
辛辣な言葉を吐き下す口元を歪め、底意地悪い表情をして見せる明美。
騎乗位のままの明美のヴァギナには私のペニスが納まったままだ。
しかし明美は何も挿入されていない風で、云でも寸でも無く微動だにしない・・・ 私が下から突き上げているにも関わらずに。
明美の口から吐き出された辛辣かつ侮辱的な言葉の数々・、
「ホンマに挿入っとんの? ちぃとも当たらんワ・・・ こんな小さいのじゃ無理や」
普段ならば一撃で萎え縮み上がるであろう言葉である筈なのに、私のペニスは痛い程に固いままだった。
明美の熱く濡れて、ペニスに纏わり付くようにヴァギナから伝わる微電流を流されるような快感と、鼻腔に染み付いた明美の濃厚な淫臭がより倒錯的な快楽を増幅させているようだった。
「フンッ・・・ッ・・・!!」
その小振りな鼻を小気味良く鳴らしながら明美は私を見下すように言葉を続けた。
「なぁアンタ?・・・
ウチはアンタのコンプレックスに気付いていたんやで?
短小コンプレックス・・・
クスッ・・・ッ」
「・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 」
「どうしたん?何も言わんと。
あの頃は、ウチはアンタの事が好きやったから・・・傷付けたらアカンの分かってたから、感じた振りをしていただけやし。
その匂いに敏感なのも分かってたしな?
裏ビデオ見ながら、ウチの汚れて匂いの染み着いたショーツの匂い嗅ぎながらオナニーしてたやないの?
好きな男がウチの匂いを嗅ぎながら・・・
複雑やったけど、ウチの匂いやから興奮してくれている・・・
そう思うて気にせんようにしてた。
けどな・・・アンタがいつか、そのコンプレックスと歪んだ性癖に囚われる気がしていたワ。」
目を細め、ゆるやかに腰を揺り動かしながら勝ち誇るように語る明美。
「なぁ、今頃アンタの奥さん、向こうで、どんなになってるんやろなぁ?
りょうさんのペニス・・・
アレな、凄いんやで?
ウチも何百と色んなモノを見て試してきた。
けどな、桁違いに気持ちエェペニスや。
大きさ、固さ、角度、そしてあのイボイボや。
グリグリ擦られるんや・・・Gスポットをな。
腰使いの上手さ、セックスの強さ、半端やない。潮噴きまくりやで。
女の悦びを知った体ならアノ快感を忘れられなくなるやろな。
間違い無く癖になるで。焼けぼっくいに火が着かなきゃエェんやけどな?」
私は、あらぬ想像を掻き立てられて、心は苦しいまでに揺れていた。
【妻は大丈夫なのか?】
明美の言葉に背筋にザワザワとした嫌な予感が過ぎり、私は倒錯の世界から我に返り出した。
そして時計を見た私は絶句した。
驚いた事に個室に入ってから1時間半が過ぎようとしていた。
自分の感覚では、まだ30、40分程度しか経っていないように感じていたのに!!
不意に冷や水を掛けられた如く、私は一気に性の痺れを伴った余韻から覚めた。
私は、払いのけるようにして、悪意と陰謀の根源である明美を腰から降ろし、慌ただしくトランクスを穿いた。
「いっ・・・痛ぁ・・・何やの?アンタなぁ、無理やて。アンタの小っさいチンポじゃ勝てへんて。
さっきかて奥さんから挿入てて懇願して、ヒィヒィ言ってたやないの?
もう手遅れやて・・・
手遅れなんや・・・もう居らんと違うの?」
意味あり気な表情の明美。
「お、お前、ウチの奴をどうしたんや!?」
「知らんワ・・・。
ウチは普通の女なら・・・
性の悦びを知っている女なら、その余韻を持ったままで二人きりで愛し合える場所に消えるんが、お決まりのパターンやて思うただけや。」
私は【Z】の個室を飛び出して先程まで居たラウンジスペースに向かった。
薄暗いラウンジスペースでは、むせるような男女の淫臭と熱気の中で人数こそ減ってはいたが、乱交プレイが繰り広げられていた。
しかし・・・妻も、りょう氏も、そこには居なかった。
私は胸騒ぎと、焦る気持ちを抑えながら、状況を把握するべく、西島氏を探した。
だが西島氏の姿も見えない。
困惑の中で、困った私はカウンターに行き、ママさんを探した。
カウンターの中にママさんは居た。
私に気付いたママさんは
「あら、終わったん? 随分ゆっくりお楽しみやったなぁ。」
私は「エェ、終わりましたワ。」 と生返事をしながら手招きをしてママさんを呼んだ。
カウンターから出て来たママさんに私は耳打ちするように尋ねた。
「ウチの奴は?」
「えっ? 話をしたんやないの?
10分程前に出て行かれたわよ。
旦那さん知ってはるの?って聞いたら、了解済みやて。」
「一人でですか? 」
「りょうさんと出て行ったんやけど・・・。
一応な、奥さんも旦那さんを探してはったんやけど、個室にしのさんと二人で入った言うたら、じゃあエェですって」
私は動揺を悟られまいと平静を装い
「そうですか、行ったなら行ったで、分かればエェんですわ。西島ハンは?」
「西島ハンは?」
私の問い掛けにママさんは
「SMルームで遊んではるよ。
呼ぼうか?」
「エェんです、エェんです。
せっかく楽しんではるんやから・・・
あの・・・ウチの奴、ロッカーに入れた荷物も出して行ったんですか? 」
「最後に皆さんのリクエストで、一度脱いだあのボンデージに着替えて、皆にその姿を見せはってから、ボンデージの外側に着いてたディルドだけ外して、そのまま来た時に着てはった服を着て、荷物持って出て行ったけど・・・ 」
「そうですか・・・分かりましたワ。
どうもスンマセンでした。」
と答えて私は、明美の居る個室に戻った。
個室では黒色のTバック一枚の姿の明美がベッドに腰掛けて満足気に煙草を燻らせていた。
「やってくれるやないか?
満足かいな?
ホンマにオドレは顔を綺麗に整形しても中身は、とことん不細工なままやな」
私の言葉を受けて、それまでの満足に満ちた表情を一変させ、目を吊り上げた怒りの顔で明美は吐き捨てるように答えた。
「ウチがアンタにされた事を考えたら当然の報いやろ?
ザマア見ろや。
せいせいしたワ。」
私は余りの怒りに一瞬、目の前が真っ暗になる程に血が上った。
だが、私はグッと感情を抑え込み、明美に言った。
そう・・・怒鳴る訳でも、脅す訳でも無く、努めて冷静に。
「あのな・・・オドレ程度の女とウチの奴を天秤に掛けられたらたまらんわ。寂しい人生やな?
この事だけの為に生きて来たんかい?
ホンマつまらん女やな」
明美は、私の言葉に無言のままで、目を合わせる訳でも無く、視線の定まらぬ目で宙を見ていた。
個室を出た私は、再度カウンターのママの元に向かい、ママにトラブルを悟られぬように、楽しかった旨と、西島氏にもよろしくの伝言を頼み【Z】を後にした。
入口の鉄製の扉が、やけに冷たく感じられた。
私は深夜の肌寒い外気に晒されながら、ゆっくりと重い足どりで歩いていた。
妻の携帯に電話をしてみたが、電源が切られていた。
煙草を持つ指が、怒りからなのか?それとも不安からなのか?震えていた。
何で、こんな事になったんだろう?
妻と、りょう氏は何処に消えたのか?
妻は、帰って来るのだろうか?
そんな思いのままで自宅に戻った私は、眠れぬままで朝を迎えていた。
何度も携帯を鳴らしてみるが繋がらないままだ。
時計の針は8時間を指している。
妻はまだ戻らない。
妻が自宅にも戻らず、携帯も繋がらないままに、9時が過ぎた。
私は妻の帰りを待つべく、自営する事務所に連絡を入れ、昼過ぎに出社する旨を伝えた。
冷静で居なくては。
そんな意識を持っているにも関わらず、頭の中はどんよりとして、心は結果の見えない物に対してのジェラシー、不安、不信で覆い尽くされていた。
私とのセックス、そして体が合わない為に、女である事と、性に貪欲である事を封印していた妻を目覚めさせた伝説の巨根竿師、藤田に妻が嵌まった時ですら無断外泊など一度も無かったのだから。
様々な事を経て、夫婦としてお互いに理解を深め、【二人で楽しめる形】という事で納得づくで始めた事だった。
妻が他人に抱かれ、他人によって成熟した牝として開発され、ハメ撮りしたその姿に、抱かれて来た残り香に、私は酔いしれ興奮して・・・。
この二年で妻は開きかけた蕾から、淫靡な豐香を漂わせる大輪の花へと変貌した。
私の公認で妻は、週2ペースで馴染みの体の合うセフレや、新規で出会った男との様々な形のセックスを楽しんでいたのだ。
今回のハプニングバー遊びも、そんな一環だったのだ。
しかし、今回ばかりは例えようの無い不安が私に重くのしかかっている。
かつて、妻を少女から大人の女へと導いた男であるりょう氏
やりたがり、ハメたがりの年代に、皮膚と粘膜を通じて、嫌と言う程に感じ合った二人なのだ。
まして妻である由香利は、当時とは比べ物にならない程に性の悦びを知り、肉体的にも開発されてしまっているのだ。
かつての馴染みの逞しい逸物がイボマラとしてパワーアップし、そのイボマラの持ち主も10数年の年月を経て、性の技巧も鍛錬されている筈なのだから・・・。
その二人が魂を揺さぶられるようなセックスをしてしまったら?
その逸物とヴァギナが名刀と、それを吸い込むように納める鞘のような関係になってしまったなら?
それはもう理屈じゃないのだ。
常識などで計れる筈も無い。
妻がその河を・・・越えてはならないその河を渡りきってしまえば、日常の常識などでは計れない非日常が基準になってしまうだろう。
頭で判断する理性などが吹っ飛ぶ【子宮で、ヴァギナで、感じ考える女の理屈】に。
妻が戻らぬまま、不安を増幅させるような妄想ばかり広がり心が張り裂けそうだった。
時間だけが、無情に過ぎて行った。
妻が戻らぬまま、私は一端、出社した。
出社してから仕事をこなしながらも妻の事が気になり、幾度となく妻の携帯に電話をしてみるのだ相変わらず電源が入っておらず、繋がらないままであった。
3時頃に西島氏から電話が入った。
西島氏はいつもの調子で
「いやぁ、盛り上がった、楽しかったわぁ。
アンタの嫁ハンも凄かったなぁ。
アノ切ないよがり声と、あの藤田並みにデカいイボマラが、出入りしている姿を見ていたらワシも年甲斐も無く、ガチンガチンになってしもうたワ。
アンタが、あのしの言う女と消えた後が半端やなかったんや。
アンタの嫁ハン、潮噴きまくって失神してもうたんやデ。
嫁ハン、朝起きて機嫌良かったんやないかい?
アンタも、あの女相手にエェ思いしたんやろ?」
事情を知らない西島氏は例の如く豪快に高笑いした。
余程、妻が帰ってない事を西島氏に告げて相談しようと思ったが何故だか私は言えなかった。
私は西島氏に夜電話をする旨を伝えて電話を切った。
その後も幾度となく妻の携帯を鳴らしてみたが、やはり電源は入っていなかった。
結局、ろくに仕事が手に付かないままで夕方になってしまった。
私は事務の娘に適当な言い訳をして帰宅の途についた。
玄関を開けると、そこには昨日妻が履いていたニーハイのブーツが置かれていた。
帰ってるのか?
私は、怒るまいと考えて玄関から優しく「ただいま」と声をかけた。
だが、返事は無かった。
私は深く深呼吸をして、気持ちを鎮めながらリビングに向かった。
しかしリビングにもキッチンにも寝室にも妻の姿は無かった。
トイレ、バスルームにも姿は無い。
残るは衣装部屋しかない。
「おい、帰ってるんか?」
衣装部屋の扉を開けた。
一瞬、ムッとする妻のフェロモン混じりの淫臭が私の鼻を突いた。
だが、そこにも妻の姿は無かった。
静まり返った衣装部屋には、昨夜着ていた妻の衣服と裏返しに脱ぎ捨てられた深い碧色のTバックがあった。
その深い碧色のTバックのクロッチ部分には、白く浮き上がり固まる妻、由香利のヴァギナの形がクッキリと映し出されていた。
クリトリスの位置、左右に羽根を広げたラビアの形。
そして驚くぐらいに拡がり縦にも伸びた淫烈の痕。
それは、まるで粘土細工で精巧に造られた妻のヴァギナのレプリカのようだった。
私は、普段なら躊躇無く触れる筈のそれを恐る恐る手に取った。
手にしたそれは、見れば見る程に驚くようなリアルさで、妻のヴァギナの形をクッキリと浮かび上がらせていた。
私はこんな場面までと、己の性癖に呆れ、その性癖に支配された己を恨みながらも、その白く牝の印しがベットリと染み着いた部分に鼻を押し当てていた。
むわっとした鼻を突く匂い。
そしてガツンッ!!と
瞬時に後頭部に電流のような衝撃が走り、鼻腔奥深くに成熟した牡と牝の体液の入り混じった濃厚な匂いが溢れた。
妻の牝としての強烈なフェロモン臭に勝る、雄々しい牡のザーメン臭。
その匂いを嗅いで、私の全身は不思議な敗北感に塗れた。
そして私の中で何かが音を立てて崩れ始めた。
私は重く感じ出した足を引きずるようにリビングへ向かい、力無くソファーに身を沈めた。
妻の子宮に、りょう氏の毒々しいイボマラから射精された大量のザーメンが、いっぱいになっていた・・・。
何故妻は、一度マンションに戻って来て、再び姿を消したのか?
今も妻は、りょう氏と一緒なのであろうか?
私は何気なく、テーブルに目をやった。
そこには見覚えの無いケースに収められた2枚のDVDが置かれていた。
私は直感的に、これが妻とりょう氏絡みの物であると感じた。
私はケースからDVDを取り出して、再生するべくテレビの電源を入れた。
その時、私の中で何者かが見るな・・・見るんじゃない。と囁いた。
確かにこの中身には、とんでも無い物が映っているのかも知れない・・・。
私はリモコンを手にしたままで身じろぎ出来ないでいた。
顔が熱くなり、喉がカラカラになってしまっている。
しかし怖い物見たさの私は、止せば良いのに再生ボタンを押してしまったのだった。
私はテーブルの上に置かれていた二枚のDVDを手にして、思いを巡らせていた。
衣装部屋に残された一度は帰宅したのであろう妻の痕跡。
そこに脱ぎ捨てられていたTバックに染み着いた【発情した牝と牡の印し】
私は、NO1と刻まれた方のディスクをレコーダーに挿入し、形の見えない重苦しい不安に躊躇しながら震える指でリモコンの再生ボタンを押してしまっていた。
薄明かりの間接照明に照らされた室内が映し出された。
人影は見えない・・・。
そして無音の世界。
大画面の液晶テレビが置かれていて、洒落たテーブルと、綺麗に調えられたダブルベッド。
りょう氏がビデオを回しているのだろうか?
ガチャ・・・ガチャガチャ・・・
ドアのノブが回された音か?
無音の世界が途切れた。
無人のベッドに向けられたビデオカメラのアングルが反対方向に向けられた。
妻だ!!妻の顔が映し出された
綺麗に化粧直しされた妻の表情は憂いを帯びていて、その瞳は妖しく濡れている。
ビデオカメラのアングルが妻の身体を舐めるようにして首から下を照らして行った。
うっすらと汗ばんだ首筋が映り、アングルが更に下に行くと、ラバーとPVC素材の例のボンデージを身に着けた妻の身体が映し出された。
二の腕までの黒い光沢のあるロンググローブに、太腿までの同色のロングブーツ。
カメラのアングルが好色かつ好奇な目のように、そのブーツの爪先から徐々に這い上がって行く。
妻の・・・発情し欲情を抑えきれない牝の源に向かって。
ピッタリと白い太腿に張り付くようにフィットした黒いエナメル地のロングブーツを映し出す映像のアングルが白い太腿に移り、這うように、舐め回すような映像がその股間を捉えた。
そこに映し出された物。それは、黒々と逞しく隆起したボンデージに装着されたディルド。
まるでそれは、妻の身体から生えているようにまで見える。
そしてこのボンデージの股間部位の裏地のクロッチ部分には例の如くリアルな伝説の竿師、藤田の巨根を模ったディルドが装着されて、妻の子宮奥深くまで挿入されている筈なのだ。
一方のディルドを体内に納め、もう一方のディルドは力強く天を向き、その身に着けたボンデージとマッチし、妻を別人のように映し出している。
それは昨夜【Z】で見た時より、妻に馴染み、似合っているように感じられた。
異形の股間部位を映し出していた映像が切り替わり、カメラは妻の、ポッテリとして朱く紅を引いた唇をアップで捉えていた。
「 由香利は・・・何故?ここで、その姿になってるんや? 」
不意にりょう氏の妻に問い掛ける声が聞こえた。
沈黙が流れた・・・。
そして数十秒の沈黙の後に、アップで映し出された唇が微かに動いた。
「・・・ アンタが・・・今1番にやりたい事・・・ やってみたい願望を言えって言ったから・・・ 」
「願望って何なん?
言ってみい 」
「えっ・・・っ?
さっき話をしたやんか・・・何で同じ事を何度も言わなアカンの?」
軽い苛立ちからなのか?映像に映し出された妻のズームアップされた唇が歪んでいた。
「そらな・・・由香利、お前の旦那にナ、この撮っている映像を見せてやらなアカンからや・・・
お前の真実の姿を見せて短小の役立たずの旦那に現実を思い知らせてやらなアカンやろ?
何せ、ワシの女を盗ったんやからなぁ・・・。」
「な・・・何を・・・そんな事をせんでもエェやないの・・・イヤや!!もう撮らんといて! 」
「ほう?・・・お前な・・・ じゃあ何でココに居るんや?
今、何時やと思ってるんや?」
室内に置かれた時計が映し出された。
【8:20分!?】
「旦那に断りもせんと、のこのこと付いて来たんは誰や?
一時間前までワシのイボマラを離さなかったんは誰や?
揚げ句、無断外泊やろ?
なぁ・・・コレが何か判るか?」
カメラは、りょう氏の右手に握られているボイスレコーダーを映し出していた。
カメラは再びズームアップされた妻の唇を捉えている。
TVの画面いっぱいに映る妻の唇の端が動揺で、ワナワナと震えていた。
「何なん・・・それ・・・。
何を録ったんや? 」
「コレか?
コレはナ、さっきココに来て一発目のセックスの時に、お前が口走った事が全て録音されてる。
まぁ覚えてる事、覚えて無い事、沢山あるやろうけどな 」
「ウチが・・・ウチが何を言うたって言うんや!!」
【カチャリ・・・ッ】
ボイスレコーダーのスイッチが入れられた。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ 」
妻の乱れた吐息。
「凄いナ・・・最高の身体やな・・・お前は・・・ 」
「ハァ・・・ハァ・・・アンタのイボマラも最高や・・・
こんなイキ方したの・・・初めてや・・・
見てや・・・まだウチのアソコ、ビクン、ビクンッてヒクついてジンジンしてるワ・・・ 」
ボイスレコーダーから伝わる妻の声。
りょう氏が答える。
「ホンマに、ヒクついとるワ。
スゲベなオメコやな。 ジュルッ・・・ッ・・・ジュルルル・・・ 」
覗き込むように妻のヴァギナを見ていたりょう氏が妻のクレバスに舌を這わせたようだった。
「アッ・・・アッッ・・・あぁ・・・ん・・・アカン・・・イキ過ぎて敏感になり過ぎてるんやから・・・
また・・・また欲しくなってまうやんか・・・アッ・・・あん」
「ホンマにスゲベな女やなぁ・・・。
旦那とのセックスには満足出来てないんかいな?理解して貰って、公認で遊んでるんやろ?」
「フンッ・・・ッ ・・・!!」
鼻白らむ音が聞こえたのと同時に
「あの人とのセックス?」
この瞬間、ボイスレコーダーを聞いていた映像の中で妻の声が響いた。
「もうエェ!止めてェな!!
何言うたか思い出したワ。
洒落にならんワ・・・
そんなんアノ人に聞かれたらエライ事や!
幾らなんでも言うてエェ事、悪い事がある。
そのボイスレコーダー消去してや?
約束やで?ホンマやな?分かった・・・分かったワ・・・カメラ回ってるんか?
何でココで今ボンデージを着ているかやったな?」
ズームアップされた唇から、映像は顔全体を捉え映し出した。
私は、ボイスレコーダーに録られていた妻の核心の言葉が何であったのかが気になって仕方が無かった。
妻が慌てて遮った己自身から吐き出されたその言葉が・・・。
映像の中で、りょう氏の質問に答え始める妻。
「ウチが・・・ウチが、今ココでボンデージに着替えたのは・・・誰にも言えない自分の願望を叶えて見たかったから・・・ 。
何故、ここでカメラの前で、無理矢理に答えさせられているのかは・・・
正直に答えないとこの人が二度と抱いてやらないからなと言ったから・・・。
心は今でもこの人を嫌悪し憎んでいる・・・。
けど身体は・・・ウチの身体には、ウチの理性では抑え切れないモンが住み着いてしもうてる」
映像の中の妻の瞳が潤んでいた。
妻は続けた。
「ウチの願望は・・・
この姿になっている時に・・・ウチの股間から生えたこのペニスで・・・ 」
その時、妻のリアクションに慌てた、りょう氏のカメラのアングルが妻の股間から生えたディルドを捉えた。
妻は両脚を半開きにして立ち、重心を引き締まったヒップ側に置くようにして腰をくねらせながらボンデージの股間部分から上向きに生えた黒々とした逞しいディルドを握りシゴキ始めていた・・・。
ボンデージに装着されたディルドを、まるで己の血が通い、神経までが通っている物であるように恍惚の表情でシゴキあげる妻の姿。
「ウチはコレで・・・このウチのペニスで男の人を犯して見たい・・・。
屈服させ、支配してみたいんや」
黒々としたディルドをシゴく指の動きに妖しさが増した。
「で・・・これからどうするんや? 」
カメラを持つ、りょう氏が問い掛けた。
「アンタの・・・アンタの用意してくれた男をナ・・・
これから・・・ここに来る男を犯すんやないの? 」
辛抱出来ないとばかりに腰をクネらせ、左右の手でディルドを握る妻。
「ホンマにやりたいんやな?
で、男をメチャクチャに犯した後にどうしたいんや? 」
「アンタのイボマラで気絶するぐらい犯して欲しい・・・ 擦り上げてメチャメチャにして欲しいんや!!」
画面に映し出される妻の表情が、恍惚として、より妖艶さを増している。
一体、こいつは何処まで行ってしまうのだろうか・・・。
正常な理性を凌駕して抑え込む程の性欲。
画面を凝視する私は、頭が、ボゥと熱くなり思考が定まらなくなってきている。
画面の中から
コンコン!! コンコン!!
とドアをノックする音が聞こえた。
その瞬間、映像はドアを映し出して、りょう氏の言葉が続いた。
「さぁ、お客さんが来たみたいや・・・。
始まるでェ・・・。 」
「おぉ入ってやぁ!
開いてるでぇ!! 」
ガチャ・・・ガチャリ・・・ッ・・・
ゆっくりと、ドアが開かれた。
その瞬間、乱れる映像。
そしてここで一枚目のDVDは終わってしまった。
昨晩から、幾度と無く繰り返す自問自答。
一体何処から私と妻の歯車が噛み合わなくなってしまったのであろうか?
心底、お互いを思い合い、理解し合えれば、その信頼感と結び付きは、強烈なまでの快感を伴う肉体関係をも越えた物であり得ると信じていた。
しかし今、私の中で強固であった妻に対する信頼感にひびが入り始めていた。
たった一晩の出来事なのに・・・。
この二年と数カ月の間に様々な性を司る遊びを、二人で楽しめる形として築き、理解を深め合っていた筈だった・・・。
妻がセフレとハメ撮りをして、その姿を、妻と二人で鑑賞しなから、妻の精神と身体に残る男達とのセックスの余韻を後戯として楽しみ、快楽に変えていた夫婦の関係。
しかし今回ばかりは何かが違う・・・
私は惨めなまでに、うなだれ、ソファーに脱力感いっぱいに身を沈めていた。
人間性って何なんだ?
信頼関係って何なんだろう?
女性とは大河を漂う舟なのかも知れない。
煩悩と本能と言う大河で翻弄される舟。
その大河に浮かび、予測の利かぬ流れに翻弄される舟をコントロールするには大河の流れを物ともしない強固な舟を漕ぐ櫓(強靭なペニス)]が必要なのだろうか?・・・。
その強固な櫓で制御され支配される事が、女にとって安心という最大かつ究極の快楽に結び付くのであろうか?
40数年の人生の中で、男として目覚め、機能する事30年。
今回程に、我が身を呪った事は無かった。
人間と言っても所詮、動物なのだ。
その体の奥には子孫を残す為の理屈じゃない本能があるのだ。
牝は、強い牡と結び付き、睦合い、その強い血を残す。
今思えば、この時の私は究極のマイナス思考に陥っていた。
弱気の虫が私を蝕み始めていたのだ。
私は何も映らぬ画面を見詰めながら、二枚目のDVDを見るべくレコーダーを操作した。
その時、ガチャッ・・・と玄関から扉を開けるような音が聞こえた。
妻が帰って来た?!
私は怒りよりも瞬時に安堵感に包まれた。
私はソファーから立ち上がり玄関に向かいながら妻に声を掛けた。
努めて明るく、何も無かったが如くに。
「おう!どないやったん?楽しめたんかい?
遅うなるんやったら電話だけしてや・・・ 」
だが玄関からは、返答は無い。
どうしたんや?
私は小走りに玄関に走った。
「何やワレは?
どないして入って来れたんや?!
出て行きさらせ!!」
驚いた事に玄関には、コートを羽織った明美が、意味あり気な目をして、見覚えのある妻のキーホルダーを綺麗にネイルされた右手の人差し指に引っ掛けて、クルクルと回している姿があったのだ・・・。
マンションの自宅玄関に居たのは帰宅した妻では無く、あの明美だったのだ!!
玄関に立つ明美の指先には見覚えのある妻のキーホルダー。
何故、明美がここに居るのだ?
そして・・・何故、妻のキーホルダーをコイツが持っているのだ?
一連の流れから来る、折れて萎れかけていた私の気持ちが、瞬時にして怒りと不信の根元である明美の登場により息を吹き返した。
疑念と不安からの酸欠状態で思考が鈍くなっていた脳にも、熱い血が巡り、本来の自分が甦りつつあった。
狭い玄関が緊張に包まれている。
触れるだけで、破裂してしまうような空気・・・。
明美は、自分を刺すように睨み据える私の目を見て、そしてこの狭い空間に流れるただならぬ雰囲気を感じて、その悪意に満ちた瞳を俯いて、まるで何かをごまかすように視線を玄関の床に落とした。
私は怒りを押し殺すように・、小刻みに奮える指を握りしめて、声を絞り出した。
「何でオドレがウチの奴のキーホルダーを持ってるんや?
何で・・・勝手に鍵開けて、ウチの中に入って来てるんや?
何か盗む気やったんかい?
オドレのしている事は犯罪やで・・・。
いかなる理由があろうが不法侵入やないか・・・
やり過ぎやろ?やり過ぎたな・・・。 」
私はポケットの中に入れた携帯電話を取り出した。
そして努めて冷静に言った・・・
「警察に電話させて貰うワ。
不法侵入と窃盗や・・・。」
俯いていた顔を上げて、慌てふためく明美。
「な・・・な・・・何で警察なん?
不法侵入・・・窃盗って何やの?
このキーホルダーはアンタの奥さんがウチに渡してくれたもんなんやで!ウチは凹んだアンタを見に来ただけや!!
嘲笑いに来ただけなんや!!」
私は冷めた表情で明美を追い詰めるように言った。
「言い訳は、お巡りさんにしてもらおか。
オドレは越えてはならん線を越えてもうたんや・・・キチッと警察にお灸を据えて貰うワ・・・ 」
昨夜からの出来事は明美にとって満足の行く事だったのだろう。
積年の歪みきった理不尽なまでの想い・・・。
りょう氏と共に描いた狡猾な絵。
その絵は、明美にとっては何度となく下書きをし、事細かな色彩までを思い巡らせた物だったのだろう。
その絵が、ついに完成する!!
明美にとっては疑う事などなかったのだろう・・・
しかしそこに油断が生じたのだ。
非日常ではアリでも、日常では決して犯してはならない一線。
糸口は見えた・・・。
そう明美は優位に最後まで事を進めれる筈だったのだ。
しかし明美は、明らかな失敗を犯したのだ。
明美は、私が還らぬ妻を想いながらDVDを見て絶望の淵で苦しむ姿を想像して、リアルに、そう、実際に間近でその姿を体感したかったのだろう。
それが非日常と日常の区別をつかなくさせたのだ、そう何でもアリだと。
私は、これみよがしに携帯電話を明美に見せながら110とボタンをプッシュして、発信を押す動作をして見せた。
そしてもしもし・・・と話しながら身を翻して死角を作り、呼び出し音が鳴る前に明美に悟られぬように電話を切った。
「止めて!止めてぇな!」
明美の懇願するような叫び声が響いた。
あからさまに動揺している。
私は白々しく受話口を手で塞ぎながら振り返った。
明美は顔を紅潮させて、額からは冷や汗?を滲ませ、焦りからなのか、訴えるようにその目をいっぱいに見開いて携帯を手にする私を見ていた。
「何で止めなアカンのや?
悪い事をした奴を警察に突き出すのは当たり前やないかい?
勢いで何でも許される思うたんかい? 」
「そ・・・そんな事したら、そないな事したらアンタの奥さん帰って来いへんようになるで・・・
何処に居るか知りたいんやろ?
どないになってるんか心配なんやろ?」
そりゃあ、確かに心配だ。
一夜にしての妻の変貌と理不尽なまでの行動。
私の理解を超える出来事の数々・・・。
直接、妻と膝を交えて、向き合って問い質したい。
答えの見えない不安を、拭い切れない不信を払拭したい!!
だからこそ今ここで明美を優位なポジションにする訳には行かない。
こんな事からでも明美を追い詰めて、首根っこを押さえ込まなくてはならないのだ・、妻に会う為に、妻の所在を確かめる為に・、そして真実を知る為に。
「フンっ・・・じゃあ捜索願いでも出すわ。
昨日からのムナクソ悪いこの展開や、もう全部ブチ壊してもエェわ。
けどな・・・オドレを許す気持ちなんて微塵も湧いてこん。
ワシもある事、無い事ブチ撒けてオドレを警察に突き出すわい!」
明美はその言葉を受け、眉間に深い皺を寄せながら私の真意を諮るように私を見詰め続けた。
私はひたすら無表情を装い、そして再び携帯のプッシュを押す動作を取った。
「止めて・・・止めてぇな!分かった・・・分かったさかい、何でも話すよって」
懇願するような明美の言葉。
明美のあまりにも警察の言葉に対する過敏過ぎる程の反応。
恐らく、後ろに手が回るような後ろ暗い事があるのではないのだろうか?・・・。
無言のままで、無表情のままで私は明美を見据えていた。
私を見詰め返す、明美の視線が、この重苦しさに耐え切れないとばかりに泳ぎ始めた。
私は頃合いと感じて
「じゃあ洗いざらい話して貰おうかい?
警察に突き出すかどうかはオドレの話を聞いてからや。
上がれや。」
私はそう言って明美を促した。
押し黙り身じろぎしない明美。
「どないしたんや?
早よ上がれや!」
若干の苛立ちを覚えた私は、言葉に冷たい剣があった。
「コレ脱がんで上がらせて貰うたらアカンやろか?
ちょっと訳アリなんや」
困った表情をしながら、明美はコートの裾から覗く黒色のブーツを指指した。
理由も意味も分からぬ私はキツイ口調で
「靴ぐらい脱いで上がるのが当たり前やないかい!アホか?
一体 何なんや?」
それでも押し黙り続ける明美。
普段の私であれば軽口でも言いながらといった場面なのだが、この状況ではそんな気持ちのゆとりも無かった。
私は明美からの妻の情報を一刻も早く聞きたい気持ちに駆られ、「チッ・・・ッ」と舌打ちして洗面所から濡れたタオルを持って来て靴底を綺麗に拭くように促した。
このブーツが何なん?
当然のように気になって仕方無かったが、この時の私には優先順位外の事であった。
玄関先に座りながらノロノロとブーツの靴底を拭く明美。
やがてブーツの靴底を綺麗に拭き取った明美は、私の後に付いてリビングに入って来た。
キョロキョロと室内を興味深げに見回す明美を私はソファーに座るように促した。
緊張した表情でソファーに座る明美。
「オドレは客や無いんやから茶は出さへんで。」
明美は、ご機嫌伺いでもするように「ウチが入れよか?」と腰を上げかけた。
私は手で遮るようにして
「余計な事はせんでエェわい。
で・・・どないなっとるんや?
何でオドレがウチの奴のキーホルダーを持ってるねん?」
明美はソファーに前屈みで両足を抱え込むようにして座りながら上目使いで口を開いた。
「DVDは見たん?」
「あぁ・・・一枚目はさっき見たわ。」
明美は「フゥーッ」っと、軽い溜息を漏らしながら
「何や?まだ全部見て無いんか?」
「何や・・・まだ全部見て無いんや?」
私は明美の言葉に
「あぁ、二枚目を見ようとした時にオドレが来たんやないかい。」
「あのな・・・アレを見て貰ろうてからの方が、ウチ話し易いわ」
「分かったワ。
じゃあ今見るさかい、知ってる事は全部話せや?適当な事言うようやったら」 と、私は携帯を手にして見せ、私が明美に対して本気でやるよと暗示させたのだった。
先程まで一人でDVDを見ていた時に感じられた押し潰されるような重苦しさは無かったが、肛門から背中にかけての痺れるような緊張感が私を覆っていた。
私はNO2と書かれたディスクを手にしてレコーダーに入れた。
そしてリモコンの再生ボタンを押した。
映し出された映像。
いきなり恰幅の良い30代後半ぐらいの髭の男が映し出された。
男は蛍光オレンジのビキニタイプのパンツ一枚の姿だった。
カメラのアングルが急に真横に振られた。
そこには何と、椅子に座り佇む明美が映っていたのだ。
やはりこいつらは一緒に居たのだ。
次にカメラはボンデージ姿の妻を捉えた。
妻の顔がズームアップされた。
妻の目は私が初めて見るような残忍さを帯びて妖しく光っている。
カメラを手にしている、りょう氏の「さぁ始めてや」の言葉が合図だった。
ボンデージ姿の妻がベッドの縁に腰掛けた。
無音の映像の中で、妻が体重を預けたマットのギィッ・・・ッ・・・と軋む音が響いた。
その姿にフラフラと吸い込まれる様に引き寄せられて膝まづく髭の男。
男の顔が、妻の淫靡で妖艶なボンデージから生えた黒光りしかディルドに近付いた。
次の瞬間
男は音を立ててディルドをシャブリ出した。
ングッ・・・ッ・・・ングッ・・・ッ・・・ジュルッ・・・ッ・・・ングッ・・・ッ
嫌悪感に満ち、見るに耐えない映像が続いた。
カメラは妻が両腕で男の後頭部を抱える様にして揺らし続ける姿を捉えた。
その恍惚とした表情を。
そこに映し出された、その姿は何か得体の知れない物に取り憑かれているようでもあった。
映像が一瞬途切れて、場面が変わった。
髭の男がベッドでカメラの方向に尻を突き出して四つん這いになっている姿が映し出された。
カメラを持つ、りょう氏の笑い声。
ズームアップされる髭の男のアナル。
吐きそうだ・・・。
ディルドを握り締める黒いグローブを嵌めた妻の腕が映し出された・・・
目を覆いたくなるような映像。
この時に見た事は、忘れようとしても後々まで瞼の裏側に焼き付いて離れなかった。
肘までのロンググローブを嵌めた状態の左手でローションの瓶を掴み、上からトローリと細く糸を引くように右手の掌に垂らして行く妻。
作為的なのだろうか?
映像からは音声は聞こえて来ない。
自然と見る者を強張らせるように張り詰めた緊張感・・・。
妻がローションに塗れた掌を、ゆっくり、ゆっくりと四つん這いになった髭の男のアナルに近付けて行く。
そして、ロンググローブに包まれた人差し指と中指をアナルにスーッ・・・と伸ばした。
バネ仕掛けの人形のようにビックッ・・・ビックッ・・・と反応する髭の男。
四つん這いの股間から垣間見える逸物は、この後に始まる事に対する期待と興奮で抑え切れ無くなって、はち切れんばかりになっていた。
妻の指先がリズミカルに動き、ローションを塗り込めている。
妻はもう一度、ローションの瓶を手にして、今度は左手の掌にトローリ・・・トロトロ・・・と垂らした。
そのローションに塗れた左手をボンデージの股間から生えたディルドに持って行き、それをシゴキ上げるように、ニュルリ・・・ニュルリ・・・と塗り込めている。
カメラが妻の表情を捉えた。
映し出された妻の表情。
それは日常での優しさを湛えた女性的な物では無く、明らかに男顔に、野性味溢れた生気溢れる表情へと豹変していた。
アングルが変わり、カメラは、妻のブーツに包まれた脚元を映した。
そのなまめかしい脚が力強い踏み込みで一歩、二歩と前に進んだ。
無音の世界であるのに、映像からは妻の履くブーツの踵から音が響いて伝わるような錯覚に襲われてた。
妻の左手が、四つん這いになっている髭の男の左臀部を押さえるようにして掴み、右手で握り締めたディルドを髭の男のアナルに押し当てた。
妻の動きが止まった。
どうした?・・・
嫌悪感で映像を見ていた筈の私だったが、いつの間にか、その無音の世界で繰り広げられる映像の中身を食い入るように見てしまっていたのだ。
動きを止めた妻。
見ていた私も、そして同時に明美までもが、動きを止めた妻に合わせるように呼吸をする事すら止めてしまった。
それ程の緊張感が映像から伝わって来たのだ。
それは僅か数秒の事だったのかも知れない。
薄い硝子玉が弾け割れるような錯覚の中で妻の腰がグイッと動いた。
無音の映像の中で繰り広げられる倒錯の世界。
妻のディルドは根元深くまで、髭の男を貫いていた。
ゆるやかに、ゆるやかに腰を打ち込む妻の姿。
レンズが照らす妻の表情は目が据わり、うっすらと額から汗が滲み、勝ち誇るように顎を突き出すようしながら、その艶やかに朱く塗られたポッテリとした唇を半開きに開けていた。
時の流れを感じさせる事無く、何かに憑かれたように緩やかだった腰の動きをリズミカルに変え、そのディルドを出し入れする妻。
その股間に生えた黒光りしたディルドは、妻が生まれ落ちた瞬間から、その肉体の一部であったのように違和感無く、リズミカルかつスムーズな動きで責め続けた。
それは、何百もの相手を官能の世界へと誘い続けた性の凶器であるような錯覚に陥ってしまう程だった。
リズミカルに腰を打ち突けながら妻の右手が髭の男の下腹部に伸びた。
その右手は髭の男のガチガチに勃起したペニスを掴み、シゴキ上げている。
先程まで映し出されていた妻の表情と、この場面で映し出されている妻の表情が変わった。
男顔で戦闘的であった物が、目元をほんのりと染め、憂いを帯びた牝の表情へと変化していた。
考えてみれは妻のヴァギナにはボンデージの股間部位の裏地クロッチ部分に装着されたリアルな極太なディルドが雌芯奥深くに突き刺さっているのだ。
妻が激しく腰を打ち突ける度に、連動するように自身のヴァギナの中で、そのディルドも暴れているのだ。
妻の腰の動きと、髭の男のペニスをシゴく妻の右手の動きが加速した。
実際それは何度思い返しても不思議な光景であった。
妻のボンデージに装着されたそのディルドに・・・髭の男のアヌスに突き刺さっているそのディルドに・、まるで生身のペニスであるが如くに、血が通い、神経が通い、快感が脳に伝わる中で、その射精に至る道標を、その快感を辿る道標を知っていなければ出来ようの無い絶頂に向かう腰使いだったのだ。
無音の映像の中で、ビクッ・・・ッ・・・ビックッ・・・と髭の男が痙攣し、勢い良くシーツに精子が飛び散る様がズームアップされ、首筋と背中から大量の汗を滲ませた妻が何やら大声で髭の男を激しく罵っているような姿が映し出された。
妻は目を吊り上げて顔を紅潮させている。
妻は髭の男の尻を左右の手で力任せにドンッと、押し突けるようにして、アヌスから黒光りしたディルドを、ズルリッ・・・ッ・・・と引き抜いた。
見るに耐えない内容の映像だったのに、途中からは食い入るように画面に釘付けになってしまっていた私。
映像の世界が、私の自宅のリビングとリンクし、痛みを伴うような張り詰めた緊迫感が室内を覆い尽くしていた。
その映像からは本来感じ得る筈の無い、向こう側の温度や匂いまでが伝わって来るようだった。
昨夜【Z】のSMルームでの妻と明美との絡みの時にも、妻の内面深く息づいていたS性を感ぜずにはおれなかったが、今、映像の中で行われていた妻の行為を目の当たりにして、【私は寝た子を起こした】己の甘さ、不用意さを痛感し、重苦しい後悔の念に包まれた。
この一連の流れは全て、私の歪んだ欲望に端を発した事なのだ。
二年数カ月前に、オーダーメイドした異形のボンデージを与え、策を巡らせ、妻の変貌を望んだのは私なのだ。
紆余曲折の中で、互いの性癖を理解し合い、日常と非日常を使い分けて、【信じ合う心と信頼感】をベースに楽しみ続けられると思い込んでいた。【人間は、まずは心ありきであり、肉体とは別物であると】
だがしかし映像の中で異形のボンデージを身に纏い、男のアナルを責める妻の姿は、私の思惑を遥かに越える物であった。
今やボンデージを着た時の妻には、かつてのボンデージに着られている感などは全く無く、己の皮膚の延長であるようにすら感じられる。
あのボンデージを着る事は、妻の究極のリミッターカットなのかも知れない。
そう【底無しの性欲を開放し、人間としての理性を捨て去る為の・・・】
だが、これは一体どちらに原因や責任がある事なのだろう?
これは結局は私の妻に対する姿勢に問題があったのでは無いのだろうか?
【妻が体感して来た快楽の余韻。】
これこそが私の快楽の源だったのだ。
毎回、同じ種類だったり、同じような味だったりする事が私には物足りなさがあったのだ。
だから、【もう少し、否、もっと、否、まだ足りないんじゃないか?】と感覚が麻痺して行き、その過程の中で、そんな私の姿勢に妻は疑問も感じたり、躊躇したり、時にはブレーキを踏む事もあった筈なのだ。
その大切なシグナルを見落とし、或は見て見ぬふりをして、行為を継続させ、妻の踏み込むアクセルの深さを、どんどんと際限知らずにさせ、暴走させる道を作ってしまったのだ。
この一連の流れは、私自身が目を背け、蓋をしていた事柄までを改めて考えさせられるきっかけとなったのだ。
結局、私は物事で1番大切な事である
【さじ加減 】を誤り。
自分の妻に対する屈折した願望が、現実になる事の喜びで
【バーチャルとリアル】の区切りが出来なくなってしまっていたのだ。
幾度となく、この投稿文でも触れたが
【正に自業自得】なのであろう。
DVDに収められた映像は続いている。
何やら仁王立ちになったボンデージ姿の妻が、椅子に座る明美を見据えて口論をしているように見える。
しかし音声が入っていない為に、二人が何を言い争いしているのか分からない。
私は映像を見ながら、ソファーに座る明美の様子を伺った。
明美は画面を見詰めながら、苛立ちを隠そうともせずに、綺麗にネイルされた右手親指の爪を噛み続けていた。
ビデオカメラを握るりょう氏は、この二人のやり取りを面白おかしく感じているのであろうか?
仲裁する訳でも無く、妻と明美の顔を交互にズームアップさせて写し続けていた。
妻と明美の口論の中で、居場所の無くなった髭の男が、いつの間にか服を着て申し訳なさそうに俯いて立ち尽くしている。
りょう氏が髭の男に何か合図を送ったのであろうか?
髭の男は、済まなそうに腰を屈めながらカメラに向かって会釈をして部屋を出ていった。
画面に映る映像が一瞬ブレて、次の瞬間、無音だった映像から女性独特の甲高い声が響いた。
明美の声だ・・・。
「ハァ? アンタ何を言うてんの?
ハァ~・・・分かったワ。
じゃあウチがそれを着て言って来るワ。
エェんやな?後からグダグダ言わんといてや!」
仁王立ちのままの妻が答えた。
「フンッ・・・ッ・・・
好きしたらエェんやないの?
どうせ無駄やで」
一体、何の事を言い争っているのだ?
「さぁて・・・ じゃあウチ脱ぐワ 」
妻はおもむろに、ローションに塗れたロンググローブを引き抜き、ベッドに腰を下ろしてブーツを脱いだ。
そして器用に後ろ手を回してボンデージの背中のホックを外してジッ・・・ッ・・・ジジッ・・・ジ・・・とファスナーを引き下ろした。
汗ばんだ上半身に張り付いているボンデージを皮膚から剥がすようにして脱ぎ、残す物はヴァギナ奥深く刺さった極太のディルドだけとなった。
妻はボンデージのクロッチ部分を右手で摘み、それを引っ張るようにして「ンン・・・ングッ・・・ッ」っと息むようにして、ズルッ・・・ズルリッ・・・とディルドを引き抜いた。
立ち上がり、そのすらりと伸びた脚を開き、やや前屈み気味になり、その引き締まった双丘を後ろに突き出すような姿勢で眉間に皺を寄せながら
「ンッ・・・ンン・・・ッ」と妻は息みながらヴァギナから巨大なディルドを引き抜いた。
ズルッ・・・ズル・・・ズルッン・・・
バサリッ・・・ドサッ・・・ッ・・・
ディルドが引き抜かれ、妻の脚元に淫靡な抜け殻であるような異形のボンデージが抜け落ちた。
そこには、床に落ちてもまだ俺はヤル!居心地の良い場所に居たいんだ!!とばかりに力強く怒張し、上を向き、雄叫びを上げているようなヌラヌラと濡れ光る巨大なディルドの姿があった。
妻は脚元に落ちているボンデージとロンググローブにブーツを拾い上げて無言のまま口元を挑発的に歪めながら、それらを椅子に座る明美に放り投げた。
椅子に座ったままの姿勢で両手で抱え込むようにそれらを受け取った明美。
明美は、一瞬その受け取った生々しいボンデージに顔を背けるようにした。
何をするのだ?
音声が途切れていた時の映像から垣間見えた二人の険悪な姿。
それは激しく罵り合っていたように見えた。
そして妻が脱いだボンデージを明美に渡した意図は?
私は心の中に、先程まで繰り広げられていた妻と髭の男の絡みに対しての拭い切れない嫌悪感を残しながらも、画面をゾクリ・・・とするような緊張感の中で身じろぎせずに注視していた。
手に取った異形のボンデージの股間部位の表と裏の双方から生え伸びる欲望の根源のようなディルドに目を落とす明美に、
「どうしたん?」と
妻がボンデージを手にする明美に挑発的な眼差しを向けながら言葉をぶつけた。
キッ・・・ッ・・・ と下から睨み返す明美。
「フゥ・・・ 」
細長く途切れる事の無い息を吐き出し、おもむろに立ち上がり、着ている服を脱ぎだした。
あっという間に下着だけの姿に・・・ 黒地にゴールドの精巧な刺繍を施したブラジャーとペアのTバックだけの姿になった。
ブラジャーのホックが外され、形の良い脂の乗ったバストがブルルン・・・とあらわになり、続いて自然な動作からTバックも脚から抜き取られた。
クリフットに妖しく光る、例のピンクゴールドの3連ピアスが、これから始まる出来事の猥褻さを物語っているようであった。
一糸纏わぬ姿になった明美は、躊躇う様子も無く、数分前まで妻が身に着け、今だ乾く事の無い巨大なディルドが装着されたボンデージに脚を通し始めた。
ラバーとPVC素材を使い、特殊な縫製で作られたボンデージ。
妻の為に・・・より妻がイヤらしく輝く為にフルオーダーで作ったボンデージ。
よもやそれを妻以外の女性が身に着ける事など考えた事が無かった。
そのボンデージを、今、映像の中で明美が身に着けようとしている。
キュッ・・・キュッ・・・ピチッ・・・ピチッ・・・
肌とラバーが擦れる音。
体を締め付けてフィットするように作られている為に、とても着辛そうだ。
極太のディルドが、まだ明美のヴァギナに納まっていない為にボンデージの股間部分が伸びきったような感じに見え、外側にも装着されたディルドが不安定にお辞儀をしたようになっている。
明美は自身の淫烈の窪みに極太のディルドを押し当て、屈伸するような動きと共に、淫烈深く押し込み始めた。
「ングッ・・・ッ・・・ン・・・クゥ・・・ゥゥゥゥ・・・ 」
口を開き、眉間に苦悶の皺を寄せながら
ズブッ・・・ッ・・・ズブズブッ・・・ ズブッ・・・ッ・・・
明美の発達したラビアを巻き込みながら淫烈に埋没して行く極太のディルド。
「ハァァ・・・ン・・・ングッ・・・ 」
どうやら根元まで、ビッチリ納まったようだ。
ビチッ・・・ッ・・・キュッ・・・パチッ・・・ キュッ・・・ ピチッ・・・ッ・・・
自身の体型に合わせるようにボンデージを整える作業の乾いた音。
りょう氏がカメラを握ったままで、明美の背中に回り、閉め難いファスナー を引き上げてやっている。
ジッ・・・ジジジ・・・ッ・・・
ジジジ・・・ ピチッン・・・
明美は、着馴れ無い物を着て、規格外れの大きさのディルドを体内に納めた苦しさなのか、顔をしかめている。
明美はブーツを履く為に椅子に腰掛けた。
「ウォッッ・・・ ア・・・ンッ・・・ ・・・ 」
椅子に座った瞬間に、ヴァギナの中の極太ディルドが、更に奥深くまで達したのだろう・・・ 。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ」
映像を通して伝わる吐息が甘く、そして荒い・・・。
サイズが若干合わないのだろうか?
ブーツを、やや窮屈そうに引っ張り上げている。
苦労しながらも、左右の足にブーツを履き終え、ローションで濡れたロンググローブを左右の腕に嵌めた。
そして明美はどうや?と言わんばかりに椅子から立ち上がった。
妻が着ていた【魔性のボンデージ】に着替え終えてどうだ!と言わんばかりにその姿を誇示する明美。
【驚いた!
これはこれで似合っている。】
体型的にも若干違うのでどうなのか?そんな思いで映像を見ていた私だったが、これはこれで全然アリだ。
映像を見る限り、微塵もサイズ違いなどは感じる事は無かった。
ビデオカメラを回す、りょう氏までもが感嘆の声を漏らした。
「う~ん・・・ どないかと思うたが、これは・・・ 」
妻に気兼ねしたのか、語尾こそは濁したが、りょう氏も明美のボンデージ姿に驚きを隠せないようだった。
しかし考えて見れば、こいつは元々SM趣味があり、役どころも【S】なのだ。
この類いの物は着慣れている訳だから、似合って当たり前と言えば当たり前なのだが・・・ 。
明美も室内に置かれた姿見の前に立ち、鏡の中の自分の姿に満足し、勝ち誇るような視線を妻に向けていた。
その女同士には許しがたいであろう強い意識を帯びた視線を感じた妻は敏感に反応した。
「フン・・・ッ!!
さぁ・・・りょうさん、始めよか?
約束やろ?そのイボマラでウチを気絶する程イカしてや!
ビデオカメラは、しのさん・・・ちゃうわ、明美さんに回して貰えばエェやん? 」
りょう氏は
「分かったワ・・・
始めよか。
ほな、これ頼むワ」と、ボンデージ姿の明美にビデオカメラを手渡した。
明美の持つビデオカメラがベッドの上で女の子座りして、りょう氏を待つ妻の姿を捉えた。
そのままのアングルが暫く続き、静止映像であるような映像が続いた。
姿が映らないりょう氏がバサッ・・・カチャカチャ・・・ バサッ・・・ッ・・・
服を脱ぐ音がして、
プシュッ・・・ッ ・・・
ゴクッ・・・ゴクッ・・・ゴクッ・・・ カタン・・・
缶ビールでも飲んで、喉を潤したのであろう音が聞こえた。
映像の中に全裸のりょう氏が現れた。
ギィッ・・・ッ・・・ギシッ・・・ッ・・・
りょう氏が、ベッドで待ち侘びる妻の横に滑り込むようにした。
欲情でほんのりと目の周りを朱く染めた妻が、我慢出来ないとばかりに、りょう氏の凶器のようなイボマラに、ポッテリとした唇を近付け、あっという間にパクりとくわえ込んだ。
頬を窪ませ、そこから精液以外の物まで吸い出すようにしゃぶる妻。
ジュルッ・・・ジュボッ・・・ジュボッ・・・ジュルル・・・ッ・・・ジュルル・・・
画面の中では、妻の粘着質溢れる執拗なまでの舌使いが、りょう氏のイボマラを責め続けていた。
私は先程から胸の中でつかえている疑問を、もう我慢出来ないとばかりに明美にぶつけた。
「なぁ?何でお前が映像の中で、ウチの奴の着とったボンデージに着替えたん?
で、何を言い争うてたんや?・・・。」
私の問い掛けに身じろぎもせず、無言で映像の中の妻に刺すような眼差しで見据えながら、膝を抱えるようにしてソファーに座る明美。
「黙っていても分からんやないかい?
それに何でオドレがウチの奴のキーホルダーを持っとるんや?
おかしいやないか?」
私は語り口こそは、ゆっくりとした口調ではあったが、明美の返答次第によっては只では済まさないといった威圧感を送り続けていた。
「・・・・ アンタの奥さんがな・・・ あの髭の変態男のアナルをディルドでズボズボ犯しながら・・・アンタの名前を呟きながら・・あの髭の男をアンタだと思いながらやってたんや・・・ 。 」
[何だと!?アイツは髭の男のアナルを責めながら、俺を責めてるつもりだったと言うのか!!]「ウチは、アンタの奥さんの、その言葉を聞いて頭に血が上ってキレてしもうた・・・ 。
それをするのはウチやろ!
アンタを屈服させて、屈辱を味合わせるのはウチなんや!!
それを、何の苦労もせんと、幸せに、好き勝手に生きてる女に美味しいとこ取りなんてされとうない!
だからあの最中に言うてやったんや・・
アンタに出来る訳無いやろ?って。
なんでアンタみたいな[エセS女]に?
ただボンデージ着て、似合う、似合うて言われて・・・
その気になってるんやないの?って・・
そんなモン着たら誰でもそ・れ・な・り・に見えるんやでって・・・
そしたらアンタの奥さん目ぇ剥いてブチ切れて、じゃあアンタが着たらどうなんや!って
これ着たらアンタがウチの人を思うが侭に出来るとでも言うんか?って・・・・」
私は明美の言葉を聞きながら、本人不在の中での身勝手極まりないふざけた行為と話に呆れ果て、情けない気持ちでいっぱいになっていた。
画面からは、妻がりょう氏のイボマラで貫かれる姿が映し出され、歓喜の余りに絶叫する妻の声が響いていた・・・。
リビングの液晶画面からは、妻と、りょう氏の本能だけを・・・肉欲だけを追い求める姿が流れ続いていた。
私は、私を内面から支えていた物の栓が抜けてしまったような不思議な感覚に襲われていた。
妻を思う気持ちも、こだわりも、執着心も、信頼感も、そして愛情までもが私の中から・・・私の心から音を立てて抜け落ちて行くようだった。
その映像からも、音声からも温度は感じられず、乾いて無機質な物に感じられた。
表情を硬く強張らせたままで、私は画面を見ていた。
だが見詰める視線の焦点は合わず、そこに何が映し出されているのかも朧げにしか感じる事は出来なかった。
普段ならば興奮と刺激の対象である映像の中の【他人に抱かれ、快楽の渦に飲まれる妻の姿】が、ひたすら煩わしく感じられる。
そんな私を横目で見ながら、明美は落ち着きを取り戻した口調で
「でな・・・奥さんが昼間にDVDを置きがてら着替えに戻って・・・
その後で、ウチにこのキーホルダー寄越したんやで。 」
「・・・ 。 」
「なぁ・・・ 言われた通り全部話したんやないの。
何とか言うてや! 」
私は思考の定まらない中で、感情を抑え込みながら答えた。
「・・・で、満足したんかい?
ワシに対する恨みは晴れたんか?
オドレに言いたい事は山ほどある。
出来る事ならぶん殴ってやりたいわ・・・
けどな・・・今は考えらへんし、そんな気力も無いわ。」
私の気配が只事でない事を敏感に感じ取った明美は憎まれ口を叩く事も無く、再び俯いて押し黙ってしまった。
「・・・ 」
一体何から片付ければ良いのだろう?
どんな形になるにせよ、この問題を解決せねばならないのだ。
きっかけは単純な物であったのかも知れない。
しかし今のこの状況は、きつく絡み合った糸がグチャグチャになってしまって、何処から糸口を見つけれ良いのかも、手を付ければ良いのかも分からない、そんな感じであった。
やはり直接、妻に聞かねばならない・・・。
そう・・・妻本人の口から。
私は明美に向き直り、問い掛けた。
「で、アイツは今何処に居るんや?
りょう氏と一緒なんか?」
「多分一緒やと思う・・・でも今は何処に居るかは分からへん。
キーホルダーを受け取った後、二人で何処かに行ってしもうた」
明美はテーブルの上に置かれた妻のキーホルダーを指さした。
混乱と困惑が私の思考を靄がかかったように重くしている。
こんな筈では無かったのだ。
「オドレは、りょう氏との間で、この後どんな段取りになってるんや?
連絡を取るんやろ? 」
明美は、私のその問い掛けに暫く答えなかった。
視線を履いているブーツに落とし、意味無く爪先をカーペットの上で左右に滑らせるようにして押し黙る明美。
私はその態度に苛立ちを覚えたが、それを飲み込むようにして、もう一度ゆっくりとした口調で問い掛けた。
「どうなん? 」
「・・・ハァ~ァ・・・なんだかウチの思惑と違う方に行ってしまいそうやなぁ・・・
ここでアンタをいいようにしたら、その結果報告を兼ねて二人に会う段取りになってるんや。
コレに録音してナ」
コートの右ポケットから銀色のボイスレコーダーを取り出して悪びれる事も無く、私に見せる明美。
そして
「わざわざこないなモン着て来たのになぁ」と
明美は立ち上がり、羽織っていたコートを脱ぎ、ニットのセーターをたく上げた。
熟れたバストを包む赤と黒の光沢のある素材が見えた。
見覚えのあるボンデージ。
妻の希望で友人である山田君に頼んで製作して貰った、手の込んだ作品。
妻の為に、妻の淫靡さをより引き出す為に作られた筈のボンデージ。
妻以外の人間が肌を通す事などあり得ない筈のボンデージを明美が身に着けているのだ。
たくし上げたセーターを脱ぎ捨て、スカート越しにも分かる女性にはあり得ない股間部位の盛り上がりグイッっと突き出すように強調した後で、あっという間にウエストのホックを外してスカートのファスナーを引き上げる明美。
その股間部位から起立する黒光りしたディルドが邪魔になりスカートを下ろせないでいる。
右手でディルドを下向きにして跳びはねるようにしてスカートを下ろした。
バサッ・・・ッ・・・ 。
左脚のブーツに引っ掛かるスカートを軽く蹴りを入れるように振りほどき、その見事な姿を私に晒した。
「お・おい、何、脱いどるんや?
止めんかい!!
早よ脱いだモン着れや!今のワシはそんな気分ちゃう!」
明美の服を脱ぎ去る手際良さと、明美の肉体から発せられる熱を帯びたオーラが服を脱ぐ事を遮る私の言葉のタイミングを狂わた。
明美は私の言葉に蓋をするように、私に向け掌を広げて、その整形した事によってバッチリとなった二重の瞳をより大きく見開きながら言った。
「見るだけ見てぇなぁ・・・アンタの奥さんとどっちが似合うてる?
どっちが感じる?」
私に向いた明美の瞳は、有無を言わせぬ力強さがあった。
この至近距離で明美のボンデージ姿を見て改めて驚き、そして感嘆した。
明美の内面に潜む、十数年の歪んだ想いがそうさせるのか、邪悪な者が身に纏ってこそなのかも知れないが似合うのだ。
これはこれで見ようによっては、明美の為にオーダーされと言っても事情を知らない人間なら違和感を感じる事すら無く納得してしまうのではないか?
妻の場合は己を覚醒させ変貌させるスイッチの一端がボンデージであるのだと思うのだが、明美の場合は、持っているありのままの姿を、より引き立たせ、その歪んだ信念を貫く為の戦闘服のように感じてしまう。
明美の体温が上がって来たのだろうか?
強烈な牝のフェロモン臭が鼻を突き始めた。
どんよりとした私の思考を、沈んだ心を覚醒させる濃厚な香り。
妻の匂いと明美の匂いが織り混ざった睾丸の裏側を揉み上げて来るような刺激的な淫臭・・・。
明美は躊躇う様子も無くソファーに座る私の前に立ち、私を見下ろすようにして、己のボンデージ姿を誇示するように腰に右手をやり、左手をボンデージから生えたディルドをグィッと掴んで見せた。
50センチ・・・僅か50センチ先に妻のボンデージを着た明美が、私を挑発するようにして立っている。
ラバーと体液の入り混じる刺激臭が鼻を突いた。
「どや?エロいやろ?
アンタの奥さんより似合うてるんちゃう?
しかしコレは凄いなぁ。ココに凄まじいモン入ったままなんやで。」
明美は左手で握り締めたディルドをグイッと引っ張るようにして股間部位に隙間を作り、右手をその間に滑り込ませた。
「アンタの奥さんも・・・好きモンやなぁ・・・
こ・・・こんな・・・ごついモン・・・アソコに入れたままで居るんやもの・・・。
あっ・ふぅ・・・ッ・・・あ・・・んん・・・
さっきからな、少し体を動かしたり、立ち上がったりする度にギュウギュゥのアソコの中でうごめいているみたいや・・・
癖になるわぁ」
頬を桜色に上気させた明美が、右手をクロッチ部分に滑らせ出来た隙間から更なる濃密なフェロモン臭が漏れてきた。
「どうなん?・・・ウチのこの姿、好きなんちゃうの?
ココの匂い、メチャ好きなんやろ? 」
欲情し潤んだ瞳で、私を見詰めながら、私の鼻面に黒光りした逞しいディルドを近付けて来る。
少しでも隙を見せ、明美の肉体から放たれる色欲の芽に引き込まれては、取り返しのつかない事になってしまう。
背中にザワザワと得体の知れない物がはいずり回るような感覚がして、私は、ハッと我に返った。危うく引き込まれてしまいそうだった。
頭が熱くなり、心臓の鼓動が驚く程バクついている。
私には、アナルを責められたり掘られたりするような趣味嗜好は無いのだ。
そう、生理的にそれを受け付け無いのだ。
嫌悪感すら感じてしまう。
無理な物は無理なのだ。
私は鼻面に向けられたディルドを力任せに掴み上げて上下に動かした。
「な、な、何やのぉ・・・
あふぅ・・・あぁぁ・・・ん・・・あうっ・・・。」
汗ばむ内股に力を入れるようにして身をよじる明美。
「危ない、危ないわ・・・ホンマに洒落にならんワ。オドレにしてやられる所やったワ。ワシには、ケツを責められたる趣味は無いんじゃボケっ!エェ加減に諦めんかい!・・・なぁ・・・もう、十分やろ?行き着くとこまで行った処で、その後に何が残るんや?ここまでやればエェんやないんか?オドレが、これ以上を・・・この先を何が何でも望むならば、ワシも面倒やけど出る処に出てオドレを不法侵入と窃盗で突き出さなアカン。なぁ・・・もう止めようや?」
「なぁ・・・もう止めようや?」
欲情し桜色に染まっていた明美の表情に赤身が増して、目が瞬時に充血して行った。
充血して大きく見開いた二つの瞳が私を凝視している。
液晶の画面からは相変わらず妻の切ない官能の声が流れ続けていた。
赤く染まった明美の顔が見る見る色を失って、青ざめて固まって行く。
ゴクッ・・・ッ・・・ 」
明美が何かを飲み込むように喉を動かした。
「もう十分やないか?
昨日【Z】で、オドレに言われた言葉・・・
女を舐め過ぎやないの?って言われたやないか?
ワシはワシで感じ入る物があったんや。
あの時に・・・違うやり方もあったんやないか?
きちんと話しをして、分かって貰う事に多少時間が掛かったとしてもや。
ワシは、オドレに・・・明美に・・・惨たらしい事をして、その心に深い傷を残させてしもうた。
ホンマに悪かったと思う・・・
済まんかった思うてる。」
私はソファーから立ち上がり、固まったままの明美の前に立った。
「ごめんな。
ホンマに申し訳無かった。
許してくれ・・・
明美もこないな事で無駄な時間を使い、回り道せんで自分の道を見つけて幸せになってくれ・・・。」
私は深く腰を折るようにして頭を下げた。
私は、十数年前に冒した行為に対し、本気で後悔し懺悔していた。
「・・・何を・・・何を勝手な事を言うてんのや?
ウチのこの年月は何やったん?
まだ終わって無い!!」
ワナワナと唇を震わせ、充血した目を私に向けながら話す明美。
私は口を開く事無く、無言のままで明美の抗議の視線を受けていた。
この時の私には明美の卑劣なやりようにより家庭をメチクチャにされた怒りよりも、この長い年月の中でも萎む事無く、その怨念にも似た女の恨みの原因を作り出した自分の身勝手極まり無い過去を申し訳なく思う気持ちの方が本当に強かった。
「ウチは・・・ウチはどうすればエェんや?」
呆けたように呟く明美。
私は私なりに精一杯の言葉で答えた。
「ワシら夫婦かて今回の事でどうなるか分からんやろ?
たった一日や・・・
たった一日の事で、こないに不信感が広がり、ひびが入ってまうなんてな・・・
もちろん放置はせぇへん。
夫婦としての十数年の重みが一日で粉々になってしもうたらかなわん・・・
ワシの心の中かてグチャグチャや。
分かってや?頼むわ」
明美の瞳から滴が零れ落ちた。
見る見るうちにその瞳から涙の滴を溢れさせ、ガクリと膝を折り曲げるようにして崩れる明美。
体を小刻みに震わせて、しゃくり上げるような鳴咽が続いた。
私はそれ以上の言葉も無く、泣きじゃくる明美を見詰めている事しか出来なかった。
どれぐらいの時間が経ったのだろう。
液晶画面に映し出されていた、妻とりょう氏の痴態もすでに終わっていた。
やがて、涙で顔をグシャグシャにした明美が、声をしゃくり上げるようにしながら
「・・・ウグッ・・・ヒクッッ・・・わ、分かったわ・・・
もうエェ・・・ヒクッ・・・ッ・・・忘れたる・・・許してやるわ・・・ヒクッ・・・ウグッ・・・ 」
そしてヨロヨロと立ち上がり、私に背中を向けながら言った。
「ヒクッ・・・ウグッ・・・ッ・・・コレ外してぇな・・・ウグッ・・・ッ・・・ファスナー・・・ウグッ・・・ 」
まさかまだ何か企んでいる訳じゃ無いよな?
私は一瞬の躊躇の後に、意を決してボンデージのホックを外し、一気にファスナーを引き下ろした。
パチッ・・・ッ・・・ジッ・・・ッ・・・ジジジ・・・ジィ・・・ッ・・・
「フゥ~ゥ・・・ 」
ボンデージの締め付けから解放されたせいか、明美は大きく息を吐き出した。
「ん・・・ん・・・張り付いて脱ぎ辛い・・・ 」
ピチッ・・・キュッ・・・キュッ・・・パチッ・・・ キュッ・・・ッ・・・
ボンデージに隠されていた上半身があらわになり、明美は左右の手を腰にやり、ボンデージと皮膚の間に滑らせてグイッと腰を揺らしながら引き下ろした。
キュッ・・・ビチビチッ・・・ギュッ・・・ッ・・・
ボンデージは裏返り、ダラーンと、裏地を情けなく見せながらクロッチ部分に装着された極太のリアルディルドだけが明美の発達したヴァギナに深く埋没して繋がっている。
ハァ・・・ハァ・・・ン・・・ン・・・ングッ・・・ッ・・・ゥ・・・ 」
右手でディルドの根元を掴み、大きく息を吐き出し下腹部に力を込めてディルドを引きずり出す明美。
ズリッ・・・ズルズル・・・ズルン・・・ッ・・・ ボトッ・・・ン・・・ッ・・・
重量感のあるディルドが引き抜かれ、明美の右手に握られたディルドは床に投げるように落とされた。
その瞬間、ディルドの重みで連結されていたボンデージも明美の体から勢い良く抜け落ちた。
涙でグチャグチャになった顔を私に向けた明美は
「ヒクッ・・・ウグッ・・・ッ」と、治まらぬ鳴咽を漏らしながら
「ウグッ・・・ッ・・・こ、これもう要らんから外して・・・ ヒクッ」と、クリフットに妖しく輝くピンクゴールドの三連ピアスを指さした。
しゃくり上げるような鳴咽を漏らしながら
「ヒクッ・・・ッ・・・これもう要らん・・・外して・・・ウグッ・・・ッ」
この十数年の恨みの根源でもあるピンクゴールドの三連ピアスを指さす明美。
息を飲むようにして、その三連ピアスを凝視する私。
「ングッ・・・壊してもエェ・・・早く取って・・・ヒクッ」
私は「あ、あ、分かった・・・ちょっと待っててや」
と、工具箱から先端の細長いラジオペンチを持って来た。
明美はソファーに座る私の前に、脚を広げて立ち、左右の手で上から陰毛を引き上げるようにして三連ピアスの付いたクリフットを見せた。
先程まで極太のディルドが長時間挿入されていた淫烈からは、濃厚な牝の淫臭が漏れ流れ、白乳色の愛液がヌラヌラと発達したラビアを光らせていた。
私は鼻腔を突き抜け、瞬時にして股間をズキンと刺激する明美の持つ牝のフェロモン臭に耐えながら、震える指でラジオペンチを握り、ピンクゴールドの三連ピアスの輪の中心にペンチの先端の片側を入れた。
掌が、汗ばんでしまっている。
どうしたんだろう?
ペンチを持つ手に力が入らない。
喉もカラカラだ・・・
口の粘膜が張り付いてしまう。
「フゥ~・・・ 」
私は、一度大きく息を吸い込み、ペンチを持つ手に力を込めた。
パチン・・・ッ・・・
甲高い金属音。
三つの輪が連なったピンクゴールドのピアスは積み重ねられた因縁までも断ち切られた如くに切断された。
私は切断面でクリフットに傷を付けないように慎重に切断されたピアスを引き抜いた。
「ハァ~・・・フゥ~・・・ 」
ここで私はようやく、大きく吸い込んだ息を吐き出す事が出来た。
明美に許された安堵感と因縁のピアスを断ち切った安堵感が私の全身に広がって行く。
見上げると明美の顔は再び涙でグシャグシャになっていた。
しかしその顔からは険が取れ、長年の憑き物が落ちたように穏やかで優しげな表情になっていた。
クリフットに長年着けられたピンクゴールドの三連ピアスを外して、憑き物が落ちたように穏やかで優しげな表情の明美。
私は痛々しく開いたクリフットのピアスホールを見て去来する物があり、胸がキリキリと切なく締め付けられた。
私は不意にその痛々しいピアスホールに済まなかった。申し訳ない。そんな感情が沸き上がり、そこに唇を押し当てた。
「な、な、何? アカンやろ? 」
困惑の中で、軽く身をよじる明美。
私はセックスがしたくて明美のヴァギナに、明美のクリフットにキスをしたのでは無い。
本気で痛々しさに胸を締め付けられ
長い間ごめんな・・・
痛かったよな・・・ 。
そんな気持ちでピアスホールに、ピアスホールを開けられたクリフットに包まれたピンク色の真珠にキスをしたのだ。
私は、舌先でピアスホールを優しく舐め続けた。
舌先にクリフットに包まれたピンクの真珠が充血し肥大して行く様が伝わって来る。
両脚をガクガクと震わせながら、そこから来る鮮烈な刺激に堪える明美。
クリフットのおよそ7センチ下の蜜壷からは一度は鎮まりかけた発情した牝淫臭が溢れ出し、私の鼻腔を強く刺激をした。
睾丸を揉みしだき、ペニスをズキンと刺激するような発情臭。
私は堪えた・・・
ただひたすらクリフットを愛しむように舐め続けた。
「あぅっ・・・あぁん・・・アカン・・・アカン・・・
イ・・・イッてまう・・・
あぁ・・・あぁん・・・あふぅ・・・あぅっ・・・ うぐっ・・・っ」
私の髪の毛を上から鷲掴みするようにしながら、内腿を震わせ果てた明美。
私は倒れ込むようにソファーにしな垂れかかる明美に
「分かってくれるな?
そこにも謝りたかったんや。
ワシが明美に出来るんはここまでや・・・ 」
ソファーにしな垂れかかり、ハァ・・・ハァ・・・と喘ぎながら明美は、その上気させた顔でコクンと頷いた。
私は裸のままの明美にガウンを掛けてやり、履かれたままのブーツを脱がせてやった。
ひと心地ついた明美が自ら切り出した。
「で、アンタはどないしたいの?
ウチが、りょうさんに連絡して、居る場所聞いて、アンタを二人の居る場所に連れてけばエェの? 」
「あぁ・・・そうや。
明美には面倒かけてまうけど頼むわ。
けどな、その前に聞きたい事があるんや?」
「何?何やの?
ウチの知っている事やの? 」
「あぁ知っている筈や。あのりょう言うんは、何をしている奴なんや?」
全てが氷解した訳では無い・・・
しかし、十数年の長きに渡った明美の私に対する怨念にも似た呪縛は解き放たれ、薄らいだと信じたい・・・。
「なぁ、あのりょう言う奴は何をしている奴なんや?」
私は尋ねた。
妻の所在を調べ、一緒に居る相手であるりょう氏についての情報を知り得るには明美の協力は欠かせないのだ。
「りょうが何をしてるかやて?
・・・アイツは、まともやあらへん。
自分では会社を経営してる言うてるけど、ツルンどる連中はいかがわしい奴ばかりや。」
やはり、まともな奴では無いのか・・・
不安が募り、しかっめっ面でいる私に明美は
「あのな・・・ りょうはアンタに昔、自分の女を盗られたて思うてるんよ。十数年振りにアンタの奥さん・・・由香利さんに逢うて、エライ女っ振りが上がっとるんで、何としてでも自分の手元に置きたい思うてるみたいや」
あの【Z】での、りょう氏と絡んでいる時の妻の狂態、DVDに収められていた顔付きまで変わって、りょう氏の凶器のようなイボマラに歓喜する妻の姿。
そして私の不在を見計らったように帰宅して、着替え、まるで三行半のようにDVDを置いて再び出掛けてしまった妻。
どう考えてもマイナス要素ばかりなのだ。
苛立ちと不安を抑えるように腕組みをし、思いを巡らせる私に明美は切ないような、困ったような顔をしながら、視線を天井に向けて呟くように言った。
「・・・そんな顔せんといて・・・
あ~ぁ・・・ ウチは結局、損な役回りやわぁ・・・。
しゃあない、ウチが奥さんを連れ出したる。
ウチが出来るのはそこまでや・・・。
後はアンタが奥さんとキチンと話し会って、諭すなりしたらエェ・・・。」
「あ・明美・・・ 」
「エェんや・・・
罪滅ぼしや・・・ ウチもやり過ぎやったんやろうし・・・ 。
何か・・・ もうどうでも良 くなってしもうた。
でもな・・・ ウチがアン タを恨んだり・、憎しん だり・・・
痛いぐらいに悲しくなってしもうたり・・・
そんな意味だけは忘れんといてな・・・ 。」
私は明美の言葉に複雑な胸中で頷いた。
静まり返ったリビングには重苦しい空気が流れていた。
その空気の重さが、より己の冒した、かつての身勝手な過ちを痛感させ、のしかかるような贖罪の重みを実感させていた。
明美はリビングの掛け時計に目をやりながらポツリ、ポツリと言った。
「後な・・・ アイツは・・・りょうは、変に頭が回るとこがあるねん。
何となく今この段階で、準備してるような気がする。
由香利さんと二人きりじゃないんやないやろか?
危ない連中を引っ張り込んで無ければエェんやけど・・・ 」
「危ない連中かいな・・・
ホンマ洒落にならんわ。
明美?オドレは何時に、りょうと連絡を取る事になっとるんや? 」
私は気が気で無かった。もう二度と取り返しのつかない事はしたくない。
【一刻も早く妻を取り戻さなくては!!】
明美は指を折るようにして掛け時計を見ている。
「そやな・・・後一時間ぐらいしてから、りょうの携帯に連絡入れたらちょうどエェ感じやないやろか?」
妻を奪還する折りの不測の事態に備えて、こちらも最低限の準備が必要なのかも知れない。
明美が、りょうに連絡を入れて合流するまでの時間を考えれば、ギリギリ手は打てそうだ。
トラブルは基本的にゴメンだ。
しかし状況が状況だけに理想論ばかり吐いていても問題は解決しない。
備えあれば憂い無しだ。
私は西島氏に電話を入れた。
昨夜、西島氏と同じ空間に居ながら西島氏に伝えられなかった複雑極まりない出来事、その流れを事細かに、そして正確に伝えたのだった。
西島氏は私の話を聞き、驚きの中にも何か予期していた風であった。
昨夜【Z】での妻の動きと私の行動に西島氏も嫌な予感があったようなのだ。
西島氏は「分かった、いざアンタが嫁ハンを迎えに行って、アホうどもが暴走して、アンタやアンタの嫁ハンに万が一の事があっては洒落にならん・・・ 。
ワシのルートで出来る事はするさかい、ちょっと待っててや。」と携帯電話の向こう側で慌ただしく電話を切った。
今思えば、西島氏との出会いが無ければ私達夫婦の人生も変わっていたのかも知れない。
いや・・・西島氏が山田君に特注した【あの淫靡で魅惑的なボンデージ】を、たまたま私がクラス会の打ち合わせで山田君の縫製工場を訪れた時に目の当たりにしなければこんなドラスティックな日常にはならなかったのだろう・・・
私は西島氏からの連絡を待つ間、リビングの床に無造作に脱ぎ捨てられた先程まで明美が身に着けていた妻のボンデージを見ながら思い返していた。
脱ぎ捨てられたそのボンデージの裏地部位に装着されていた【伝説の巨根竿氏である藤田のペニス】を型取ったディルドだけが私の事情や複雑な心境を嘲笑うように雄々しく天を仰いで色欲の際限なさを訴えかけているようであった。
それはまるで今後の無情なまでの不吉さを刻み伝える墓標のようでさえあった。
「♪~♪~♪♪・・・ 」
不意に携帯電話の着信音が鳴り、物思いに耽っていた私はリアルな現実に引き戻された。
「はい・・・〇〇です。
えっ?!・・・何でアンタが?・・・ 」
驚いた事に電話を掛けて来たのは、あの巨根竿氏藤田であった。
「西島ハンから聞いたで、何や難儀なこっちゃな?
ワシはアンタに言った筈や、アンタの嫁さんは危ない爆弾を抱えてとるてな。
アンタが上手に、さじ加減して転がすようにしてやらんと手に負えなくなるてナ。
縁のあるアンタ達夫婦の事や、ワシも一肌脱がして貰うワ。」
驚きと頼もしさに声を失う私に藤田は
「餅は餅屋やろ~?
その男のバックにヤバイ連中が居るんやろ?
蛇の道は何とやらや。
まぁ何とかなる!」
ピンボーン・・・ピンボーン・・・ピンボーン
藤田との電話の最中に自宅のインターホンが鳴った。
一体こんな夜分に誰だ?
私は電話をくれた藤田に
「ちょっと待っててや」と告げ、慌てて玄関を開けた。
そこには憎いまでにニヒルに笑いながら携帯電話を握る藤田が立っていた。
インターホンの音を聞き、玄関を開けた私の視界に飛び込んで来たのは、憎いまでにニヒルに笑いながら佇む、藤田の姿であった。
「よう!!配管設備の者です」
藤田は初めてこのマンションを訪れた時の台詞を照れ隠しするように言った。
どこまでカッコイイ奴なのだ。
どこまで頼もしい漢なんだ。
「驚いた・・・
来てるなら来てるて言うてくれたらエェのに」
「何か照れ臭くてな・・・それより、相手の男に近い女がココに居るんやろ?
直接、話を聞かせて貰おか?」
藤田は玄関先からリビングの方向を覗き込むようにしながら言った。
ソファーに座る明美は、藤田の姿を見るなり顔が強張って固まってしまった。
見る見るうちに明美の顔から血の気が失せて青ざめて行く。
何だ?知り合いなのか?
それにしても明美の藤田を見てからのリアクションは普通では無い。
「何や?姉ちゃん、その様子ではワシの事を色々知っているようやな? ほなら嘘を言うたり、適当な事を言うたら・・・
分かっとるな? 」
明美は藤田の言葉に怯えを映した目で小刻みに、ウン、ウンと頷いた。
明美の藤田に対する尋常で無い、怯えと畏れにも似たリアクション・・・
有名な竿氏であるぐらいで、ここまで畏れる態度を取る明美に
「何なん?明美?
藤田ハンを知っとんたんかいな?
まぁ有名な竿氏のお方や。
色々とアチコチ覗いとるオドレが知っていても不思議やないが・・・ 何も藤田ハンがオドレをどうこうする訳やないやん。
何をビビッとるねん?」
明美は、大きく見開いた眼で私の顔を見ながら、酸欠の魚が水面で口をパクパクとさせるように唇を動かしながら小さく顔を左右に振った。
ん・・・ん? コイツどないしたんや?
明美は私の怪訝な態度に何を思ったのか、
「ア・・・アンタ・・・このお方が何をしてはる人か分かっとんの? 」
おかしな事を言う奴やなぁ・・・ いまさらコイツ何が言いたいんや?
だから藤田ハンは伝説の竿氏やないかい・・・
「だからな・・・有名な竿氏の」
私がここまで言いかけた時、藤田がニコニコと笑いながら、私の言葉を遮り、明美の顔を見つめながら
「ワシは竿氏や・・・
なっ?そうやろ姉ちゃん? 」
明美は藤田の言葉に、怯えた目をして、再びぎこちなく頷いた。
私はこの時、【伝説の巨根竿氏藤田】の真実の姿を知らずにいた。
藤田を見て、何故だか畏れるような態度の明美。
そんな明美を見て、藤田は
「姉ちゃん、何を恐がっとるんや?
正直に色々教えてくれたらワシは何もせぇへん。まぁワシは竿氏やから・・・コレは使うかも知れんがな。」
藤田は自身の股間を指差し、ニヒルに口元を歪め、笑った。
やがて少しづつ落ち着きを取り戻した明美は、藤田の質問に、事細かに、ほんの子細な事柄までも順を追って答えた。
そして、一通りの説明を受け、情報を得た藤田は
「りょう言う奴は、十中八九、堅気や無いな・・・
アンタの嫁ハンが、面倒な事になる前に早よ片付けた方がエェ。
もうすぐ西島ハンもココに来る筈や・・・。
まぁアンタも心配やろうけど、一人より二人、二人より三人、皆で智恵を絞ればどうにかなるもんや。
アンタも元気出さんとな!」
藤田は努めて明るく、私の背中を力強く叩いた。
「そろそろ頃合いやね」
明美が時間を確認しながら言った。
私は明美に「疑われたり、不審がられたりせぇへんように上手くやってや 。」 と話した。
明美はバッグから自分の携帯電話を取り出し、気持ちを落ち着けるように深く深呼吸を繰り返しながら携帯電話のディスプレイを眺めていた。
やがて「ほな・・・電話するな」と明美は右手に持つ携帯電話の発信ボタンを押した。
深く深呼吸をしながら心を鎮めるようにして右手に持つ携帯電話のディスプレイを眺める明美。
一瞬・・・ほんの一瞬だけ目をつむるようにし、発信ボタンを押した。
受話位置を耳に押し当て、りょうが電話に出るのを待っている。
やがて明美はおっ・・・!といった表情をした。
りょうが電話に出たのだ。
「あぁ・・・ウチや・・・
終わったデ・・・ えっ?・・・
由香利さんが聞いたら目を剥いて激怒するようなモンが録れたワ・・・
・・・そうや・・・あのディルドで突かれてヒィヒィ涙流しながら喜んでたワ・・・
そうや・・・ウチもスッキリしたワ・・・
アンタの思惑通りやん?
コレ聞いたら由香利さんも亭主に愛想尽かすやろ?
で・・・今、何処に居るん?
あぁ・・・分かったわ・・・
これからタクシーで行くさかい、大して時間かからん思うわ。
えっ?・・・何で?・・・二人やないの?・・・ アンタも好きやな・・・エェよ・・・ウチも体が日照ったままや・・・
じゃこれから向かうナ」
会話を終えた明美は、
俯いて
「フゥ~」っと体内に残る緊張を吐き出すように息を吐き、
パチン・・・ッ・・・と携帯電話を閉じた。
安堵の表情で顔を上げた明美は
「・・・上手くいったで・・・
でもやっぱり、二人やないみたいやで。
他にも何人か居るようや。
これから複数でやろう言うてた。
で・・・ウチはこの後どないしたらエェの? 」
「取り敢えず案内して貰おか?
詳しくは車の中でや。」
藤田は、そう言うと私に
行くぞと促した。
「藤田ハン・・・西島ハンは? 」
私の問い掛けに藤田は
「大丈夫や・・・
もう下に来とる筈や」
と答えた。
自宅を出てエレベーターに乗り、地上に降りて、マンションに面した道路に出ると、そこには見慣れぬ黒塗りの威圧感溢れる高級車が3台、列なるように停められていた。
な・・・何なんだ!この車は?!
一瞬たじろぐ私に藤田は
「気にせんと乗ってや。こっちや・・・こっち・・・ 」と最後尾の車に案内した。
その瞬間・・・ 運転席のドアが開き、中から厳ついスーツを着た男が降りて来た。
何事だ!?と、怯む私を右手で制する藤田。
車から降りて来た男が藤田に
「お疲れ様です」と挨拶し、後部ドアを開けた。
唖然としながら後部座席に乗り込むと、そこには「どんな案配や」とばかりに、西島氏がすでに座っていた。
「どんな案配なんや?」
威圧感溢れる黒塗りの高級車のリアシート。
そこには西島氏が悪戯っぽい笑顔で座っていた。
「に、西島ハン・・・ これは一体・・・どないなってるんでっか??この車は?・・・ この人達は? ・・・それに藤田ハンも・・・ 」
西島氏は、私の狐につままれたような表情を見て
「まぁ話せば長くなる。車の中で追い追い話すワ・・・ さぁ行くデ 。」と言ってパチンとウインクをした。
助手席に座った藤田が、明美に行き先を聞き、厳つい風貌の運転手に目で合図を送るようにして促した。
音も立てずに滑り出すように発進する車。
明美は真ん中に私を挟んで座る西島氏の顔をマジマジと見て「アッ!!・・・あぁ」っと、何かを・・・とんでも無い事を思い出したような声を上げた。
そして全身の力が抜け落ちたように、顔を下に向け、両足をピタリと閉じ、ガタガタと小刻みに震え出す明美。
その異様なまでの震えが隣に座る私にまで伝わって来る。
私は呆気に取られながら、隣に座る明美に小声で
「どないしたんや・・・西島ハンにはオドレも【Z】で二回も会ってるやないかい?忘れたんか?」
明美は小刻みに震える、ままならない自分の足に蓋でもするが如く、拳を握り締めた両手を膝に置き、
「ちゃう・・・ちゃうんや・・・【Z】で会うた事は勿論覚えてる。ちゃうんや・・・何度も・・・何度もウチ見てるんや・・・遠目に・・・何で気付かなかったんやろウチは・・・何で思い出さなかったんやろ・・・なぁ・・・アンタ・・・何でなん?何で、こないな方々と仲良しなん? 」
この明美の言葉に・・・態度に・・・そして先程この車に乗り込む時にチラリと見えた他の車に乗っている明らかに温度の違う面々の姿に、ピントのずれていた私の頭の中で、ようやく【点と線】が繋がり始めていた。
私のぎこちない作り笑顔に西島氏はしゃあない・・・とばかりに
「まぁ・・・そうゆうこっちゃ。ワシは既に隠退した身やけど、藤田はな・・・現役バリバリの、その筋では知らん奴の居らん有名な漢なんや。竿師ちゅうんは、藤田のかりそめの姿や。ワシは、アンタとの付き合いでは、そんな余計な事は教える必要も無いし、アンタも知る必要も無い思うて付き合うてきた。共通の趣味を持つ者同士、エェ仲間やと思うてるからな。だから藤田の事も竿師としての藤田だけでエェ思うから、コイツの生業まで教える事も無かったんや・・・。」
西島氏の話に言葉を失う私。
確かに尋常では無い顔の広さ、イヤらしさの中にもウィットに富んだ語り口、あらゆる物に対する造詣の深さ・・・
そして物言わぬ時でも、その全身から醸し出されるオーラ。
しかし・・・ 脳天気な私は微塵も疑う気持ちが無かった。
そしてそれは、藤田にも。
キレのある遊び人。
己の名刀を武器に生きる伝説の漢。。。
そこからは漢としての強烈なフェロモンこそ感じるが、デンジャラスな世界で名を馳せる裏の姿など想像がつかなかった。
助手席の藤田がニッコリと微笑みながら振り返った。
「あんまり考え過ぎたらアカン。ワシらとアンタは今まで通りの遊び仲間でエェんや・・・。言うてエェ事と悪い事あるやん?兄貴・・・いや西島ハンもワシも余計な事を教えてアンタやアンタの嫁ハンに要らん悩みを抱えられてもな・・・分かってや。今回はアンタの遊び仲間として・・・友達として助けたい。ホンマなんやで・・・『馬鹿と鋏は使いよう』って言うやろ?
嫁ハンの事が手遅れになってからじゃ洒落にならんやろ?
悪いようにせんから・・・
任せとき!! 」
藤田の男気溢れる言葉。
西島氏も私を見て無言で頷いていた。
私は感じ入り・・・そして少し安堵した。
だがしかし、一連の予想を超えた事の顛末と流れに【ただ事では済まない物】も如実に感じていた。
何故、妻は・・・由香利は、たった一夜で心が揺れ、豹変してしまったのだろう?
あの元カレである、りょうが見えざる妻の禁断のスイッチを押してしまったのか?
私自身が妻に愛想を尽かされ・・・そして三行半を下されてしまっているのだろうか?
昨夜、夫婦で【Z】に行くまでは、妻が【Z】で元カレのりょうに再会するまでは、今この状況など想像もつかなかったのだ・・・。
漆黒の深夜を私達を乗せて走る車は、いつの間にか目的地に着こうとしていた。
胸が苦しい・・・
何事も無ければ良いのだが。